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予備校

嫌いではない
でも
勉強が好きっていうのも
何か違う
よく分からない世界に
落とされた
ただそれだけ
本屋にて
予備校帰りの
男子たちが
お互いに
あの参考書はこうだ
あれもうやったよ
簡単だった
あの講義は──
そんな会話を聞いて
狭い世界で
それが絶対だった頃の
自分の息苦しさと
それに
しがみついて
昇ろうとした
信念について考えた
まるで洗脳で
その世界に適応すれば
するほどに
埋まらない何かは
先送りされる
嫌いではない
だけど
好きというのとも
違う
たぶん
世界に落とされた
原初の感覚が
そう言わせている

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