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「未来世代」は宇宙に向かうのか?

column vol.524

今年の初夢「仕事」でした…(苦)

初夢の日は諸説ありますが、私は元旦から2日に見る説で育ったので、昨夜の夢を語らせていただきます。

内容は仕事なのですが、変わっている点が2つあって、一つは昔お付き合いのあったクライアントさんや同僚が出ていたこと。

それと、地球かも分からない近未来空間にいたことです。

窓の外は、星が輝く黒い海

私はクライアントと打ち合わせをしながら、自分の頭とスマホを同期させ、イメージ動画を数秒で作成し、アイデアを共有。

商談が上手く進んでいるところに、黒尽くめの悪の組織が現れ、激しい戦闘が繰り広げられる展開を目の前にし、目が覚めました。

近年稀に見るスペクタルな初夢に、ついついnoteのテーマにしたいと考え、パソコンに向かっています(笑)

ZOZO創業者の前澤友作さんがISSに旅立つなど、昨年は「宇宙時代」の到来を印象づけられた一年でしたが、今後の宇宙進出はどのように進行していくのでしょうか?

「メイド・イン・スペース」が続々と

モルガンスタンレーによると、世界の「スペースコマース(宇宙経済)」2018年3,600億ドル(約40兆円)規模でしたが、2040年までに約3倍以上1兆1,000億ドル(約124兆円)になるそうです。

〈AMP / 2021年12月25日〉

さらに2050年には、その倍以上2兆7,000億ドル(約306兆円)に達すると見られています。

スペースコマースというと「宇宙旅行」が頭に思い浮かびますが、昨年、投資家が数多ある航空宇宙関連スタートアップに対して出資した資金の多くは、小型衛星にも使われているそうです。

この小型衛星は、これまでにも天気予報GPS地球観測監視宇宙探索などに使われてきました。

そして、現在では地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの素となるメタンガスの漏れを特定する解像度の高い画像を地球に送信することで注目されています。

最近、ちょくちょく話に出すグリーンエコノミーの一環ですね。

つまりはSDGs成長産業になっているという事例の一つと言えます。

「無重力」「微小重力」が持つ可能性

そして、私が特に注目したいのが「メイド・イン・スペース」のアイテムです。

現在発展途上ではあるのですが、天体にある資源の活用や、豊富な太陽エネルギーの活用無重力で100%無菌状態での製造には無限の可能性があります。

身近な分野の代表格が「医療」でしょう。

人間の臓器の作成に宇宙空間が最適であると言われているのです。

近年の医療現場では、3Dプリンターを活用して血管生体組織バイオインクで作成していますが、地球上でかかる重力によって組織がつぶれる事象や、本体を上手く支えられないといった問題も指摘されています。

しかし、無重力もしくは微小重力下臓器を浮かせた状態で作成できれば、これまでの課題が解決することが期待されています。

もちろん、コストも含め地球に持ち帰るための課題はありますが、医療界の新たな光明となりそうです。

その他にも、半導体タンパク質の結晶化カーボンナノチューブ合金光ファイバー人体組織食料品といった分野での研究が進んでいます。

アメリカに本社を置く広告代理店、ワンダートンプソンの消費者調査では、「スペースコマースは将来実現する」と考える消費者の割合は56%

「地球上には存在しない、長寿や健康生活のためになるメイド・イン・スペース商品があればプレミアム価格を支払ってもよい」との回答の割合は63%に上ることが明らかになっています。

宇宙経済を取り巻く状況は、ますます加熱していきそうです。

人類は宇宙に住む以外道がない?

「宇宙」に関する最近のトピックスと言えば、Amazon創業者、ジェフ・ベゾスさん自身の言葉による初めての本『Invent & Wander』の刊行なのではないでしょうか?

〈DIAMOND online / 2021年12月31日〉

この本の中でベゾスさんは「人類は宇宙に住む以外道がない」と指摘しています。

もちろん、人類はエネルギー効率を上げるための革新的技術をアップデートし続けていますが、それ以上にエネルギー需要への膨張が勝っているのが現状です。

20世紀に後進国と言われてきた国々の経済発展や、今後は爆発的な人口増加も予想されています。

つまり、今は仮にネバダ州全域太陽光パネルで覆えば人類のエネルギーを賄えたとしても、ほんの数百年もすれば地球全体太陽光パネルで覆わなくては追いつかないぐらいのエネルギー需要量になってしまうということです。

だからこそ、人類は宇宙に進出し、地球を守らないといけないというのがベゾスさんの考えです。

地球を制限居住地区とし、例えば軽工業は別の惑星で行うなど、地球一つに負担を負わせないような棲み分けをつくっていくというイメージです。

実際に、先ほどのAMPの記事でも徐々にメイド・イン・スペースの取り組みは拡大していることが分かります。

未来人が住む「宇宙コロニー」とは?

では、別の惑星の住まいとはどんなイメージなのでしょうか?

例えば、火星でも重力は地球の3分の1です。

一つの解として示されているのが、プリンストン大学で物理学を研究していたジェラルド・オニール教授が想い描く巨大コロニーです。

ここでは人工的に重力を生み出されています。

建物は長さ数十マイルにも及び、一基につき数百万人が居住します。

まずは地球と瓜二つ空間を生み出し、快適な居住環境を確保する。

ちなみに気候も自由に調整することができ、例えば、マウイ島で過ごす心地よい空間を創り上げることも視野に入れているそうです。

一方、宇宙ならではの環境も取り込み、遊び専用のコロニーでは重力をゼロにして飛び回れるようにし、地球では味わえないアトラクションを提供。

シミュレーションで描く宇宙生活は、多様性のある空間が広がっているのです。

大事なのは「未来人」のためのインフラづくり

とはいえ、こんな未来は当然近いうちに実現するわけではなく、私たちが生きているうちに実現しない可能性の方が高いでしょう。

だからこそ、ベゾスさんは宇宙を日常とするインフラ今から整えるべきだと主張します。

実際、今、宇宙で面白いことをしようしても、参入コストが高過ぎるので不可能です。

Amazonは輸送インフラや決済システムなど、さまざまな社会インフラ整った上で創業できました。

自分が受けた恩恵未来世代に繋げたいという想いがそこにはあります。

もちろん、宇宙空間への進出によってスペースデブリ(宇宙ゴミ)の問題が深刻になるなど、地球以外の空間への配慮も必要であることは間違いありません。

それを前提にしつつ、今後、サスティナブルな地球を実現していくためにも宇宙へ進出していく。

そのために、まずは現代人が未来世代へのベースづくりに励む責任があるというのがベゾスさんの考えというわけです。

SDGs地球の中で完結していくか、宇宙空間も包括していくかは意見の分かれるところだとは思いますが、「サスティナビリティ」に対するシリアスは状況はヒシヒシと感じます…(汗)

私の初夢で戦っていた黒尽くめの集団が、果たして本当に悪だったのか

実はこっちが悪だったのかもしれないということも想像しつつ、改めて「サスティナビリティ」について見つめ直すきっかけが初夢だったのかもしれません…。

ロマンだけでは語れない宇宙時代がある。そんなことを感じた本日の事例記事でした。

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