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やっぱり「パーパスが大事」という話

column vol.476

3日間、コラム記事をお届けできませんでしたが、本日から通常運転いたします。
改めて記事を読んでくださることありがたく思います。
ぜひぜひ、本日の投稿も何卒よろしくお願いいたします。

副社長として3期目となる今期は、経営者としての真価を問われる毎日を送っております…。

いろいろと力不足を痛感しているのですが…、このコラム記事を休んでいた間、実は徳川家康「重荷が人をつくる」という言葉に救われていました…。

しかし、ただ重荷を背負うだけでは続きません…。

そこで重要になるのはパーパスです。

つまり「社会において、自社が何のために存在し、事業を展開するのか」を明らかにする。

個人レベルでも志が重要で、それがなければ希望を持って前には進めません。

近年は「哲学の時代」とも呼ばれ、パーパスの大切さは世の中に流通してきてはいますが、自分を鼓舞するためにも、改めてこのテーマについて語りたいと思います。

優れた経営者が実践する「SF思考」

最近、『SF思考』という本に注目が集まっています。

〈DIAMOND online / 2021年11月15日〉

つまり、どんな未来が理想なのかを空想する。

日々の現実の延長線上で先々を見つめると、ついつい発想が小さくまとまってしまう。しかし、一旦フィクションの力でさまざまな制約を取り払うというわけです。

このプロセスを行うことで、思い描いた未来の中で自社がどうあるべきか、パーパスが見えてくる。

今の時代、正解が見えない。だからこそ、何をすべきかではなく「何をやりたいか」が明日を切り開いていくというわけです。

確かに、テスライーロン・マスクさんなど、今をときめく経営者の皆さんは意気揚々とワクワクする未来を語っています。

現時点で可能性が低くても「このビジネスが発展すれば何十億人もの人が幸せになれる」

その理想の共有こそが消費においても、投資においても、そしてリクルートにおいても、人々を求心させる大きな磁石となるのでしょう。

小さなことこそ目的と意義を社員に伝える

そして、経営者が思い描くパーパスを懇切丁寧に社員に伝える

「美は細部に宿る」と言いますが、パーパス会社の末梢神経まで届いて大きなダイナイズムを生み出します。

無印良品も美しいパーパスを持った企業の一つですが、良品計画前会長の松井忠三さんの新入社員に対する教えがとても勉強になったので共有させていただきます。

〈PRESIDENT Online / 2021年11月11日〉

それは、「小さな仕事こそ目的を教えるべき」というお考えです。

どんな魅力的な会社でも、当然理想と現実のギャップはあるもので、期待に胸を含まらせて入社した社員も、心が折れて辞めたくなることは多々あるでしょう。

だからこそ、小さな雑用でも、それが何に繋がっているか目的を伝えるというわけです。

昔、尊敬する上司が「石垣を積まず、城を築け」と私に教えてくれたことがあります。

もちろん、城は石垣を積んで築かれていくもので、石垣を積むことも、城を築くことも同じ行為なのですが、どちらの意識で行うかでまるで別物になるのです。

石垣を積む作業はまさに単調な重労働。つまり、重荷です。

しかし、「この石垣を積む作業が、強固の城を築き、自分の家族や友人など、民の豊かな生活を守れるんだ」と思えば、仕事の価値が明確になり、モチベーションも高まります。

パーパスを一つ一つの仕事にちゃんと繋げていく。だからこそ、無印良品が魅力的なブランドとして存在し続けているのでしょう

大物ではなく「本物」を生む

最後は投資視点の話で締め括りたいと思います。

最近は「インクルーシブ・キャピタリズム」という言葉が世の中に広がっていますが、早急なリターンを求めるのではなく、社会をよりよくする活動が実るまで待つという考え方が徐々に浸透してきているのではないでしょうか?

〈Forbes JAPAN / 2021年11月15日〉

世界16カ国で40以上のソーシャルビジネスを展開するボーダレス・ジャパン社長の田口一成さんは、それを“忍耐強いお金”という意味で「ペイシェントマネー」と表現していますが、パーパスを持って社会貢献する企業に対する支援投資がこれからの時代はますます大切であると語っています。

素晴らしい志を持ったスタートアップ企業が倒産していくこと社会的損失と捉える。

「想い」は強いけれど、スキルが不足している起業家には伴走機能を持たせていく。

そうやって社会に必要な会社をじっくり育てていくためのキャピタリズムが肝要ということですね。

田口さんの理想は大物ではなく「本物」を育てること。

「Turtle beats rabbit(カメはウサギに勝つ)」

規模の拡大ではなく、理想の社会の実現に向けて信念をもってやり続けていく

そのような人たちが「本物」であり、5年10年ではなく、自分のやるべきことを30年40年と続けられるカメのような人間が一番強いと語っていらっしゃいます。

冒頭に触れた徳川家康もこんな言葉を残しています。

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。

人生は重荷を背負うことが宿命でありつつも、どこを目指して歩くかで心の持ち様は変わります

SF思考で理想を描き、パーパスを明確化させ、社員に丁寧に伝えていく

理想と現実のギャップに遭遇しても慌てず騒がず、じっくりと一歩一歩、歩んでいく。

noteも久しぶりのコラム記事となりましたが、これからも一日一日、着実に書き綴って参りますので、今後ともぜひぜひ何卒よろしくお願いいたします。

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