多様性広がる!「副業」の耳より話
column vol.726
現在、中途採用のリクルートを行っているのですが、「副業を認めていますか?」と質問されることがあり、時代の変化を感じます。
実際、2018年に政府が副業・兼業に関する方針を「原則容認」へと転換しましたが、「全面容認」する企業の比率が年々高まっています。
パーソル総合研究所の調査では副業を「全面容認」する企業の比率は18年の14.4%から21年には23.7%に増加。
「条件付き容認」も含めると55.0%に達しています。
〈日経 Biz Gate / 2022年7月8日〉
ちなみに、ソフトウエア開発を手がけるサイボウズでは、勤務時間外なら基本的に会社に届ける義務はなく、社員の3割程度が副業の経験があるとのこと。
さらに最近では副業の種類も多様化していると感じます。
「意外な特技」が副業になる時代
mimotで “意外なスキル” 特集を行っていたので、まずはそちらを共有させていただきます。
〈mimot / 2022年7月10日〉
フリーライターの粕谷麻衣さんは、ココナラやストアカでウケている意外なスキルについて5つ紹介されています。
1: 聞き上手
ココナラでは、「悩み相談」「話し相手」「愚痴聞き」などのジャンルで、聞き上手な人たちが利用者の話しに耳を傾けて報酬を得ています。
確かに、同僚、友人、家族には打ち明けにくい相談もあるかと思いますので、ニーズとしてあるのはよく分かりますね。
2: 普段から占いを楽しんでいる
占いは昔からテッパンの人気コンテンツ。好きが乗じてお小遣い稼ぎをする人も多いのです。
どの程度の知識があるかで副業にできるか否かが変わりますが、「好きを仕事にする」ということの代表例とも言えます。
3: ハキハキと話せる
話すことが得意な人、滑舌が良くて聞きやすい声のタイプの人は、YouTube動画のナレーションや、動画広告の声優を副業にしています。
当社にも司会がとても上手いマーケティングプランナーがいて、クライアント企業のインスタライブなどで活躍しているので、とてもイメージが湧きます。
4: 子育て経験がある
5: 本業の知識を生かした副業も
残りの2つは、当たり前ですが「経験」は武器になるということでしょう。
先般、東京では育休という言葉が「育業」に改められましたが、育児は経営、マネジメント、リーダーシップなど、仕事のキャリアにも通ずる部分が多いので、この経験値を宝と見ることは得策かもしれませんね。
ちなみに、私は犬の散歩を副業から「複業」に変えた女性の話が好きで、都度都度ご紹介していますが、久しぶりにこのコラムにもリンクを貼らせていただきますね。
「レンタルスペース投資」の人気が上昇中
続いてですが、「レンタルスペース投資」という副業はご存知でしょうか?
〈東洋経済オンライン / 2022年7月23日〉
これは簡単に言うと、民泊の時間貸し版。
部屋のオーナーが「パーティ、ビジネスユース、撮影などのために」部屋を数時間借りたい方に貸すことで収入を得るビジネスモデルです。
例えば、東京・高田馬場駅でオンラインによる打ち合わせをしたい場合、レンタルスペース専用のプラットフォームで「高田馬場 6月6日15時〜17時 会議・打ち合わせ」と入力し検索をすると、1時間800円くらいが相場とのこと。
初期投資100万~150万円程度で、月々の家賃を上回る収益を上げて月に数万~10万円程度の利益を稼いでいるケースもあるそうです。
スペース(部屋)である物件を所有する必要はないそうで、スペースを賃貸で借りて、きれいにし、お客さまに提供することでも収益を上げられます。
レンタルスペースの集客プラットフォームを運営する株式会社スペースマーケットは2019年12月に東証グロース(旧マザーズ)市場に上場していて、コロナ禍でも流通金額が伸びているため、将来性がある市場と言えるでしょう。
ちなみに、私は戸建てに住んでいて駐車場があるのですが、現在は使っておらず、ここを活用したいと思っています。
そういった場合は、例えば「akippa」などのプラットフォームを使えば、借り手とマッチングができるので、小遣いを稼ぐには本当に便利な世の中になったなと感じますね。
〈akippa / Webサイト〉
スペース活用という視点で副業を考えてみるのも、良いのではないでしょうか?
移住せずに「地方副業」をしたいなら
最後は、地方での仕事に興味はあるけれど、移住はしたくないと思っている方に耳寄りの話です。
全国各地に住む個人と地域中小企業のマッチングを行い、地域を超えた事業参加を後押しするプラットフォーム「ふるさと兼業」に注目が集まっています。
〈CHANTO WEB / 2022年7月20日〉
この仕組みを立ち上げたのは、岐阜県に本拠地を置くNPO法人G-net。
代表理事の南田修司さんによると、ふるさと兼業は他の副業仲介サービスと違い、副業先が抱える課題解決や事業への共感を第一にしているそうです。
参画については、好きな地域や共感する事業にプロジェクト(副業案件)単位で関わる仕組みです。
都会で生活しながら貢献する、会社員などの本業を持ちつつ地方のNPOや中小、ベンチャー企業に関わる働き方の選択肢を増やしています。
ちなみに、完全オンラインのプロジェクトも、現地に赴いて行うプロジェクトもあるので、仕事内容と勤務スタイルの希望に合わせて仕事を選べます。
非常に人気が高く、コロナ禍の2020年度のプロジェクト数は120だったのですが、それに対して1000件近くの応募数があったそうです。
興味が湧いた方は、ぜひこちらのサイトをご参照くださいませ。
〈ふるさと兼業 / Webサイト〉
まだまだ他にも面白い副業の形があるのですが、それはまた別の機会に。
副業はお金だけではなく、勤めている会社では得られない経験値も築くことができますので、副業が今は難しいという方でもプロボノ(スキルを生かすボランティア支援)という形でトライしてみるのも良いかと思います。
副業(プロボノ)は自分の人生をきっと広げてくれるでしょう。
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