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「リスキル」が企業の未来を救う

column vol.344

日本では「スキルギャップ」「人材不足」の問題は前から指摘されていましたが、実は世界各地でも問題になっているようです。

人材サービス企業マンパワーグループが2020年2月に発表したレポートによると、アメリカの労働市場では人材不足がこの10年で最悪の水準に達していることが明らかに。

企業2000社に聞き取りを行ったところ、人材不足が課題と答えた企業の割合は69%と10年前の19%から3倍以上に膨れ上がっていることが分かりました。

〈AMP / 2021年6月27日〉

2014~18年まで40%前後で推移していましたが、2019年69%に跳ね上がったとのことです。

さらに、コロナ感染拡大によるデジタル化の浸透で2021年はさらに深刻化している可能性が考えられます。

2030年には単年で8.5兆ドルの機会損出が予想

同調査によると、確保が難しい人材として挙げられているのは、電気工事士など専門技術者、サイバーセキュリティなどのIT人材営業・マーケティング人材エンジニア会計・ファイナンスなど。

人材不足により、モノやサービスの需要はあるけど供給ができないわけです。

デロイトと米製造業団体the Manufacturing Instituteによる2018年のレポートは、アメリカだけで人材不足による経済損失額2028年単年4540億ドル(約50兆円)に上り、2018〜28年の10年間の累計損失額は2.5兆ドルに達する可能性があると警告しています…(汗)

さらに、米コンサルティング企業コーン・フェリーの推計では、グローバルでの人材不足による経済損失額は、2030年には単年で8.5兆ドル(約930兆円)に上る可能性もあるとのこと…、、、。

とても受け入れ難い数字です。

世界的企業が導入するリスキルプラットフォーム

こういったスキルギャップ問題の救世主となろうとしているのが、社会人向けの学習・リスキルプラットフォーム「Guild Education」です。

リモートで資格学位が取れるいわゆるオンライン学習プラットフォームなのですが、企業との連携やビジネスモデルでの差別化が奏功し、現在ディズニーウォルマートなどの大手顧客を多数抱える注目株となっています。

このサービスは大学などの教育機関と提携し、同プラットフォームで学習コンテンツを販売。一方、企業はGuild Educationと提携、その企業の社員がリスキル・アップスキル学習を行う仕組みです。

ちなみに導入企業のメリットは、社員の定着率と企業への寄与率は高くなること。

米国のレストランチェーンChipotleレイチェル・カールソンCEOによると、Guild Educationで学習する社員の定着率はそうではない社員に比べ3.5倍高く、マネジメント職に昇進する社員の数に至っては7.5倍の差が生まれたそうです。

日本でも法人向けのリスキルサービスが台頭

時代が変われば、企業も変わる。しかし、新しい時代に社員の知識、スキル、ノウハウがついていけなければ、企業は淘汰されてしまいます。

企業が生き残るにも「学習投資」が必要になるのです。

日本で今、徐々にサービスを拡大していっているのが「Udemy」でしょう。

元々は米企業が開発したCtoC向けの学習プラットフォームですが、日本のベネッセコーポレーションが事業パートナーになって国内で展開し、さらに法人サービスを充実させています。

〈Udemy Webサイト〉

VUCA時代の憂い「6%の壁」

今の世の中は予測不能な「VUCA時代」と呼ばれ、不安が漂う社会です。しかし、…とはいえ、2016年の総務省の調査によると、社会人の平均勉強時間はたったの一日6分

より詳細に見ていくと、95%の社会人が0分と回答していました。

実は、Udemyの事業責任者である飯田智紀さんには当社の法人向けセミナー「文化経済研究会」にご登壇していただいたのですが、未だ自立(律)学習の壁は高く、5年経った今でも主体的に勉強している社会人はたったの6%…。

現状は、全ての社員を引き上げていくことは難しく、ハイパフォーマーと呼ばれる生産性の高い社員に対して学習投資を施し、会社全体の利益を高めているというのが導入企業のスタンダードのようです。

つまり、今はチャンスの時代

だからこそ、6%に入れば飛躍できる時代でもあります。

飯田さんはこれからの時代は最終学歴ではなく「最新学習歴」が重要になると仰っていたのですが、まさに「学ぶ者に勝機あり」の社会になると感じています。

本当は、飯田さんの話をもっとしたいのですが、当社のセミナーが有料サービスになっている手前詳しくお話しできず、大変申し訳ございません…。

一年前の記事にはなりますが、AIトレンドに飯田さんのインタビューが載っていますので、自立(律)型学習に興味ある方はぜひコチラをご覧くださいませ。

〈AIトレンド / 2020年7月8日〉

池辰彦、初めて講演をしてみた

ちなみにですが、今回の当社のセミナーで初めて代表の谷口に代わり、私が登壇をいたしました。

〈YouTube / 池辰彦講演〉

ゲストスピーカー2名のあと、私が登壇。ゲストスピーカーのお二人の映像は見せられないのですが、私の映像は一般公開しているので、noteにも載せさせていただきました。

今までもちょいちょい講演はしてきましたが、20年続く当社の「文化経済研究会」で代表の谷口以外の社員が登壇するのは初めてのこと。

なかなかプレッシャーはありましたが、自立(律)型学習について語らせていただきましたので、ぜひご覧いただければ幸いです。

(時間は30分くらいです)

次は9月になりますが、noteを通じて自己研鑽を繰り返し、また一回り大きくなって、登壇したいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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