「人手不足」への一手
column vol.570
未だコロナの猛威はあるものの、東京都は9日連続前週を下回っています。
20日に期限を迎える北海道、大阪など17道府県への「まん延防止等重点措置」の延長が表明されたものの、少しずつまん防後の対策を考えていかないといけません。
特に懸念されるのが人手不足です。
昨年の秋、緊急事態宣言が明けた後は、求人を出しても人が採れず、店の予約を受けられなかったり、営業時間を短縮するなどして機会損失が発生したケースもありましたね…。
そこで、本日は「人手不足解消」に繋がるヒントを探りたいと思います。
変わる従業員の意識
今回、とても参考になった記事がダイヤモンドオンラインの【アフターコロナで深刻化するサービス業の人手不足 今から準備しておく対策とは?】です。
〈DIAMOND online / 2022年2月17日〉
まず、従業員側の意識の変化を感じます。
ツナグ働き方研究所の「2021年アルバイト採用ブランド力調査」で、「アルバイトを選ぶ際、重視すること」を聞いたところ、「安全」、「場所」、「時間」が上位を占めました。
やはり、コロナ禍ということもあって「安全」が上位に選ばれています。
お客様のためにはもちろん、従業員に対しても感染リスクをきちんと行わないと、アルバイト先として選ばれない状況になっています。
また、コロナ禍で多くのアルバイトが雇止めに遭いましたが、シフトを入れてもらえないという“隠れ雇止め”を含めると、相当な数になります。
そういうのを目の当たりすると、1つの職場だけで働くのは大きなリスクと考える従業員は増えており、2つとか3つの仕事を掛け持ちするようになっています。
ある意味、雇い止めのカウンターパンチ。
勤め先へのロイヤリティーは確実に低下しているので、苦しい状況でも助けてくれるアルバイトは少なくなります。
こうしてみると、雇い主側と従業員の間の信頼関係を改めて考えないといけない、そんな気持ちになりますね。
従業員のやる気を高める源泉とは?
ちなみに、人材不足解決については、フォーブスジャパンでも取り上げていました。
〈Forbes JAPAN / 2022年2月26日〉
同記事では、5つの解決策を提示しています。
1. シフトを短縮する
2. ケーキなど労働力が多く必要とされる商品を減らす
3. 労働者のスキルアップ
4. オーバーブッキング、派遣の活用、応援要請
5. 休憩時間を減らす
私が共感したのは、3の「労働者のスキルアップ」です。
ダイヤモンドオンラインの記事でも、「働きがい」を感じる職場として大切なのが、成長実感が得られるかどうかと指摘しています。
自分が成長を実感できれば、この仕事で頑張ろうというモチベーションやお店へのロイヤルティにつながります。
そのためには、正当に評価する仕組みが必要というわけです。
マクドナルドやユニクロで活躍し、株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンを設立した有本均さんは、グローイング・サイクル®が重要だと語っています。
「基準を示す」→「教える」→「要求する」→「評価する」
この4つのステップを絶えず回すことで人を育てる育成法です。
特に忙しい現場では教育はしても、評価することを忘れがちになります。
成長は評価されてこそ実感が湧きますし、何よりその従業員に目を向けているという信頼感を同時に得られるのではないでしょうか?
最後はリーダーの人間力
「信頼感」、私は最後はここに行き着くのではないかと感じています。
『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』の著者、平賀充記さんは、店長の求心力が低く、従業員の勤務先へのエンゲージメントが低いと、忙しい時間帯など、本当にシフトに入ってもらいたいときに人繰りがつかないという問題が出ると語ります。
そして、お金以外のモチベーションがないと、簡単にやめてしまうと指摘されているのです。
極端な話、店長がすべて。
店長が尊敬できると感じると、従業員は「この店長のために頑張ろう」「このお店が好き」と、ロイヤルティーが高まります。
それはどの世界でも同じですね。
確かに、リーダーに人間力があることが大事。
…と、今の自分の立場を考えると、改めて自己を省みないといけないなと思います…。
このコロナ禍で、辛いことも多々ありますが、社員が少しでも前向きに取り組む心をどう育んでいくか。
そんなことを、いろいろと考える日々ではありますが、とはいえ、そんなに大それたことなんてできない…。
でも、社員に期待し、働きかけ、評価する。根底にはいつも感謝がある。
そんな基本的なことを実直に、そして着実に行っていくことが、求心力のある職場づくりに繋がっていくのだろうなと改めて思いました。
この難局を乗り切るためには、社員一人ひとりの力が必要で、一人ひとりの力が一つの大きな力になるように、心を尽くしていかないといけないですね。
今回の記事も、日々を改める良いきっかけをいただきました。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
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