リモートワークとは、実はこれからの市場?
column vol.395
ビジネスパーソンの75.3%もの方が、リモートワークに求めているものがあると記事で見かけ、興味を惹かれました。
〈#SHIFT by ITmediaビジネスオンライン / 2021年8月19日〉
調査はマイナビが運営する法人向け中長期滞在先サービス「マイナビBiz」が、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に在住する21~59歳のビジネスパーソン700人を対象に、アンケートを実施。
75.3%もの方が求めているもの、その答えは…
自宅でもない職場でもない場所への欲求
正解は、職場、自宅以外での働く場所「サードプレイス」を希望するビジネスパーソンの数でした。
しかも、役職が上がるほど利用意向が高くなる傾向があることが分かりました。
ちなみに、「社長・役員・事業本部長クラス」で84.4%、「部長・部長代行クラス」が79.3%、一般社員は71.6%という割合。
責任者として意思決定を求められる職位ほど利用しやすいということもあるでしょう。
サードプレイスを利用する一番の理由は「出社はおっくうだが、自宅では仕事に集中できないため」が31.6%で最多。
確かに、家や職場、それぞれで仕事をする利点がありつつも、ここぞと集中したい時は、サードプレイスを使いたくなります。
一方で、「家の近所にない」(28.2%)、「費用が自己負担」(25.8%)、「勤怠に関するルールが整備されていない」(21.8%)など、多くの方々がサードプレイスを利用できていない側面もあります。
逆に言えば、まだまだサードプレイス需要は掘り起こせるということです。
マイナビは
「今後、企業が健全に生産性をあげていくためにも、働き方の見直しと、職場、自宅、サードプレイスを活用した『ハイブリット型』な働き方を推進できるよう、ルール整備や文化の醸成が課題」
と指摘。
さらに、近い将来、サードプレイスも利用者の好みに合わせて多様化するはずなので、この市場の次なる展開に注目したいと思います。
「育児や介護と両立可能」トヨタの新制度
続いては、リモートワークを通じて、多様な人材の採用に繋げる新しい制度についての話題です。
トヨタ自動車は、職場から遠く離れた地域に住みながらでも仕事と育児や介護の両立が可能になる、リモートワークを原則とした新たな制度を来月から設けることになりました。
〈NHK / 2021年7月30日〉
制度が適用されれば、例えば現在単身赴任している社員が自宅に戻って育児や介護にあたることが可能になり、住む地域も全国から自由に選ぶことができます。
また、これまでは通勤手当の支給は職場から自宅までの距離に上限がありましたが、この制度のもとでは上限を撤廃し、どうしても出社が必要な場合も通勤の費用は全額支給するということです。
先程のマイナビの記事でもありましたが、リモートワーク(テレワーク)は、インフラを整える段階からルール整備に移っています。
トヨタの事例は、ルール整備どころか社員のメリットにまで昇華させているので、社員は嬉しいでしょうね。
昨年はリモート「導入」格差が話題になりましたが、今後 リモート「内容」格差に注目が集まりそうです。
「川柳」から読み解く生活者マインド
リモートワークは働く人たちの中でエポックメイキングな出来事であるということは、川柳からも感じられます。
キャリアや就転職に特化した匿名相談サービス「JobQ(ジョブキュー)」を運営するライボが実施した「第1回Job川柳コンテスト」でも、リモートワークによる悲哀がトレンドとなっていました。
〈ITmediaビジネスオンライン / 2021年8月19日〉
7月30日~8月9日にかけて、現在の社会情勢を背景とする社会派川柳を「働き方川柳」と「転職川柳」の2部門で募集。
最優秀大賞を受賞したのは
「テレワーク 増えた時間と 腹の肉」
働き方川柳部門の金賞は「顔まじめ 上着もまじめ 下パジャマ」、銀賞は「みなマスク 新卒の顔 まだ知らず」、銅賞は「テレワーク 仕事と我が子を 背負うパパ」。
転職川柳の金賞は「無職期間 貯金がアラート 発令中」、銀賞は「新天地 いきなりリモート ぼっち飯」、銅賞は「五輪中 俺の心は ご臨終」となりました。
やはり、リモートネタが多いですね。
サラリーマン川柳もそうですが、悲哀ネタに多くの支持が集まります。
裏を返せば、それだけリモートワークは課題(悩み)が多いと言うことができます。
課題(悩み)こそ、ビジネスのタネ。
リモートワークはもはや普通の出来事と思っていましたが、まだまだこれからが大切なのかもしれませんね。
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