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見習いたい「タモリ学」

column vol.297

タモリという男は不思議だ。日本全国のほとんどが彼の存在を知っている。しかし「タモリがどんな人か」をつかめている人は少ないだろう。

東洋経済オンラインのこの言葉に一気に興味が惹かれます。

〈東洋経済オンライン / 2021年5月9日〉

例えば、彼は小学3年生のころに、けがをして右目を失明している。この重大な事実はあまり知られていない。

…実は私も知りませんでした…。

そう考えると、確かにタモさんは博学で聞き上手だということは分かっていながらも、本当のところはよく知らない。一体、どんな方なのでしょうか?

決して「怒らない」

いつでも自然体で飄々としている。その背景には、彼の”禅的”な生き方があると東洋経済オンラインの記事では指摘しています。

その生き方を象徴しているのが、タモさんの「私を消してすべてを許すこと」「今を楽しむこと」「“普通”を愛すること」という考え方とのこと。

まずは「怒らない」

知らなかったのですが、タモさんが早稲田大学を1年で除籍になった理由は仲間内のトラブルにあったそうです。

友人との旅行をタモさんが立て替えたそうなのですが、貸したお金が予定通り返ってこなかったため、学費が払えず除籍になったとのこと。

しかし、そんなことがあった後もその友人たちとの関係は続けたそうです…(驚)。

仏教の言葉に「一切皆苦(いっさいかいく)」「諸法無我(しょほうむが)」があります。

前者は「そもそも人生って思い通りにいかないもんだ」という考えで、後者は「世の中、自分の所有物なんてなく、全ては繋がりの中で生まれ、変化していく」という意味。

“私”を消してすべてを受け入れる。それによって人との距離も縮まる。

素晴らしい考えですが、なかなか自分にはできないことです。タモさんの偉大さを強烈に感じます。

「今」を楽しむ

「反省するな」「目標なんていらない」

タモリさんの有名な名言です。

これは、曹洞宗の開祖・道元の言葉「而今(じこん)」 に通じます。

私たちは常に「今」の連続にいる。未来がくるかどうかなんて分からない。過去を悔んだり、未来に不安を感じるのは、ある意味で時間の無駄。それより、今と向き合うことが大事だと説くわけです。

「反省しない」ということは、明石家さんまさんもおっしゃっています。今の自分を過信しているから反省に繋がる。

だから、今の自分を受け入れて反省しない。「生きているだけで丸儲け」というわけです。

ビートたけしさんも「人生に期待するな」とおっしゃっていますが、やはりビッグ3。通じるところがあるのでしょうか。

記事にあるように、今と向き合うことを長く続ける秘訣は「決して張り切らずに楽しむこと」なのだと思います。

「普通」を愛する

「やる気のある者は去れ」

こちらもタモリさんの有名な名言です。

私も知らなかったのですが、「諦」という言葉は仏教用語とのことで、元々は「明らめる」。つまり、集中をやめることで、周りがよく見えてくるわけです。

つまり諦めることで、より大局的に物事を見ることができるというわけです。

そう考えると諦めないということは、ある側面で見ると、それは自分のプライドに固執してしまっている姿なのかもしれません。

『笑っていいとも!』「普通」であり続けたことで、視聴者も安心して観られたというわけで、それが長寿番組になった秘訣『水戸黄門』の最後は印籠を出して無事解決というフォーマットと通じるところがありますね。

正直言うと、私の生き方はタモさんの生き方の対局にあるように思えます。

それでも、とても参考になりますし、取り入れたい知恵が詰まっています。そして、何よりも対局いながら憧れる。そんな不思議な存在であるタモさんをこれからも見つめていきたいと思います。

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