お金儲けが「社会貢献」になる??
column vol.423
今朝、いつものように情報収集をしていると思わず目を引くニュースに出会いました。
プレジデントオンラインの【「利益率29%の会社」が新入社員に必ず伝える"お金の深い話"】という記事です。
〈PRESIDENT Online / 2021年9月16日〉
従業員一人あたり利益が2,332万円にのぼる北の達人コーポレーション、木下勝寿社長のお話。その骨子は「会社の利益そのものが“社会貢献”である」ということ。
その理由を拝読し、なるほど納得させられました。
金儲け、その先にあるもの
世の中の認識として「仕事=生活していくため」、「ボランティア=社会貢献」というイメージがあるかと思います。
ボランティアは素晴らしいことであるということを前提にしつつも、木下社長は「無償」であることの落とし穴があると指摘します。
つまり、提供するものがタダであるなら要るけれど、有料ならば要らないということもあり、提供するものの必要性やクオリティに慎重になることが大切とのこと。
逆に有料ならば、生活者にとって必要ではないものは当然売れませんし、淘汰されます。そして、必要なものであっても、即座に他社が真似し、すぐにコモディティ化。価格競争を強いられることになります。
つまりは、高い利益を得るものは、それだけの付加価値や固有性、クオリティなど、「他にはない」ということが担保されているという側面があるということです。
「高い利益」の追求が「三方良し」をつくる
近江商人の言葉に「三方良し」という言葉があります。「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」。
この三方について、高い利益の追求をかけてみたいと思います。
高い利益を生み出す魅力的な商品をつくれば、当然、生活者(消費者)は嬉しいわけですし、利益が高いことで従業員の給料に反映できます。
さらに、付加価値の高い商品なら価格競争にはまらず協力会社に無理強いしなくても済みます。
そして、稼いだ分だけ納税すれば、それが最適解で社会に分配されます。
…一応、最適解としたのは、個人的にまだまだ行政システムやサービスは理想に向かって高められると思うからです…(生意気言ってすみません!100点はないということです)。
そして高い利益を生み出すためには、生活者の声に真摯に向き合い、脳みそがパンクするぐらい試行し、誕生させてからも常にコモディティ化にはまらないよう謙虚に革新していかなければなりません。
つまり、「金儲けできる人=誠実で謙虚で努力家」と言うこともできます。
だからこそ、金儲け精神とは、このような側面で捉えれば一つの究極のプロフェッショナルマインドなのです。
…なるほど、自分はプロとして、そういった視点で取り組めていただろうか?と自問自答しちゃいます。
やはり、「本当に役に立つ」商品とサービスの追求は必要ですね。
「時短ネットスーパー」が持つ付加価値
そんな中、私の主戦場である小売業では、話題のスーパーが誕生しました。
注文して10分以内に商品が届く。夢のようなスーパー「OniGO(オニゴー)」です。
〈AERA.dot / 2021年9月16日〉
店名には「鬼ごっこ」のように楽しく、また「鬼速」で届けるという意味が込められているそうで、8月25日に東京・目黒に誕生しました。
OniGOのビジネスモデルは「ダークストア」と言い、お客さまを店に入れないことから「表に見えない店」という意味があり、コロナ禍の欧米や中国で急速に広まりつつある新業態。
同社の最高経営責任者(CEO)を務める梅下直也さんは
「コロナ禍以降、フードデリバリーが一般化し、ネットスーパーの市場が拡大している今は食品通販の潮目と考えています」
と語ります。
シンクタンク「矢野経済研究所」の調べでは、2020年度の食品通販の市場規模は4兆円超の見通し。OniGOは、とりわけ即配ビジネスが急速に伸びると見ており、25年には2兆円規模に膨らむと予測しています。
現状も仕事や家事、介護など多忙な生活を送る人や、スーパーから重い荷物を持って帰るのを負担に感じる高齢者たちにとって、宅配のニーズは高い。
一方で、配達時間が2~3時間の幅で設定されていることが多く、不便を感じる人もいます。
欲しい時にすぐに手に入る。その利便性だけではなく、すぐに手に入るから買いだめする必要もなく、それが食品ロスの軽減に繋がるというわけです。
利便性+地球に優しいという付加価値も併せ持つ。まさに、良い意味での「お金儲けスーパー」と言えるでしょう。
「出張シェフ」が示す付加価値
フードデリバリー配達員を筆頭にしたギグワーク(単発の仕事)のほか、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサイトの普及により、副業の選択肢が増えています。
そんな中、出張シェフサービスの「シェアダイン」を使って、良い意味の「金儲け」をしているフレンチシェフがいらっしゃいます。
シェフの名は、福士将太さん。ここまでの最高月収は60万円とのことです。
〈SPA! / 2021年9月16日〉
普通シェフの世界では、オーナーシェフとして独立することが一般的な目標になりますが、福士さんは料理長にはなりたくないそうです。
でも、それだと収入面がアップしていかない。そこで、始めたのが「出張シェフ」だったそうです。
そんな福士さんは「お客様のライフスタイルに合わせた料理を作ること」を大事にしているとのこと。
「お客様と対話できること」をやりがいに感じ、シーンやニーズに合わせて料理をつくることを楽しんでいる。
そういった姿勢が功を奏して、単価も6,480円から6,980円、そして10,000円と上げてきたものの、予約数は変わらず維持し続けているそうです。
つまり、お客さまに真摯に向き合うことで「本当に必要とされる」「高い利益を生み出す」出張シェフとして活躍できているということですね。
非常に刺激を受けました。
私も仕事はもちろんのこと、noteについても考えさせられました。
おかげさまで多くの方々に読んでいただいていますが、仮に有料にしたら誰も読んでくださらないかもしれません…(汗)
無料配信をしつつも、心のどこかで「これが有料だったら読んでくださるだろうか」という問いかけは必要ですね。
自分に厳しく。そんな風に思えた本日の事例でした。
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