「お仕事マッチング」は “自動化” がカギ
column vol.1150
今月、メルカリがスキマ時間で仕事ができるスポットワーク業界に進出することが話題になりましたね。
〈FASHIONSNAP.COM / 2023年11月13日〉
求人プラットフォーム「メルカリ ハロ」を来年の春にローンチする。
メルカリはこれまでもメルペイ決済や与信など事業を広げてきましたが、今回スポットワーク事業に参入することで、多角化が一層進みました。
すでにこの分野はタイミーなどさまざまなサービスがありますが、メルカリは月間利用者・約2260万人というユーザー数とネームバリューがあるので、非常に面白い存在になるでしょう。
メルカリを利用する「ついで」に軽い気持ちで仕事を探すことができる。
スポットワークの敷居を下げ、よりお仕事マッチングが活性化することが予想されます。
この「マッチングの活性化」ということでいえば、最近なかなか興味深い事例があります。
サービス利用者を自動にセレクト
…とはいっても、日本ではなく…、インドの話となります…
ですが、日本のサービスのヒントにもなると思い、ご紹介させていただきます。
注目しているのは便利屋さん派遣アプリ「Urban Company」です。
〈Yahoo!JAPANニュース / 2023年11月13日〉
こちらは、インドのグルガオンに本社を置くユニコーン企業「UrbanClap Technologies India Private Limited」のサービス。
さまざまな分野の技術者をアプリなどを通じて簡単に自宅に呼ぶことができるコンシューマー向けプラットフォームです。
お願いできる仕事は
などなど。
「Urban Company」の面白いところは、派遣される技術者は自動で選ばれるということ。
(一度来ていただいた技術者の方をリピートすることはできるみたいです)
普通は「評価の高い人を自分で探して選びたい」と思う方が多いかもしれませんが、実は私…、この選ぶというのが億劫なタイプ…
特にこうしたプラットフォームは技術者の登録が多いほど、どなたが良いか悩んでしまうわけです…
結果、また今度でいいやと見送ってしまうパターンが多くなります…😅
一方で同サービスは
という方向性のもと、プラットフォーム自体がある程度の品質を保証するという考えをもっています。
「選ぶ手間のない」気楽さを提供
「指名なし」というルールは日本のヘアカットサービス「QBハウス」などでも見られるカタチですね。
通常、美容室は指名することが一般的ですが、指名することはできない。
でも、これが良いと思う人も多いのです。
ケンブリッジ大学の研究によると、人は1日に最大3万5,000回の決断をしているそうです。
そしてさらに、脳は全重量のたかだか2%を占めるに過ぎないにもかかわらず、全エネルギーの18%を消費。
つまり、エネルギー消費量が非常に多いのです。
ですから、私たちは無意識に余計な選択肢を削ろうとします。
お願いする内容に特にこだわりがないのであれば、お任せしたいと思う人の気持ちがここにあるのです。
そして、指名がないからこそ、技術者も一定の収益を毎月得ることができ、安心感とともにモチベーションも上がる。
他にも、技術者の品質向上への意識が高まるような仕掛けづくりをしています。
例えば、このプラットフォームに登録した技術者は同プラットフォームを通じてローンが組めるそうです。
実は、インドではこうしたプラットフォームで働く方の多くはローンが組みたくても組めない状況にあります…
そこで、「Urban Company」は技術者の方々が働く中で蓄積されたデータを活用して金利や貸出上限額を算出し、融資サービスを提供。
つまり
を判断できるデータが信用スコアとして貯まるので、頑張った分だけローンが組めるというわけです。
ユーザーにとっても、働く人にもメリットがある「指名なし制度」を成立させる仕組みづくりさえできれば、「自動化」は大きな強みになる。
お仕事マッチングのみならず、さまざまな業界のさまざまな商品・サービスを分析すると
という視点は、よく見られることでしょう。
AIによるマッチング力の向上
この「自動でマッチングする」という話でいえば、もう1つ共有したいと思ったのがAIネタです。
〈Forbes JAPAN / 2023年11月3日〉
ビジネス特化型SNSサービスの「LinkedIn」が、一部のプレミアムプラン会員向けに、仕事探しのプロセスをスピードアップするための新たな人工知能機能を提供する予定だというのです。
この機能は、ユーザーのフィードを分析し、プロフィールの内容に沿った職種を提案するものとなります。
LinkedInといえば、今月1日に会員数が10億人を突破したと発表がありましたが、巨大プラットフォームです。
そんな中、AIが最適なマッチングをサポートしてくれるというのは非常にありがたいことでしょう。
さらに採用担当者のプロフィールや職務の内容、関心のある企業を考慮し、ユーザーが採用担当者にどのようなメッセージを送るべきかを提案する機能も盛り込まれるとのこと。
今後の展開が非常に楽しみですね。
noteでも、お仕事マッチングを求める方に関しては、こうしたAIによるお仕事マッチング機能があっても面白いかと思います。
求人の内容のマッチングもさることながら、求人を出す側と受け手側の記事の内容AIが分析し、お互いの性格の相性も込みでつないでいく。
そうすれば、企業側も、仕事を求める側も、もっとさまざまな出会いが広がっていくことでしょう。
〜ということで、本日は「お仕事マッチングは自動化がカギを握る」ということについてお話しさせていただきました。
メルカリの話に戻ると、同社のスポットワーク参入で副業のハードルがさらに下がっていくでしょう。
そんな未来への大きな一歩になっていくのかもしれませんね😊
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?