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「次世代型店舗」の出店戦略

column vol.1122

プロ棋士の藤井聡太さんが、前人未到の8冠を達成…(驚)

歴史的瞬間を目にすることができました。

〈毎日新聞 / 2023年10月12日〉

藤井さんといえば、将棋の世界にAIを取り入れ「次世代」棋士として名を馳せてきましたが、今回の偉業で、もはや「次世代」という言葉が完全に過去のものとなったことでしょう。

まさに「王座」の冠位にふさわしく、将棋界の王子様から「王様」になった一日でした。

私の専門とする小売業でも、「次世代」と言われていたものが「王道」に変わってきていると感じる出店形態があります。

ということで、本日は【次世代型店舗の出店戦略】と題して、標準化する新しいカタチの “小売” を特集したいと思います。

ぜひ、最後までお付き合いくださいませ😊


新しい「専門店」が続々登場

まずは、さまざまな「専門店」が誕生しています。

高級食パン、タピオカ、唐揚げなどに続き、お米の産地や具材にこだわった「おにぎり専門店」が相次いで出店。

日本全国に100店舗以上出店している「磯丸水産」などを運営する飲食大手の「クリエイト・レストランツ」も7月よりおにぎり専門店を出店しています。

〈週刊女性PRIME / 2023年8月26日〉

また、大人気スニーカーショップ「アトモス」創業者である本明秀文さんも昨年、東京・大塚にある行列のできる老舗おにぎり店「おにぎりぼんご」と協業する形でおにぎり専門店事業をスタートさせています。

専門店のおにぎりは、一般的なコンビニのおにぎりと比較すると、食材へのこだわりはもちろん、ひと回りほど大きいサイズ感、具材の量の多さが特徴です。

コンビニもおにぎり専門店に対抗して300円近い “高級おにぎり” を販売していますが、専門店は「専門店=こだわり」という付加価値を武器に顧客を取り込んでいます。

これまでは「何でも揃う」ということが武器になる傾向がありました。

もちろん、それは変わらない部分でもあるのですが、一方で「何でも」を売りにするとコモディティ化(同質化)してしまう部分もあります。

そこで、「これ1本で勝負します!」専門化することで、強みをはっきりさせるというわけです。

当社のようなマーケター、クリエイターが揃う会社もそうで、星の数ほどいる同業者の中で、いかに「ここだけは負けない」というポイントをつくれるかが肝要になります。

全ての業界にとって、この傾向は1つのヒントを得られるのではないでしょうか?

「小型店」が増えているワケ

専門店が増えている理由は他にもあります。

コロナの影響によるテイクアウト需要の高まり、そして「省力化(おにぎりに特化することでオーペレーションがシンプル)」「省スペース化」です。

「省力化」人手不足が深刻化する小売業にとって、非常に重要なテーマになります。

こうした観点は外食企業も重要視しています。

マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、タリーズコーヒーなどでも「小型店舗」「テイクアウト専門店」の出店が加速しています。

〈東洋経済オンライン / 2023年10月1日〉

マクドナルドの「早稲田駅前ANNEX店」テイクアウト・デリバリー専門店

この形態を採用することで、124.5平方メートルの店舗であってもメニューは通常店舗と同じフルラインナップできます。

そして、店内で飲食したい人は、200m先には通常店舗の「早稲田駅前店」に行けば良いのです。

チェーン店の1つの顧客の取り込み戦略として、ドミナント戦略(特定地域への集中的出店)がありますが、一方で「都心は地価が高い…」「人員の確保が難しい…」という悩みもあります。

小型店通常店を組み合わせることで、マイナス部分をカバーできるというわけです。

しかも、それぞれの店舗の目的が違うので(店内飲食 or テイクアウト・デリバリー)、カニバリゼーション(共食い)も起きにくい

小型店には「一石多鳥」のメリットがあるのです。

ケンタッキーフライドチキンでも、2019年にテイクアウトに特化した専門店を開業し、今年8月末には20店舗に増加しました。

他の外食企業も含めて、今後こうした店舗は増えていくでしょう。

「仮想現実」での百 “貨” 繚乱

「次世代」×「出店」ということでいえば、やはり「メタバース」は引き続き意識しておきたいところです。

昨年のキーワードになりつつも、…少し停滞気味のところはありますが…、仮想現実空間はきっと今よりもずっと身近なものになっていくと思うからです。

小売各社も未来への投資という観点で、積極的に取り組む企業も増えてきています。

その1社が大丸松坂屋でしょう。

中期経営戦略において「リアル×デジタル戦略」を重点戦略の1つに掲げ、メタバースに関しても2020年に開催された世界最大規模のVRイベント「バーチャルマーケット」に仮想店舗「バーチャル大丸・松坂屋」を出店したことで初参入。

これまでに計5回にわたり出展してきました。

〈FASHIONSNAP.COM / 2023年10月6日〉

成果としては、来場者同士による食品の3Dモデルを使った「V呑み」が活発に実施されるなど手応えがあったとのこと。

そうしたことを受けて、メタバース市場は今後ますます国内外で大きく成長すると予想する同社は、百貨店業界初となるオリジナル3Dアバターの販売を開始することを発表しました。

VTuber3Dモデラーもちひよこさんを始めとする14人のクリエイターを起用し、VRChat対応のオリジナルアバター5体を制作。

10月17日18時からピクシブが運営するクリエイターズマーケット「BOOTH」で販売するとのことです。

〈BOOTH / Webサイト〉

今後の展開が非常に楽しみです😊

〜ということで、本日は小売業の新たな出店計画についてお話しさせていただきました。

時流に合わせてどのように変革をしていくのか?

私もアンテナを一層高めて、小売業の一助になりたいと考えております🫡

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

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