アメリカ経済の最新Topics
column vol.354
横浜は久しぶりに快晴。とても気持ちの良い朝を迎えています。
こうなると出かけたい気持ちが高まるもので、特に当社では夏休み期間なので、旅に出かけたくなります。
最近では「妄想トリップ」という言葉がトレンドになっていますが、視点を海外に向けると、ワクチン先進国の欧米の楽観ムードが頭に浮かびます。
しかし、アメリカでは「貧困意識」が高まっているようです。
年収10万ドルで「ギリギリの生活」
金融情報サイトPYMNTSと融資会社のレンディング・クラブは、2万8000人以上のアメリカ人を対象とした調査と経済データを分析したレポートを発表。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2021年6月26日〉
驚いたのが、ミレニアル世代では60%の人たちが年収10万ドル(約1100万円)以上稼いでいるのに、「ぎりぎりの生活をしている」と回答。
さらに、調査対象者全体では54%で、年収10万ドル以上全体では40%弱が同様の回答をしたそうです。
この状況に鑑みて、ミレニアル世代の多くは「HENRYs」(High Earner, Not Rich yetの頭文字で「高収入だがまだ裕福ではない」という意味)と呼ばれています。
理由は収入に併せて生活水準を上げてしまうということもありますが、多額の支出に苦しめられていることが大きいでしょう。
住宅ローンや学生ローン、子どもの教育費を抱え、大きな買い物や予期せぬ緊急事態のための貯蓄がほとんどできないのです。
特に、同国では学生ローンの返済でその後の人生が苦しめられていることが深刻な社会問題になっています。
とはいえ、10万ドルの年収と言えばアメリカでは高収入に分類されるので、ミレニアル世代全体で考えるとゾッとします。
テレビで目にするアメリカの明るい様相の裏側に、根深い問題が存在していることが分かりますね…。
アメリカで高まる「リベンジ旅行」
土曜の朝から、すみません…、ちょっと重かったですね…。
ここからは、明るいニュースをお届けいたします。
アメリカの国内の観光産業は、今までのうっぷんを晴らすように旅行予算や滞在日数は増加傾向にあります。いわゆる「リベンジ旅行」ですね。
〈AMP / 2021年6月26日〉
2021年第1四半期エクスペディアのホテル予約数は、前年同月比マイナス14%と2020年第4四半期のマイナス66%から回復しつつある状況。
カーンCEOによると、旅行者の滞在日数と旅行予算は、普段よりも多くなっているそうです。
投資家の観光産業の見通しも強気で、2016〜19年頃まで110〜130ドル台で推移していたエクスペディアの株価は、2020年3月に48ドルまで下落しましたが、その後は順調に回復。
2021年5月末時点では170ドル以上と、パンデミック前の水準を超え推移しています。
ワクチン接種により、77%の人が「旅の安全性に対する懸念度合いは下がった」と回答。マイアミやハワイのホテルは満室状態のようです。
日本では2回目のワクチンを接種した人の割合が17.2%(7月9日現在)。
まだまだ先にはなるとは思いますが、まずは国内旅行を気兼ねなく楽しめる日が来ることを願いたいですね。
アメリカでも「Nolo」が人気急上昇
日本ではこのコロナ禍でノンアルコール、低アルコールの需要が高まってきていますが、アメリカも同じようです。
「Non-alcoholic」と「Low-alcoholic」、頭の2文字をとって「Nolo」と呼ばれています。
〈Forbes JAPAN / 2021年6月27日〉
調査会社ニールセンが先ごろ実施したアルコール飲料関連のウェビナー「Beverage Alcohol Webinar」によると、ノンアルコールのビール、ワイン、スピリッツの売上は、2020年に前年比で37%増加。
また、アルコール飲料のトレンド分析会社IWSRは新たに公表した調査結果で、Noloカテゴリーの消費量は2024年までに31%増加することが見込まれていると発表しています。
パンデミックというより、近年のヘルシー志向が大きい要因ですが、日本ではさらに夜の時間に自己投資に当てる人も増えています。
アルコール市場はまさに過渡期。
そんな中、西村大臣のお酒に関する発言が物議を醸し出しています…。飲んでも、飲まなくても、お酒のトラブルには気をつけたいところですね…(汗)
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