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DXよりも必要なこと

column vol.103

本日は、小売業協会生活者委員会の定例ミーティングがありました。

小売業協会は同業界の発展を目指し、商工会議所を中心として1978年に設立。業種・業態や規模の大小を超えた流通小売業共通の課題解決に取り組むとともに、世界各国の小売業協会との交流、海外展開支援や、小売業の効率化と流通の近代化のためのDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進啓発、国内外の流通に関する情報提供などの活動を展開しています。

〈小売業協会Webサイト〉

そして、生活者委員会とはその分科会に当たる組織なのですが、生活者研究を目的とした勉強会。三越伊勢丹、高島屋、東急グループ、松屋、丸井グループ、資生堂ジャパン、セブンイレブンホールディングス、蔦屋書店など、さまざまな小売企業からメンバーが集結し、学びを深めています。

この生活者委員会のコーディネーターを務めているのが当社社長の谷口で、私は事務局の企画・運営をサポートしています。

今回は、コロナ禍で急進するDXについて、この分野について先進的に取り組んでいる三越伊勢丹の事例をもとに、メンバー同士で意見交換を重ねました。

各企業の皆さんの一番のお目当だったのが、「バーチャル伊勢丹」の事例です。こちらは、以前noteの記事でもご紹介させていただきましたが、新たな可能性に期待で胸が膨らみます。

〈WWD JAPAN / 2020年8月5日〉

他にも、ライブコマースなども含め、OMO(Online Merges with Offline / オンラインとオフラインの融合)にまつわるさまざまなトライアルを共有させていただきましたが、いかにリアルとデジタルの良いとこ取りをするかがポイントになります。

しかし、議論を進めていくうちに「DXよりも大切なのがCXだね」という結論になりました。これには2つの意味があります。

1つは言葉通り「コーポレート・トランスフォーメーション」です。つまり、企業自体が変化しなければなりません。いかに旧来の概念を打ち破る発想新しい小売を築き上げるかです。

まず、「多くの人に売る」というマス発想の呪縛から解放されなければなりません。それよりもたった一人に向けて発信する。1つの明確な共感をつくり、そこから伝播していくイメージです。

つまり、小売業は「個」売業にならなければなりません。

それにはもう1つのCXが必要になります。それは、「カスタマー・トランスフォーメーション」を読み解くことです。

コロナによって変わった生活者の暮らしや意識を丹念に掘り起こし、読み解いていくこと。改めて生活者委員会が担う「生活者研究」の意義が明らかになりました。

確かな答え(成功法)がない時代だからこそ、答えを我慢強く見出していく。その大切さを改めて参加メンバーで認識することができました。

つまりは、ライフスタイルシフトなのです。

例えば百貨店も物百貨を揃える業態から、生活者の暮らしを豊かにするサポートをいかにしていけるか。例えば、高齢者を狙った詐欺が横行しているなら、防犯といった安心を売ったって良い

今までのカテゴリーを打ち壊した新しい「生活」揃えができるかどうかが求められています。

我々、小売業を支える企業こそ、第三者として客観的に、そして柔軟な視点新しいアイデアを考えていかないといけないなと思う一日でした。

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