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何のために学ぶのか?

column vol.59

9月に入って、ずっと心に引っかかっていたニュースがあります。

日本の子ども、健康なのに「精神的な幸福度」はワースト2位。世界の子どもの幸福度を調査したユニセフの最新結果です。

〈HUFFPOST / 2020年9月3日〉

細かい原因は記事からは分かりませんが、自分も子どもの頃、とても息苦しく生きていたので、ずっと気になっていました。

自分に当てはめてみると、子どもの頃、何がイヤだったかというと「ねばならない」教育にずっと反発していました。勉強には確かな正解があり、それを疑わず記憶する。校則も、人間関係も「ねばならない」ことが多くストレスを感じていました。

勉強も「すること」が目的成績を上げることが幸福というプレッシャーに気乗りがせず、小学生の頃は成績が良かったのですが、反抗期真っ盛りの中学校の時は全く勉強せず、その後、暗黒の10代を過ごすことになりました。

ということで、教育は専門ではありませんが、個人的にこんな風な教育を子どもの頃に学べたら良かったなぁということをテーマに本日は語りたいと思います。

学歴についての気になるニュース

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現役東大生の【「課金ゲーム化」する東大受験。学歴は結局、資金力でほぼ決まる】という記事が興味深かったので、ご紹介します。

〈週刊SPA! / 2020年9月13日〉

高額な塾の月謝に加えて、補修用の家庭教師。小学校の基本費用250万円。中学校で基本費用300万円+70万~120万円。そして、高校で基本費用300万円+60万~250万円。

ということで基本費用だけでも約1000万円。多いと1250万円程度まで膨れ上がるとのこと。世の親御さんの心境は分かりませんが、子どものいない私からすると、なかなかシビれる額です。

ちなみに、カリフォルニア大学でも同じような切り口の記事がありました。

〈Forbes JAPAN / 2020年9月15日〉

資金力がある家庭の方が有利になる。

とはいえ、資金力がものを言うのは入学(教育)だけではなく、スポーツや音楽など他の分野にも及ぶことなので、それはそれで仕方ないことなのかもしれません。が、これだけお金をかけて幸せになれなかったら辛いものがありますね。

自分が感じる「学歴」とは?

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東大やカリフォルニア大学だけではなく、教育にお金がかかることは仕方ないこととして、同じお金をかけるなら、どんな学校に行きたいかと考えてみました。

私が魅力的だと思ったのはドイツで生まれ、オランダで普及している「イエナプラン」です。自分で考え共感力をもち社会にはたらきかけ協働できる市民を育てる教育という考え方にとても共感しました。

イエナプランは「幸せな大人を育てる教育」を目指しているとのことで、このキャッチフレーズだけでもワクワクします。

子どもの頃の一番の苦しさは、大人になった時の幸せの形が見えないことでした。当時、社会人はお金を稼ぐために我慢して働くものと捉えていたので、何で一生懸命勉強して、苦しい大人にならなきゃいけないんだと意味が分かりませんでした。

ただ、暗黒の10代、能動的な20代、試行錯誤の30代を経て、40代になったぐらいからようやく自分にとっての生きる意味幸福論が確立してきたと思います(遅すぎ、、、汗?)

100年人生時代なので、これからの人生は楽しんでいきたいですが、今の感覚を多感な幼少期からもっていたら、もっと人生違っていただろうなとは思います。

ちなみに、イエナプランを採用している日本の学校もあります。長野の大日向小学校は有名ですよね。

あとは、イエナプランは置いておいて、湘南インタースクールにも注目しています。中2で起業し、高1で母校を買収した若き経営者、仁禮彩香さんの学校です。

〈東洋経済オンライン/2020年8月11日〉

「自らの人生を切り拓く力」を育むための教育プログラムを提供。とてもワクワクします。ちなみに、仁禮さんは当社の法人向けセミナー「文化経済研究会」12月10日の回にご登壇いただく予定で、今からとても楽しみです。

子どもが「自己肯定」できる教育を

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いずれにせよ、多様な価値を認め合い自分らしい生き方を模索できる幼少期、10代を過ごせる世の中になると良いですね。もちろん、たくさんの厳しい現実はありますが。

少なくても学生が社会に出て初めて感じるギャップの1つは「正解」がないことなのではないでしょうか?「正解がないことを、正解として教える」。禅問答のような言葉ですが、このことこそが人生を豊かにする本質なのではと感じています。

ちなみに、vol.11のコラムでご紹介したユーグレナの18歳CFO(最高未来責任者)、小澤杏子さんは今月末で任期が終了。1年間の総括が記事になっていたので、ご紹介します。

〈東洋経済オンライン / 2020年9月15日〉

小澤さんのような方の活躍を見ると、教育の現場だけではなく、家庭や地域など、多角的なステージで環境を整えることが重要だと気付かされます。子どもたちが自己肯定できる世の中をつくるためにはどうすれば良いのか。ユネスコの結果報告は、それを今後学び、考えを深める動機をつくる良いきっかけとなりました。

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