「生涯活躍」人材になるために
column vol.736
昨日、アートジョブフェアについて触れさせていただき、新たな職の可能性をお話しいたしました。
そもそも転職ニーズは、現在どうなっているのでしょうか?
今までも定期的にチェックし、共有させていただいておりますが、久しぶりに最新の就労者マインドを確認してみたいと思います。
キャリアや就職・転職の研究調査を行う『Job総研』を運営するライボが、7月に実施した「2022年 キャリアに関する意識調査(20~50代の社会人男女635人を対象)」によると、「現職の仕事が充実していると感じる人」は73.8%。
一方で「今後転職したいと考える人」の割合は全体の74.8%にも及んでいます。
〈AllAbout NEWS / 2022年7月25日〉
今の職場が悪いわけではない。
しかし、先行きの不安は募るばかり…。
「これ以上給料が上がらない…」「出世できない…」「そもそも会社が存続するかどうか…」などなど、現状に希望が持てず、転職にユートピアを求めてしまう…
そんなマインドの現れなのではないでしょうか…
先進性・革新性のある事業に携わりたい中高年
ちなみに、エン・ジャパンの調査によると35歳以上のミドル世代では、スタートアップ企業への転職を希望する人が76%もいるそうです。
〈TECH+ / 2022年7月23日〉
年代別に見ると、「積極的に転職したい」「条件次第では転職したい」を選択した割合は50代が最多。
ちなみに、「スタートアップ企業へ積極的に転職したい」「条件次第では転職したい」と回答した人(全世代対象)に理由を聞いたところ、「先進性・革新性のある事業に携わることができると思うから」(46%)が最も多い答えに。
年代別では、30代は「今後のキャリアのために経験を積みたいから」、50代は「責任あるポジションに就きたいから」という回答が目立っています。
この結果から、現在いる会社は旧態依然としていて期待が持てず…、新しいビジネスモデルを携えて、これから発展していきそうな会社に移りたいという願望が透けて見えてきますね。
また、50代は現状の職場での頭打ち感を感じている方が多いのでしょう。
とはいえ…、転職エージェントマニア.comの記事によると、「転職に失敗した」と感じている人の割合が50代の男性が最多。
男性が36.4%、女性22.9%となっております。
〈転職エージェントマニア.com / 2022年8月1日〉
一方で30代でも男性35.6%、女性25.3%。
男性は50代と差がなく、女性はむしろ30代よりも多くなっております。
やはり、どの世代も現実的に考えると、新しい職場もそんなに甘くないことが分かります…。
経営陣はミドル世代への正しい認識が必要
ミドル世代というと、コロナ禍で「働かないおじさん」という言葉がよくメディアで使われるようになりましたが、実は世間のイメージに反してモチベーションの高い人は多くいる。
ただ、「現場の仕事は若手に任せなさい」「あなたは次の役割を担いなさい」と言われて、素直に従っているものの、新たな役割が無かったり、つくろうと動いてみたもののなかなか実現できない環境にあるなど、八方塞がりで、がんばりたくてもがんばれない人が多いのです。
そんな中、社員約6000人のうち、50代以上の社員が3分の1にあたる約2000人を占めている会社があります。
大手通信会社のNTTコミュニケーションズです。
〈NHK / 2022年7月15日〉
この割合の中で50代以上には是が非でも活躍してもらいたいということで、2014年に「キャリアデザイン室」がチャレンジプロジェクトを開始。
各社員と面談して、50代以上の社員と対話を重ね、活躍の方向性を見定めていったそうです。
やはり、多くの人が「がんばれない理由」があることが判明。
企業と個人が努力をし、各社員の社内での活かし方を発見していったそうです。
これにより、資格取得にトライしたり、社内勉強会する人も生まれたようです。
もちろん、なかなか変わられない人もいますが、まずは積極的に挨拶するようにしたりするなど、小さな変化も肯定的に評価して、76%の人がポジティブに行動できるようになったそうです。
法政大学大学院の石山教授は中高年世代の心得として、このように指摘されています。
「与えられた仕事をこなすだけでなく、できること、できないことを整理して、戦略的に自分にあった仕事の形を作っていくことが大切だ。例えば、地域のボランティアなどの社外の活動に参加して、普段とは違った人と交流することで、視野や視点を広げるきっかけになる。50歳になっても、何がやりたいかを考えていくことが欠かせない」
そして、エン・ジャパンの井用崇之マネージャーは自分のキャリアを棚卸しする上でのポイントに「希少性」を挙げていらっしゃいます。
自分は他にはないどんな知見や経験、スキルを持っているのか?
確かにここは非常に大事ですね。
「希少性」を活かして「生涯活躍人材」へ
そのことを裏付けるもう1つの記事がありますので、そちらも共有させていただきます。
定年後、再雇用で活躍し続けるには社内でのキャリアチェンジがカギになるということなのです。
〈AERA.dot / 2022年8月2日〉
再雇用後は、当然管理職ではありません。
プレイヤーとしてどのように役に立つかを考えなければなりません。
特定社会保険労務士でグロースサポート社労士事務所所長の田邊雅子さんは、社内に埋もれている“ニッチな仕事”を探し出して、その仕事をするためにスキルを身につける方法があると考えていらっしゃいます。
例えば、あるメーカーで70歳になっても働いているAさんは、元々法務部門にいた経験を活かし、省庁に提出する書類のチェックを一手に引き受けているそうです。
省庁に提出する書類は、句読点の打ち方を間違えるだけでも書類が通らないという独特なルールがあり、作成するためにはスキルが必要とのこと。
社内で正確にチェックできる方がおらず、重宝されているというのです。
企業によっては、「クリフトンストレングステスト」など、社員の強み・才能を見える化する試みもありますが、経営者も各社員の「希少性」を発見するサポートは必要だと思います。
企業も個人も、社員一人一人が活躍できる努力を行う。
転職への「願望」は、現職での「絶望」からきている場合が少なからずあるかと思いますので、まずは双方で「希望」を抱ける協力関係をつくれると良いですね。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
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