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著名人が語る「出世」の要点

column vol.374

「出世」という言葉が良いかどうかは微妙ですが、「リーダーに向いている人」「評価されやすい人」という観点で、非常に勉強になる事例がいくつかあったので、ご紹介させていただきます。

反対意見を重要視する(客観的)

まずは、元大阪府知事で弁護士の橋下徹さんから。一目置く部下の共通点「手続的正義」を大切にすることを挙げています。

〈Voice / 2021年7月23日〉

つまり、決断に向けて、きちんと組織(チーム)の公正的な判断を仰ぎ、結論に至るまでのプロセスの正当性を重視する人です。

よく、自分の考えや意見を通そうと、都合の良い裏付けだけを集める人がいますが、「ただただこの意見を通したいんだな」と非常にセルフィッシュな印象を与えてしまいます。

なぜなら、世の中に100%良いことなんてなく、必ず良い点、悪い点が存在しています。ですから正しい正解というのは存在しなく、他のアイデアや考え方を含めて、状況状況に応じて的確に選択することになります。

昨日の常識が今日の非常識、その逆も然り。そのことは歴史が証明しています。

それに、例えば売り込みを受けていて、メリットだけで固められた提案には何かきな臭いものを感じませんか?

誰でも分かることですが、ついつい自分の利害関係が絡むと盲目的に走ってしまう傾向が人間にはあり、それをどれだけ冷静に、客観的に自分を見つめ、実行できるかが肝要になります。

仮に、自分の意見をゴリ押しして通ったとしても、周りからの冷ややかな視線が避けられないですし、何より俯瞰して物事を見られない人にリーダーとしての人望は残念ながら生まれないでしょう。

人望の厚いリーダーはえてして公平な人であることが多いですが、そういうリーダーほど、反対意見を無視しないニュートラルな判断ができる人を好みます。

橋下さんも仰る通り、反対意見も内包して提示してくれると迅速に判断でき、助かるというわけです。

もちろん、これはリーダーの器にもよりますが、良い組織をつくる上で重要な考え方だと感じます。

「要するに」が口グセ

会議をしていてイニシアチブを握る人は、もちろん声の大きな人ではあるのですが、力技ではなく、自然と中心になる人というのは「端的に話す人」だと感じます。

2ちゃんねんの創始者のひろゆきさんも出世する人の特徴に「要するに」が口グセな人であると挙げています。

〈Diamond Online / 2021年7月26日〉

この「要するに」という言葉をひろゆきさんは

相手の話を聞きながら、ちゃんと確認していることを全体に知らせながら自分がポジションを取れる魔法の言葉ですね。

と評しています。

よく長々と抽象的に話す人も注目されやすい傾向にありますが、そういう人がイニシアチブを握ると会議が長くなる上に、結局、チーム全体としての結論が何だったかよく分からなくなることはありませんか…?

結局、みんなバラバラに結論を解釈している。

逆に端的な言葉でまとめると、次のアクションが明確になるのでプロジェクトにスピード感が出ます。

推進力のあるリーダーという評価を集めるのは、要するに端的に話せる人なのですね。

自己評価が控えめ(謙虚)

最後は、全米第1位の最高峰ビジネススクール、スタンフォード大学経営大学院で何年にもわたって大きな人気を博している「権力のレッスン」から。

このレッスンについて、デボラ・グルーンフェルド教授が『スタンフォードの権力のレッスン』として本にまとめました。

〈Diamond Online / 2021年7月27日〉

ナイキ社長兼CEOジョン・ドナホーさんや、フェイスブックCOOシェリル・サンドバーグさんなど、世界中のリーダーに大きな影響を与えているのですが、出世する人に大切な要素は「他者に対する敬意」だと語られています。

その上で、自己評価が高くなり過ぎず控えめであることが望ましいとされています。

それを裏付ける話として、社会階層について研究している心理学者のキャメロン・アンダーソンさんがステータスにおける実験について行ったところ、まさにその通りの結果となりました。

自分の社会的ランクを他者による評価より高く自己評価した者は、チームメンバーから嫌われただけではなく、チームに対する貢献度も低く評価され、手堅い自己評価をしたメンバーのほうが好待遇にふさわしいと見なされた。つまり過大評価のほうが損害が大きかったということだ。

ここで面白いと思ったのが自己評価の高い人は、周りの人を見下している(しまう)傾向にあり、態度や雰囲気でその想いが伝わり、相手への圧力になっていまうとのことです…。

「他者に対する敬意」があれば、自分を謙虚に見ることもできますし、そういった想いが立ち居振る舞いに表れ、人の心を掴むというわけですね。

こういった事例を一つひとつ理解すると、リーダーとしての器人望の厚い人の特徴が見えてきますね。

とても勉強になります。

私も人望のあるリーダーになれるよう日々精進です!

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