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40代はリセット世代?

column vol.264

これは個人的な見解なのですが、約45年生きてきて、40代になってから大きな変化を感じるようになりました。

もちろん、肉体的な変化もあるのですが…(汗)、精神的な変化も大きいと思います。

若い頃に思い描いていた40代のイメージと、実際に40代になった時の自分の間に大きなギャップがあったからかもしれません。自分で言うのもなんですが、とにかく昔に比べて、とても謙虚になりました。

そんな中、映画監督・荒木伸二さんの記事に出会い、非常に共感しました。

〈OCEAN / 2021年4月4日〉

「40男は一度全部捨てろ!」

荒木伸二さんは中村倫也さん主演の『人形の町』を手がけた監督さんですが、50歳で処女作をリリース。監督としては新人さんです。

長年の夢を捨てられず、40代でシナリオスクールに通い始めたそうなのですが、ただの新人さんではありません。

松本人志さんが出演する「バイトするならタウンワーク」のCMを手がけるなどCMプランナーとして大成していました。

ところが勝手違う映画制作の現場。普通なら同じムービーだからと過去の実績に囚われてしまいがちですが、荒木監督は「広告業界での経験を活かそうとすればするほど失敗してしまう」と謙虚にその違いを感じたそうです。

そして、荒木さんのこの言葉にシビれました。

「本当に毎日よく転ぶというか、思い通りにいかないんです。でも、この年になるとそんな経験をする機会もなかなかない。だから僕、失敗するたびに自分に『ざまあみろ』って心の中で言ってました。ほらまたダメだったろ、ざまあみろって。まだまだ転べてよかったなって」

40代で気づいた「大したことない自分」

若い頃、私の中で40歳というのは、1つの完成形をイメージしていました。

30代の前半までとても自信家で、40歳になった頃には自分が大成していると思っていました。しかし、35歳過ぎたぐらいから、「あれれれ…?」とごくごく普通の男として終わりそうな自分に気づきます。

そして、40歳になって、いよいよ誤魔化せなくて、落ち込んでいたら、自分にはないカルチャーやスキルをもった20代が次々と入ってきて、「あれ、いつの間にか古い世代の人間になっている?」という戸惑いも感じるようになりました。

それで、良い意味で一旦それまでの理想の自分をリセットして、普通の自分を受け入れたり20代を尊敬するようになりました。

そんな中、荒木監督の次の言葉が胸に響きます。

「よくわからなくてもいいから20代の子が聴いているものや観ているものに触れたほうがいい。たとえばヒップホップを聞くとか、ティーンムービーを観るとか」

若い人から尊敬されたいなんて一切の気持ちを捨てたら、とても楽しくなった。

そんな自分を肯定するようなお言葉だったので、非常に嬉しくなりました。

社長が20代から学ぶ時代

ちょっと自己開示要素が多くなってきたので、事例紹介型noterである自分に立ち返り、1つの記事をお届けしたいと思います。

資生堂では後輩が先輩を教えるメンター制度があるそうです。

〈AERA.dot / 2021年4月9日〉

その名は「リバース・メンタリング」

「若手から学ぶものなんてない!」と鼻息の荒かったベテラン社員も、実際、若手と組んでみると、TikTokの使い方だったり、デジタル分野では大きく遅れをとっていることに気づきます。

資生堂は、社長も含めた課長級以上の幹部社員が若手とペアを組む。ペアの交代は1年ほどで、昨年は200人近くが参加しているそうです。

これには明確な意図があって、ITが生活に溶け込んでいる若手と組むことで、ちょっぴり疎いベテランのDXを促す狙いもあります。

ただ、上司と部下との関係だと互いに気をつかってしまうので、そうならないよう、ペアは他部門の人同士が基本。 

私もデジタル分野はめちゃめちゃ若手社員に教えてもらっています。

年齢やキャリアでのヒエラルキーを捨てると人生楽しくなりますし、40代になっても伸びている自分に気づきます。

全ての人に感謝するようになった40代

普通の自分を受け入れたら、社員一人ひとりの尊敬すべき部分が自然と浮き出てきました。

今の私にとって同僚はとてもありがたい存在です。

それまでは「アイツはこういうところがダメだ」と思っていた相手に対しても、「この人がいるから、こういうところが助かっているんだよな」に変わりました。

もちろん人間だから、衝突することもありますし、相手に対してムッとすることもあります。ただ、「そもそも自分だって大したことないじゃん」と心の中で唱えると、自然と冷静になり、相手の良い部分に再び目を向けることができます。

「全ての人に感謝する」

このことを大切にしてから、人生が好転している気がします。ですから、私がちょくちょく感謝記事をアップしているのですが、ウソではなないのです。

本当にさまざまなnoterさんとの出会いが自分を豊かにしてくれていると実感しています。

その上、自分の記事を読んでくださったり、スキを押していただいたり、フォローしていただいたり。

私の記事に反応していただいているわけですから、本当にありがたいのです。

別に今日が何か特別な日だったわけではないのですが、荒木さんの記事を読んでいたら、いろいろなことが頭によぎってしまった、そんな一日でした。

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