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Z世代が重視する「消費」の着眼点

column vol.701

音声SNSアプリ「Wacha(ワチャ)」を運営するCoeto株式会社Z世代の「金銭事情」についての調査を行なっているので共有させていただきます。

〈JIJI.COM / 2022年6月28日〉

「1ヵ月で、家賃以外にお金をかけるものは何ですか?」という質問では、1位「食費」2位「推し活」3位「飲み会・外食」という結果に。

また、「お出かけの日の1回のランチにいくらまで払えますか?」という質問には53%以上「1000円以上」と回答。

1000円〜1500円の間が31%で最多でした。

また、オンライン課金についての質問について、5000円以上課金している人が24.2%もいるそうです。

中でも、ライブ配信中に行われる「投げ銭・ギフト購入・スーパーチャット」YouTubeなどでの「ファンクラブ・メンバーシップ登録」「LINEスタンプ購入」など、「推し活」にお金を使う若者の姿が見受けられます。

自分にとって価値があるものにはお金を出す。

では、どんなものに価値を感じるのか見ていきましょう。

“映え”に留まらない“自己表現”がカギに

原宿で、2021年12月にオープンしたフルーツオレ専門店「The Label Fruit(ラベルフルーツ)」をご存知でしょうか?

1本918円〜ながら、休日は1日600人以上が訪れ、予約枠が埋まる日もあるそうです。

〈日経クロストレンド / 2022年6月15日〉

人気の秘訣は「カスタマイズ性」にあります。

ミルクの種類や甘み、トッピングなど細かく味わいが選べるのに加え、何と言っても魅力的なのがラベルの文字やデザインも自由にカスタマイズできるのです。

先ほどの「推し活」に繋がるのですが、好きなアイドルの名前を入れ、フレーバーだけでなくラベルも推しメンのテーマカラーに合わせることが可能になっています。

そしてカスタマイズラベルを写真に撮り、SNSに投稿することで推し活に繋げるというZ世代ならではの楽しみ方が広がっているのです。

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今までは「Z世代」「SNS(インスタグラム)」と言えば、“映える”がポイントでしたが、今はもう一歩踏み込んで「自分(の好き)を表現できること」が肝になっています。

TikTokでも、みんなと同じ音楽とダンスで流行りとシンクロさせながらも、そこに自分らしさを盛り込んでいる

「カスタマイズ」「ちょっとしたアレンジ」個性を盛り込む余白をつくることが、どうやらZ世代を取り込むには要になりそうです。

“SDGs”視点でのブランドづくりが肝

続いては、Z世代の社会意識の高さについてです。

美容業界のグローバル企業において、SDGsはますます無視できない存在になりつつあります。

中でも環境に考慮した「サステナビリティ」に関する取り組みは、ブランド成功の鍵となってきているのです。

〈Forbes JAPAN / 2022年6月17日〉

クリーンビューティブランド「Cocokind」は、「self-acceptance(自身を受け入れること)」を世界観としているブランド。

公式サイトでは

「美容業界の現状を変え、『凝り固まった美しさへの憧れ』に囚われるサイクルを断ち切るために『Cocokind』を立ち上げた」

と語られています。

さらに、サスティナビリティを掲げるウェルネス業界の女性起業家に向けて助成金の提供を積極的に行い、「女性のエンパワーメント」「雇用」などもサポート。

こうしたブランドの姿勢に共感するファンが増え、インスタグラムは30万人以上ものフォロワーを誇り、今では大手スーパーマーケットのターゲットホールフーズに商品が並ぶほどまでに成長しているのです。

ちなみに、おうち時間が増えたパンデミック以降、内面からの多様な美しさを重視するスロービューティを謳ってきたアジア系美容ブランドに追い風が吹いているらしいのです。

近年は、スキンケアを通してアジアの美容文化を伝え、メンタルヘルスなどにアプローチするコミュニケーションに支持が集まっているとのこと。

中でも注目は、日本へのリスペクトから生まれたブランド「Tatcha」

サンフランシスコ発のスキンケアブランドだが、日本の「和の心」をコンセプトにしていて、肌と心の繋がりを大切にするウェルビーイングやスキンケアリチュアル(儀式)を提案しており、多くの若者の心を捉えています。

日本においてもZ世代を中心に、自分と同じ価値観のブランドを応援し商品を購入する動きがあり、「ブランドの社会的なスタンスが購買に影響を与える」というデータも出ていますので、今後はますます「SDGs」視点でのブランドづくり、商品づくりが必要となっていくでしょう。

Z世代専門の部署がある時代

今後の日本の消費活動に大きな影響を与えるZ世代に対して、専門部署をつくって対応している企業もあります。

例えば、Z世代事業創造部を昨年4月に設立した「味の素」です。

〈AdverTimes / 2022年6月29日〉

そして同部署が満を持して誕生させたのがカップ粥「粥粥好日(カユカユコウジツ)」です。

ECサイト(9月23日)および渋谷スクランブルスクエア(7月3日まで)にて期間限定で発売しています。

どんなニーズで開発されたかというと

「普段の食事に時間をかけたくない」
「時間に関係なく食べたいときに食事をしたい」

という想いがありつつも

「手軽に食べられて満腹になりやすい高カロリーな食事を摂ることが多く、それに対する罪悪感を覚えている」

という悩みも抱えていました。

そこで手軽に罪悪感なく食べられる食事として、東洋古来のお粥文化に着想を得て、近隣アジア圏の伝統的な料理をベースにした商品を開発。

Z世代事業創造部は20〜30代を中心にしたチームですから、Z世代の特性を実感を持って把握することができます。

マーケティングの基本は、「当事者」をいかに巻き込めるかが肝要になるので、今後Z世代に限らず、さまざまな年代、ライフステージに合わせた部署が誕生するかもしれませんね。

ぜひ参考までに、本日の情報をご活用くださいませ。



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