40代は「無個性貧乏クジ世代」??
column vol.348
40代である私たちの世代は「ロスジェネ世代」と呼ばれています。
ロストジェネレーション。超就職氷河期に直面した「失われた世代」です。ネガティブな言葉であるものの、「失われた世代」という言葉の響きに若干格好良さを感じていたので許容しておりました……が…。
…しかし、マーケッターの牛窪恵さんとファイナンシャル・プランナーの藤川太さんによる世代分析の中で、我々40代が「無個性貧乏クジ世代」と表現されていたので、悲しみを通り越して、ちょっと笑ってしまいました。
〈サンキュ! / 2021年7月1日〉
ちなみに、50代は「バブル恩恵イケイケ世代」、30代は「コスパ世代」、20代は「サブスク世代」と定義されておりました。
無個性貧乏クジ世代の特徴とは
このサンキュ!の記事は、若い頃の消費習慣がその後の消費パターンを形成するという内容なのですが、40代はどんな特徴があるのでしょうか?
【過去】
バブル崩壊の余波を受け、共働きの家庭が急増!バブル崩壊で就職氷河期に突入し、給料は頭打ち……。共働き家庭が7割近くに増加し、賢い節約が家計管理のテーマに。一方、バブル世代の先輩たちの消費行動が残像となり、イベント費などにドーンとお金を使ってしまう「隠れバブラー」も存在します。今後、教育費に加えて、人口が多い団塊世代の親の介護問題ものしかかる可能性があり、まさに「貧乏クジ」を引いた世代と言えます。
就職氷河期で、派遣などの非正規雇用社員になった人も多数。生活費をセーブする習慣が定着しました。
また若い頃、無印良品、ユニクロなどのシンプルで質の良いファッションが一気に広がったのもの特徴的です。
【今】
夫婦別財布家庭のはしり。お互いの収支を共有していない。不況だったこともあり、50代に比べて共働き率がアップ。夫婦別財布で管理する家庭が多く、各自どれだけ使っているか共有できていないため、住宅購入など大きな支出が必要になったときに、「貯蓄がない!」と揉めるケースも。また、ふだんはお買い得品をちょこちょこ買っているのに、週末は家族で出かけて外食などで財布の紐が緩んでしまい、結局貯蓄できていない人も多いです。
なるほど、確かにピンと来ます。
ウチは夫婦の財布は一緒で妻が管理していますが、40代前半の人たちは一気に別財布になっている世帯が増えていると感じます。
ちなみに、お金づかいのクセは以下の通りです。
●お得、割引に釣られやすい
●高価に見える安い物を探す
●ちょこちょこ節約して、ガツンと使う
40代のファッショニスタの同僚は、「いかにファストファッションを、ファストファッションに見せないかが私のテーマ」と言ってました。
私はどれも当てはまりますが、特に「ちょこちょこ節約して、ガツンと使う」にとても共感しています。
「思い出消費」の多い40代
私たちの世代は住宅ローンの残高がズッシリ!とのしかかり、お子さんがいらっしゃる家庭は育児の真っ只中なので、生活費に余裕がない方が多い傾向にあります。
老後への不安もあるので、基本は節約。しかし、男性中心に昔のアニメやゲームなど、幼少期の頃に熱くなったものに対してはついつい財布の紐が緩んでしまうもの。
各企業もそこを突こうとジャンプやファミコンコンテンツを我々世代にぶつけてきます。
最近、凄いなと思った事例が黄金の「キン肉マン ファミコンカセット」です。まさにジャンプとファミコンの掛け算商品です。
〈よろず〜 / 2021年7月1日〉
1985年にバンダイから発売されたファミコンソフト「キン肉マン マッスルタッグマッチ」の日本に8本しかない非売品のゴールドカートリッジ版が5月、突如フリマアプリに出品。
95万円で落札され、レトロゲーム愛好家の間で騒然となりました。
マッスルタッグマッチは私も小学生の頃に買い、兄や友人たちとそれこそ熾烈なバトルを繰り返してきた思い出のカセット。毒ガス発射で遠隔で戦えるブロッケンJr.を間違って選んでしまった時の何とも言えない空気感を昨日のように鮮明に覚えています。
こういった思い出に紐づく消費に我々は弱い。とはいえ、さすがにゴールドカートリッジと言えど、私は100万もの大金は払えませんが…(汗)
ただ、「思い出消費」は40代を攻略する重要なキーワードであることは間違いないでしょう。
50代、30代、20代の特徴とは
ちなみに、その他世代の特徴も最後に要約させていただきます。
50代「バブル恩恵イケイケ世代」
高級品至上主義で、自分磨きにもお金をかける。青春時代はバブル好景気。高級グルメやブランド品に消費しまくったときの記憶が頭に残り、今でも買い物をすることが大好き。美容や健康などへの投資も惜しみません。まさに現代の消費マーケットの中心。
【お金づかいのクセ】
●高級志向 ●健康オタク
●百貨店好き ●限定品に弱い
●自分磨きにお金をかける
30代「コスパ世代」
物心ついたころからずっと不況なので、自然と節約志向。インターネットが普及し、手軽に検索ができるようになったこともあり、比較検討するのが得意。50代、40代は、「無駄だとわかっていても手放せない物(=聖域)」が多いけれど、30代は元々無駄な聖域がない人が多くなります。まさに超合理的な世代です。
【お金づかいのクセ】
●価格よりもコスパ重視
●口コミ情報をチェックして買う
●ポイ活好き(ポイントを貯める活動)
20代「サブスク世代」
30代の「コスパ」から、「タムパ(タイムパフォーマンス)」を重視したお金づかいに進化。ネット検索に時間をかけるよりも、SNSで手っ取り早く情報を収集。「フリマアプリで売る」ことを考えて買ったり、サブスクで必要な物だけ使うなど、ムダが一切ありません。
【お金づかいのクセ】
●贅沢品には興味なし
●自己投資欲が強い
●「売る」ことを考えて買う
30代までは「ググって」検索しているのに対し、20代(特にZ世代)は「タグって」検索している、その辺の違いも見受けられますね。
40代も含めて、あくまでもその世代の最大公約数的に出した傾向なので、もちろん「私は違う!」という方もいらっしゃるでしょう。
ただ、個人的には何となく大まか納得です。ただし、「ロスジェネ」や「無個性貧乏クジ世代」のまま終わるのは悲しいので、何とか避けたいですね(笑)
いつしか、我々世代がポジティブに表現されることを願って。これからの時代を楽しんでいきたいと思います。
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