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世界で進む「グリーンエコノミー」

column vol.506

世界の自動車メーカーがEVへの転換を相次いで打ち出す中、トヨタ自動車2030年にEVの販売台数を350万台にするという新たな計画を打ち出しました。

〈NHK / 2021年12月14日〉

従来の計画から目標を大幅に引き上げ、ハイブリッド車を得意としてきたトヨタが急拡大するEVの分野でさらなる戦略強化に乗り出します。

トヨタといえば、EVに前向きではないという評価が根強くあります。

それに対して豊田章男社長は

「350万台を目指すとか30車種を投入するなどの目標を立てても前向きではない会社と言われるのなら、どうすればご評価頂けるのか。どの選択肢に対しても本当に一生懸命やらせていただいている

と述べ、EVもハイブリッド車や燃料電池車など他の電動車と同じように本格的に進める考えを強調しました。

世界的には今、車を取り巻く環境は想像以上にシビアになってきています。

そんな中、スペインのバルセロナかなり大胆な一手を打ちました。

車を廃棄すると3年間公共交通機関が無料…(驚)

それは「T-verda」と呼ばれる新種の交通カードです。

これは「半年以内に車を放棄した住民は、3年間公共交通機関が無償化される」というもの。

〈TABI LABO / 2021年11月24日〉

もちろん車といっても、古いガソリン車や軽油車などの環境対応車の基準を満たさない自動車が対象です。

もちろんセキュリティは厳重で、転売や貸し借りなどは一切不可。本人確認が取れる場合のみ使用できるとのこと。

「バルセロナ大都市圏(AMB)」と呼ばれる36の市町村からなる都市圏に住んでいる人が対象で、同時にこのエリアでは先述した古い車の乗り入れが日中全面禁止に。

平日の7時から20時まで、同エリアに入るだけで毎度100〜500ユーロもの罰金が課されるという徹底ぶりで、なかなか緊張感が伝わるルールです…(汗)

これほど、振り切った施策に転じたには訳があり、バルセロナマドリードは、EUが定めている大気汚染基準の違反が継続しており、欧州委員会よりルクセンブルグの司法裁判所に提訴する決定を受けている都市。

これを受けて同市は、3年以内に市内の自動車数を12万5,000台減らし、4年以内に大気汚染を20%削減する目標を掲げています。

さらに、それが達成できなければ混雑課金の導入も検討しているそうですよ…(汗)いや〜なかなかです…。

「環境に優しいデリバリー」で差別力を図る

モビリティということで言えば、デリバリーについての新たな取り組みも見られます。

サステナビリティを重視したオランダ発の食料雑貨のデリバリー企業「Pieter Pot」が、ヨーロッパでの事業拡大のために900万ユーロ(約11.5億円)を調達。

同社は、フードデリバリーで発生するプラスチック廃棄物の削減を目指しており、2022年英国フランスドイツスカンジナビア諸国への進出を計画中とのこと。

〈Forbes JAPAN / 2021年12月11日〉

今回の資金調達は、ETF Partnersが主導し、SHIFT InvestThe Future Food FundIQ Capitalなどが参加。

Pieter Potは、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)包装ごみの削減に注力することで、競争が激しいフードデリバリー市場で差別化を図ろうとしています。

他にも、食料品や日用品を15分で配達する設立間もないデリバリーサービスの「JOKR」が、新たに2億6,000万ドルを調達。

評価額を12億ドル(約1,360億円)に引き上げましたが、これは、この分野に対する投資家の期待の大きさを示しています。

ロッテルダムを拠点とする同社によると、プラスチックの使用量は急増し続けている一方で、リサイクル率は低く大量のプラスチックが埋立地に埋められているそうです。

さらに、プラスチックの生産は大量の二酸化炭素を排出

この現状にスタートアップ企業が果敢に挑もうとしています。

選別優位性を図るためとはいえ、なかなか大変な挑戦です。

今後どのような展開になるのか?注目したいとことですね。

「環境意識が高まる」アプリが誕生

とはいえ、やはり市民一人ひとりの環境意識が高まること根本解決になることは言うまでもありません。

そんな声に応えてか、イギリスの社会的企業である「Furthr」が、寄付を習慣にできるサブスクリプションモデルのアプリを提供。

ユーザーは、毎月4ポンド(約600円)から24ポンド(約3,600円)の間で寄付プランを選択できるそうです。

〈IDEAS FOR GOOD / 2021年12月7日〉

このアプリは、発展途上国における植林活動および再生可能エネルギープロジェクトへの「寄付」に特化しているのが特徴です。

ユーザーは自分の寄付がどれぐらい効果的かを知ることができます。

Furthrは毎月、寄付者がどれだけ環境にポジティブな影響をもたらしたかを知らせるメールを送り、自分の貢献度はアプリでも随時チェック可能

寄付の効果は「車で16,000キロメートル走る分のCO2を削減」「飛行機の旅15回分のCO2を削減」など、分かりやすいたとえに置き換えて示してくれるのです。

さらに、楽しみを付加するために毎月抽選を実施。抽選に当たると、追加で木を植えたりエコグッズをゲットしたりすることができます。

平均すると、毎月10人に1人が抽選に当たるとのことなので、ユーザーへのインセンティブとして効果を発揮していることでしょう。

環境問題は考えれば考えるほど、とてもシリアスな問題だと思います。それをなるべく明るく楽しく取り組めるような方策は非常に大事ですね。

環境問題だけではなく、マジメさは時に息苦しさも生んでしまいます。自分はマジメな性格だからこそ、こういった着眼はとても勉強になります。

ということで、本日も最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

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