次の10代「α世代」とは?
column vol.528
今朝ふと気づいたのですが、今の家に住んでいつの間にか丸10年が経っていました…。
住み始めた頃が昨日のように感じますが、当時の私は35歳。
その頃、小学校低学年、幼稚園生だった姪や甥たちも今やZ世代と注目され、10代を楽しんでいます。
それを考えると10年後なんて明日のようにすぐに来てしまうんでしょうね…(汗)
そこで、これからの10年を10代として歩んでいくα世代の特徴について今日は語りたいと思います。
もちろん、α世代と言ってもさまざまだとは思いますが、あくまでも傾向としてご覧いただければ幸いです。
「デジタルを支配する」世代
α世代は定義としてさまざまありますが、概ね2010年以降に生まれた子どもたちと言われています。
一番年上で今年12歳になります。
この世代の大きな特徴としては、プログラミングを勉強しており、コンテンツをつくる力を持っているということ。
Z世代までは既存のプラットフォームやコンテンツに乗っかって自分発信をする「表現者」でした。
一方、これからの10代は「創造者」として活躍する人が増えると予想できます。
〈日刊ゲンダイ / 2021年12月29日〉
α世代はクリエイティブでモノづくりの意欲が強いと言われ、ある調査では過半数がクリエイティブな動画づくりを好み(55%)、2/3がゲームなどでデジタル世界を作成しているという結果に。
さらに、43%がロボティクスを楽しみ、36%がコーディングのスキルを持っている。
そして過半数が、そうした自分の好きなことからキャリアを構築していけると考えていており、起業意欲も強いとのことです。
こういった傾向は当然、上の世代に影響を与えていくと思われます。
今、社会人もデジタル人材へシフトしていますし、今後はプログラミング言語を必要としない「ノーコード」も一般化されていくでしょう。
この10年は極端に言えば「一億総表現者時代」でしたが、次の10年は「一億総創造者時代」になっていくかもしれません。
「表現」から「創造」というのは一つのキーワードと言えます。
高度化する「フィルタリング」にご用心
一方で、以前「シンギュラリティ」について語りましたが、AIがますます高度化する10年です。
テレビでもお馴染みのマーケティングライター、牛窪恵さんは高度化する「フィルタリング」に要注意と指摘します。
〈日経ビジネス / 2021年12月28日〉
ここでのフィルタリングはユーザーの趣味趣向に合わせて情報をピンポイントで発信するという意味です。
AIの影響によりフィルタリングが精巧になり、検索時にその人の興味に合った情報が優先的に表示されるようになりました。
最近ではSNSの発達により、「ググる」から「タグる(ハッシュタグ検索)」と移り変わっていますが、Instagramのマーケティングをしていると、さらに「タブる」に移り変わっていると感じます。
「発見タブ」を押すだけで自分に合った最適なコンテンツが目の前に並びます。
しかし、便利ではありますが、「フィルターバブル」と言われるような、自分に都合のいい、興味のある情報しか目にしなくなる恐れがあります。
関心外の情報が入ってきにくくなるため、視野やコミュニティーが狭くなりやすい…。
「セレンディピティ(偶然の出合い)」が減少してしまうと固定概念に縛られてしまい、イノベーションが起こりにくくなってしまう可能性もあるのです。
いかに偶然性をプラスしていくかが、子どもの世界を広げる上でも重要になってくると言えます。
「アナログ」回帰の志向が顕著に
一方で、そんな懸念も今の教育者や親御さんは織り込み済みでしょう。
α世代はデジタルに精通しながらも、リアルな生活や家族との時間も楽しんでいると言われています。
〈マイナビニュース / 2021年9月14日〉
親御さんがデジタルに対して慎重で、画面を見続ける悪影響を危惧し、スクリーンタイムを制限する家庭も多いそうです。
それにより、子どもがリアルに触れる面白さや価値も理解しているとのこと。確かに昨今、家族でキャンプやDIYを楽しむ景色をよく見ます。
マイナビニュースが示す調査でも、47%が外で遊ぶことが好きと回答。
編み物や手芸のような趣味を楽しむ子供が、Z世代の32%に対してα世代は42%と多いのです。
さらに、α世代は約半数(48%)がデバイスから離れて過ごすことが多く、Z世代はわずか29%。
だからといって、テクノロジーに否定的なわけではなく、テクノロジーに依存せず、テクノロジーを活用するという意識が強い。
つまりは上述の「デジタルを支配(コントロール)」するという話と通じますね。
いずれにせよ、α世代の親のメインは「ミレニアル世代」です。
親の哲学や価値観が子どもの教育に大きく影響することを考えると、ミレニアル世代の志向を見つめていくと、これからの10年がより鮮明に見えてくるでしょう。
あくまでも「傾向」に過ぎませんが、世代研究によって見えてくるもあるかと思います。
一つの参考として受け止めていただけたら幸いです。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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