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「テクノロジー」で変わる社会

column vol.694

昨日は【さぁ、「常識」をアップデートしよう】と題し、生活者の意識変化をご報告させたいただきました。

今日は環境(外的要因)によって変容する社会、人々の生活について言及したいと思います。

分かりやすい要因で言えばテクノロジーの進化です。

今日はその事例をご紹介したいと思います。

キュレーション型デリバリーが変える社会

サンフランシスコ発のキュレーション型フードデリバリースタートアップ「Locale(ロケール)」は、アメリカで注目を集めている企業の一つですが、最近1400万ドル(約18億円)の資金を調達。

〈Forbes JAPAN / 2022年5月23日〉

Localeの着目すべき特徴は、厳選された独立系の飲食店やレストランのみをプラットフォームに掲載し、注文から数日後に、顧客が注文したメニューをまとめて届けるサービスを提供しているところ。

起業のきっかけは、地元の行列のできるパン屋を調べたところ、生産量が少ないため、ドアダッシュウーバー・イーツのようなアプリを使った即時注文には対応していないことに気付いた点にありました。

今では、サンフランシスコのベイエリアロサンゼルスサンディエゴなどで事業を展開し、これまでに130の小規模な店5万件以上のメニューを配達するようになりました。

Localeは、配達の距離を問わず一律5ドルの手数料を徴収。

そのため、ロサンゼルスのユーザーサンディエゴの飲食店料理を注文し、数日後に配達してもらうことが可能になります。

ちなみに、配達のオペレーションは外部の請負業者によって行われているそうです。

こういったビジネススキームで何が実現できるかというと、先程のパン屋のように少量生産の店でもデリバリー対応ができること。

そして、ロサンゼルスの郊外など、アクセスが悪く移動が大変な地域でのデリバリーでも対応しやすいということになります。

例えば、LA西部に住んでいる人が、LA東部のレストランの料理を食べようと思ったら、車で2時間もかかりますが、Localeなら対応可能。

このことを考えると、今後少子高齢化による人口減少で起こりうる都市の空洞化や過疎化へも転用できるビジネスモデルになっていくのではないでしょうか。

個人商店も含めて、町の経済の一助になる。そんな予感がしました。

ロボットが高齢者を支援する時代へ

「一助」と言えば、子供の頃、夢見た世界の一端を感じさせてくれるニュースです。

ニューヨーク州は高齢化社会に対応した新たな取り組みとして、人間とやりとりできるロボットの活用を進める計画とのこと。

〈Forbes JAPAN / 2022年5月31日〉

ロボットの名は、イスラエルイントゥイション・ロボティクスが開発したコンパニオンロボット「ElliQ(エリーキュー)」

高齢者800人あまりに提供するそうです。

ElliQは、ちょっとした会話をしたり、ジョークを言ったりするほか、タスクのリマインドをしてくれたり、ショートメールや動画アプリを使って友人や家族と繋げてくれるとのこと。

高齢化局グレッグ・オルセン局長は『The Verge』の取材に、ElliQが能動的なツールであることや、相手とのやりとりを覚えるところ、健康・幸福やストレス軽減、睡眠、水分補給が重視されている点などに魅力を感じたと述べています。

同州には高齢者が430万人ほど暮らしているのですが、米保健福祉省によると、全米では2019年時点65歳以上の高齢者人口約5400万人にのぼると推定。

このようにアメリカを始め各国で人口の著しい高齢化が進む中で、高齢者の生活の質を向上させる手助けをするというのがElliQの目標となります。

ちなみに、同国では高齢者数の伸びに老年病専門医の増加ペースが追いつかず、2025年には国内の全ての地域で不足するという見通しもあります。

もちろん、ElliQだけで医師不足がもたらす欠落を埋めることはできませんが一助にはなる。

そして、私が老後と呼ばれる時代を生きる頃には、当たり前のようにロボットからサポートを受ける社会になっているでしょう。

個人的には非常に希望が持てる大きな一歩に感じます。

深度化するリモートワーク

コロナによりリモートワークはスタンダードなものになってきましたが、従業員に年間45日、海外での労働を認めている会社があります。

〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2022年6月15日〉

ロンドンにあるソフトウェア新興企業向け決済会社の「パドル」です。

リモートワークハイブリッドワークについては、多くの企業で導入していますが、従業員に長期間、海外で働くことを認めている企業は少ない状況。

一方で、海外でのリモートワークは、従業員や求職者の間で人気が高い。Airbnbは先日、永久在宅勤務が可能であることを発表しました。

すると80万人以上が同社の採用ページにアクセスしたそうです。

もちろん、人事と税金については課題があります。

他国に長く滞在する場合、フルタイムの従業員は現地の雇用法や税制に従わなければならないというのが一つ。

税金や雇用の違反金は厳しく、多額の出費に繋がることになるからです。

しかし、90日以内であれば、海外で仕事をしても、その国で個人的に税金を払う義務はなく会社もその国に税金を払う義務はない

そこで、パドルはその範囲内である45日間と設定したそうです。

この決断により、採用人数と定着率が上がったとのこと。

テクノロジーの進化も大切ですが、根本的には人が社会をつくっていく

パドルのような勇気ある判断が、本当の意味で世の中を変えていくという好事例ですね。

それは、キュレーション型フードアプリや高齢者支援ロボットにも同じことが言えます。

人の想いテクノロジーの進化が相まって次の理想社会が生まれていく。

その重要性を感じた本日の事例記事でした。


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