次の時代が見える「透明な箱」の話
column vol.424
今日は久しぶりに母親に会いました。
実家が鎌倉ということもあり、車を走らせていると久しぶりの江ノ島を目にすることができました。
そして、江ノ島が見えてくると決まって頭の中で流れる曲があります。
江ノし〜まが見え〜てきたー♪ おーれーの家も近ーい♪
サザンオールスターズの『勝手にシンドバッド』です。幼少の頃に家でよく聞いていた歌です。
その生みの親である桑田佳祐さんが、マーケッターの仕事術にも通ずる貴重な話しをYahoo!ニュースの特集でお話しされていたので共有させていただきます。
〈Yahoo!ニュースの特集 / 2021年9月17日〉
「僕自身は空っぽの容れ物」
まずは桑田さんのお話に耳を傾けたいと思います。
「僕自身は空っぽな容れ物みたいなものでね。空気とか情報とか、市井に浮遊しているものをキャッチしては、自分という空っぽの容れ物にポンポンと詰め込んで、それをシャッフルしたり、色付けしたりして吐き出してきた。『世の中を呼吸』しながら作品を紡いできたという感じ。そこに多少のエゴや性格もあぶり出されているのだろうけど、僕自身にあまり強い自我のような感覚はないんですよ」
確かにサザンの曲には非常に時代性を感じます。
旧満州の情景を歌った『流れる雲を追いかけて』(1982年)や、中国残留孤児をモチーフにした『かしの樹の下で』(1983年)、国内政治の汚職や腐敗に言及した『孤独の太陽』(1994年)や9.11以降のアメリカに対する愛憎入り交じった批評が込められた『ROCK AND ROLL HERO』(2002年)などなど…
ジャーナリスティックな視点の曲も多いですが、ご本人はそこまで社会問題意識を表現したいわけではないそうです。
あまり自我を持たず、目に映る時代の風景を素直に歌にしているといった感じでしょうか?
時代の空気をそのまま表現しているから、多くの人の心に刺さる。
桑田さんはご自身のことを「空っぽの箱」と表現されていますが、世相を映し出す「時代の写し鏡」なのかもしれませんね。
マーケッターは「ニュートラル」であれ
非常に奇遇なのが当社代表の谷口正和も、「マーケッターは自分を透明な箱だと思え」「時代と呼吸する」ということを口癖にしています。
つまり、「ニュートラルであれ」ということですね。
マーケッターの仕事は的確に時流や消費者の心を読むことです。つまり固定概念になるべく囚われないことが肝要になります。
特に今は変化の激しく先の読めない「VUCA時代」です。
刻々と変化する時代の中で、時代認識を見誤るとクライアントに対してミスリードしてしまうことになります。
マーケッターは企業戦略における軍師。戦局をいかに冷静かつ客観的に把握し、次の効果的な一手を打てることが軍師の腕の見せ所であるのと一緒です。
さらに言うと柔軟性です。一度立てた作戦でも不測の事態が起きればリカバリーできるよう戦略を変化させる。
そのためにはニュートラルな意識で、多様な状況を予測することが大切。さまざまな局面をシミュレーションできることがフレキシビリティを生み出すことに繋がるのです。
届けたいのは「次の時代の気配」
私のコラム記事も、ジャーナリズム視点ではなく、マーケッター視点で書いています。
つまり、なるべく「ニュートラル」な視点で語ろうとしています。
時にインプット作業の際に、それまでの私とは180度違う考え方に出会うことがあります。その時は正直、若干心がザワつきます(笑)
でも、一旦は透明な箱になる。
そして、そこから冷静に次の時代に繋がりそうなエッセンスを抽出し、肯定的に考察していく。
ですので、私のコラムは自らの主張ではなく「次の時代の気配」を届けたいと考えています。
それは答えではないけど、ヒントにはなる。
あとは読む方々の見識に触れて、思考の化学反応を起こし、それぞれの方の答えに繋がれば良いと感じています。
自分自身はnoteを軸に情報のインプットとアウトプットを繰り返しながら、常に変化していきたいと考えております。
強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ。
ダーウィンさんの言葉ですが、私がマーケッターとして座右の銘にしている言葉です。
ユニクロの柳井正さんは「Change or Die」ともう少しシャープな表現をされていますが、答えが見えない荒波時代を乗り切るには、軽やかに変化することが重要なのだと思います。
変化体質をつくるための「note」
ですので、「あれ、池のヤツ、前に言ってたことと違うこと言ってるぞ」と思う時があるとしたら、「あっ、池の時代認識が変わったんだ」と軽やかに捉えていただけると幸いです。
ぜひ、時代と呼吸しながら、皆さまとこの難局を乗り切っていきたいと思います!今後とも何卒よろしくお願いいたします。
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