小売業「DX」への道、最新情報
column vol.70
9月も最終週に入り、今日を入れて残り4日。あっという間に10月に突入します…(汗)。今年は新型コロナウィルスの影響もあってか、特に1年が早く感じます。
10月といえば、小売業はクリスマスにかけて単価の高い重衣料やギフト商品が売れるまさに書き入れ時。しかし、引き続き密を避けなくてはいけない状況であり、大型集客しにくい状況です。
そこで、「分散集客」を促すために、私のクライアントの多くはさまざまなカテゴリーで「早期予約割」を実施することを決めました。
ギフト、クリスマスケーキ、おせち、パーティーの予約などなど、何でもいつもより早く予約してくれたらお得になるという施策です。
特にレストランはソーシャルディスタンスを踏まえた座席数で営業しないといけませんので、インセンティブをつけることで予約のキャンセルを防ぎたいのと、早めに予約してくれるのは常連さんが多いのでドライなドタキャンを避けたいことも狙いにしています。
あとはデジタルシフトができる企業は進めていただきたいので、今回はその最新トピックスをご紹介したいと思います。
「PARCOオンライン商店街」を期間限定オープン
PARCOではWithコロナ時代の新しいショッピングの形として、9月18日から11月30日まで、ライブショッピング企画「PARCOオンライン商店街」を開催しています。
〈AdverTimes / 2020年9月18日〉
これはライブコマースの施策で、各ブランドのショップスタッフがオススメアイテムを配信し、その場で商品を買えるというもの。サイトへの集客の目玉として、女優の高橋愛さん、モデルの中田みのりさんなどがスペシャルセレクターとして参加します。
〈PARCOオンライン商店街Webサイト〉
ポイントは単なるショッピングではなく、ショップスタッフとお客さまとの接点をつくっているということ。「接客」はリアル店舗の重要なファクターの1つなので、まさにそれをカタチにしている施策だと感じます。
「ストーリーズ」と「Reels」の違いとは?
配信といえば、先月からInstagramの新機能「Reels(リールズ)」が誕生しましたが、商業施設の現場でもこの短尺動画作成機能をいかに有効活用するかを議論しています。
ちなみに、「ストーリーズ」と「リールズ」の違いって何だろう?と思われる方もいらっしゃると思いますので、こちらの記事がオススメです。
〈現代ビジネス / 2020年9月26日〉
大きな要素としては2つありまして、1つは「尺の長さ」です。ストーリーズの場合は、一つの動画は最大で60秒ですが、リールズは最大で15秒となります。
そしてもう1つは「視聴者の違い」です。ストーリーズはあくまでもフォロワーしか視聴できないので、近況報告的に使われます。
一方、リールズはフォロワー以外の方も視聴できます。特にInstagramはリールズを今は打ち出したいので、発見ボタン(検索)を押すと一番上に出てくるので、バズりやすい状況です。
今はエンタメ系が優先されますが、今後はビジネスコンテンツも有効になると思われますので、各クライアントと一緒に企画を練っています。
あとは、スローモーションや倍速といったスピード調整、細切れの動画をつなぎ合わせるなど、ほぼTiKToKの機能と同じことができます。
これからはインスタ内でEC決済ができる「CHECK OUT」も日本で実装される予定なので、Instagramにはますます注目です。
ちなみに、短尺動画でいえば、YouTubeも「Shorts(ショーツ)」を導入することが決まったので、短尺動画争いはますます加熱しそうですね。
無人決済スーパーが10月に開業
最後は無人決済店舗の話をしたいと思います。
以前、JR高輪ゲートウェイ駅構内の無人決済店舗の話をしましたが、紀伊國屋でも同じ仕組みを活用したスーパー「KINOKUNIYA Sutto 目白駅店」を10月16日に開業するそうです。
〈ITmediaビジネスオンライン / 2020年9月24日〉
カメラの情報から入店した利用者がどの商品を手に取ったかをリアルタイムに認識。出口にある決済エリアに利用者が立つとタッチパネルに商品と購入金額を表示します。ちなみに商品は、利用者がバックなどに入れていても識別できるので、万引き防止にもなりそうですね。
一方で無人決済店舗が増えると、その分、レジ打ちで生計を立てていた方は活躍の場が無くなってしまうので、AIの進化に合わせて、小売業で人が働く意味を突き詰めていかないといけないという課題もあると感じています。
DXの情報は他にもたくさんあるので、今後もちょこちょこ紹介していきたいと思います。それではまた明日。日曜日の午後を有意義にお過ごしくださいませ。
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