武藤達也

1996年8月22日生まれ。 法政大学→新卒でランサーズ入社→千葉でゼロからキャンプ場…

武藤達也

1996年8月22日生まれ。 法政大学→新卒でランサーズ入社→千葉でゼロからキャンプ場つくり→旅人(Now) 【旅人×物書き】として生きていこうと思います。今はNZでワーホリしてキウイピッキング中。 Amazonで小説『海風』発売中。 趣味:読書、カラオケ、ボルダリング、映像鑑賞

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  • 日没のリインバース (創作大賞2024応募作品)

    創作大賞2024応募作品 『日没のリインバース』まとめです

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日没のリインバース 第一話 「ブラックホーク・ダウン」(創作大賞2024ファンタジー小説部門)

プロローグ これは俺が『転生』するまでの物語だ。  このストーリーを見ているお前は、きっと上位の世界にいるんだろう。俺たちの干渉できない次元にいるはずだ。なんのためにこの話を読む?聞いている?もしくは映像として体験している?それともゲームとしてプレイでもしているのか?  わからない。なんのために俺が存在しているのか。上位概念であるお前たちの慰み者でしかないのか。劇場の道化でしかないのか。このストーリーは俺の意思なのか、それとも定められた運命だとでも言うのか。誰かの描いたシ

    • ついに! 創作大賞、応募期間ギリギリですが最終話までアップできました〜! 『日没のリインバース』 全26話で文字数は13万と少し。 我ながら、満足のいく物語が創れました。逆にこれでムリだったら一生、小説家にはなれなそうです…笑 ❤️などくれた方、本当にありがとうございます!

      • 日没のリインバース エピローグ

         俺たちはまた新しい世界へとやってきた。幾つの世界を渡り歩いただろう。そのどれもが刺激的で、楽しい冒険だった。多分1人ではこうはいかなかっただろう。彼女が笑いかける。いつだってその笑顔は眩しくて、俺もつられてはにかんでしまう。   「今回は超ハイテクなSF世界って感じだね!」 「どんな世界か、まずは足で歩いてみるか。それが冴えたやり方なんだろ?」 「うん!いこう!」  彼女は俺の手を取る。俺はその手を握り返す。そして、また歩き始める。    俺たちは知っている。例え世界

        • 日没のリインバース 最終話 「日は没しても、月は出ずる」

           夕暮れの太陽が紅の光を地上に照りつけている。流れる雲が光を受けて影を宿し、その複雑な模様は目まぐるしく変わっていく。この世界にも生命の循環があり、時の流れがある。それが当たり前の事だと思っていた。ここが造られたゲームの中だなんて、いまだに信じられない。高く聳える塔は、真向かいに長い影を落としているだろう。例えそれが見えなくとも、俺たちはその存在を知っている。  リベリカへの遠征を一度終えて、かつてバベルと呼ばれていた塔へと戻ってきた。しかし、踏み入れる門の前にポツンと立つ

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        日没のリインバース 第一話 「ブラックホーク・ダウン」(創作大賞2024ファンタジー小説部門)

        • ついに! 創作大賞、応募期間ギリギリですが最終話までアップできました〜! 『日没のリインバース』 全26話で文字数は13万と少し。 我ながら、満足のいく物語が創れました。逆にこれでムリだったら一生、小説家にはなれなそうです…笑 ❤️などくれた方、本当にありがとうございます!

        • 日没のリインバース エピローグ

        • 日没のリインバース 最終話 「日は没しても、月は出ずる」

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          日没のリインバース 第二十五話 「この世界の片隅で」

           ゲートを抜けると雪国だった。真っ白な雪の積もる大地は照りつける太陽を反射して煌めきを放っている。そこに真っ黒なローブ姿が2つ、美しい柔肌に不釣り合いなホクロのように浮いた存在感を放っていた。あまりにも冷たい空気が突然爆ぜたように十字架の仮面をした男が甲高い声を発する。  「貴方がたですか……我々の同胞を殺害した異教徒どもが!神への冒涜は許されざる悪魔の所業!地獄へと送り届けて差し上げましょう……裁きを受けなさい!裁きの十字架!」  「俺様の獲物だっつってんだろ!日没の黒

          日没のリインバース 第二十五話 「この世界の片隅で」

          日没のリインバース 第二十四話 「とある魔法少女の独白」

           私は転生してきた。何度も。数えられないほどに何度も。    その過程でたくさんの世界を見てきた。飢餓や疫病が蔓延する世界。暴力が支配する世界。怪物たちが蔓延る世界。原始的な世界。壮大な宇宙を巡る世界。全てがデジタルな世界。全てが平等な世界。愛が全てだと言う世界……。  どれほど表面的には暗い世界にも、それぞれの人間には光が存在し、どんなに美しい世界であっても、そこに生きる誰もが空虚な闇を一寸は抱えていた。醜い世界にも美しい精神の者はいるし、平和に見えても、実は誰もが苦しん

          日没のリインバース 第二十四話 「とある魔法少女の独白」

          日没のリインバース 第二十三話 「永遠平和のために」

           ルナンは敗戦国となった。打ち込まれた二発の核が直接的な要因と言われている。空爆などの被害がなかったからか、一発だけでは降伏を選択しなかった。とはいえ、シナンでの圧倒的な大敗、リベリカとの海戦でも敗走を繰り返し、いくつかの他国領土をすでに奪われていた上、独立同盟国も降伏していた状況だったのだ。良くもまだ戦う意欲があったものである。軍部の暴走の一言で本当に片付けられるのか、まあそこは良いだろう。とにかくルナンはリベリカ合衆国主導の統一連合によって占領統治されることになった。そし

          日没のリインバース 第二十三話 「永遠平和のために」

          日没のリインバース 第二十二話 「生ける者と死せる者」

          「隊長……」  私は久々にため息混じりの声を漏らした。もう長月隊長は帰ってこない。それがわかったから。    先ほどの戦いの最中に感じた違和感の正体。それはやはり、あの仮面の人物が、私たちの隊をこの2年に渡りまとめてきた長月トバリその人であるということだった。戦いの中ではその確証はなかった上に、何より隊長が奴らに加わって私たちを殺すという可能性を考慮していなかった。いや、考えたくなかったというのが正しいかもしれない。その可能性に蓋をしていた。だけど真実は残酷だった。彼は涅槃

          日没のリインバース 第二十二話 「生ける者と死せる者」

          日没のリインバース 第二十一話 「戦いの時」

          「このゲートの先に奴らを待たせてある。ワシも監視役で行くからの」 「ああ。俺は大丈夫だ」  30分でできることはした。あとは上手くやれるかどうか。 「であれば良いがな。殺さず転送するなどという小細工は通用せんからの」  それくらいはしてくるだろうと思ったが、やはりワープなどで逃すことは難しいか。最もシンプルでやりやすいプランだったんだが……プランBに変更しなくてはならないようだ。 「図星か?お前の考えそうなこと、いや……誰しも考えることじゃな。とにかく行くぞ」  

          日没のリインバース 第二十一話 「戦いの時」

          日没のリインバース 第二十話 「試練の時」

          「いやあトバリさん!どうやらどうやら無事にアクセスできたようですねぇ!ワタシは信じておりましたとも!ええ!」  会議室に入ると例の面々が揃っていた。道化師、死神、太陽、十字架だ。 「これで晴れて俺もお前たちの仲間入りというわけか?」 「おいおい、先輩たちに向かってその口の聞き方はねぇんじゃねえか?生意気だぞ?雑魚が」 「確かに神との謁見は済んだようですが、貴方はまだ洗礼を受けておりませんのでね」 「大変申し上げにくいのですが、そういうわけにはいかないのですよ。アナタ

          日没のリインバース 第二十話 「試練の時」

          日没のリインバース 第十九話 「リインカーネーション × マルチバース」

           座禅を組んでから何時間が経ったのだろうか。結局は普段から行っている魔法の修行の延長でしかなく、なんら特別なことは起こっていない。さまざまな記憶や情念が湧き起こってくるだけだ。そしてそれをなんとか振り払って魔力へと意識を戻す。その繰り返し。それでも思考はついつい先ほどの会話や道化の話を勝手に反芻してしまう。    カンナはどこへ行ったのか。死んでいないのに現れないのは何故か。アイツらは無事だろうか。親父は生きているのか。戦争はどうなるのか。俺はこれからどうやって生きていくのか

          日没のリインバース 第十九話 「リインカーネーション × マルチバース」

          日没のリインバース 第十八話 「邂逅」

          「使者がお見えになりました」    伝令役が扉をノックする。俺と親父は一瞬だけ顔を見合わせた。そして親父の低い声が響くと、戸が開き、使者が姿を現す。 「よう。お主ら、時間がないんじゃろ?ワシらの提案はたったのふたつ。まずはシナン軍と同規模の戦力の提供じゃ」  通された使者は道化師ではなかった。かといって死神でもない。黒いローブは相変わらだが、狐の面を被っており、身長が低い。見た目だけ見れば幼い印象を受ける。しかし、なんと言ってもその古風で艶のある声音に加え、ローブの間から

          日没のリインバース 第十八話 「邂逅」

          日没のリインバース 第十七話 「1917」

           正直に言おう。ロンギヌスなどと言うのは単なるハッタリだった。ただ形を模倣したに過ぎない。奴らの魔法無効に触れていれば一瞬でバレていたであろう。とはいえなんとか生き残ることができたのだから、賭けは勝ったと言えるのかもしれない。それにしても……道化師、ジョリージョーカーと言ったか……やつの言葉はあまりにも情報量が多く、処理しきれていないのが現状だ。  あの接触の後、俺たちはすぐさま本部へと戻ったのだがかなり遅い時間になっており、多少のゴタゴタに繋がってしまった。後日、今ではこ

          日没のリインバース 第十七話 「1917」

          日没のリインバース 第十六話 「ザ・ギルティ」

          「皆様どうも恨みつらみがよりどりみどりのようですねぇ。困った困った。これではまるで一人芝居です……まあいいでしょう。たまには独白というのも悪くありません」  道化師ジョジョは身振り手振りを駆使して話し始めた。全員が固唾を飲んで言葉の続きを待っている。 「皆様のおっしゃる通り、ワタシたちは涅槃という組織です。目的は世界征服とでも言いましょうか。世界を影で支配するとでも言いましょうか。最終的には……世界秩序を創ること!」  そう言って一秒ほど間を置いた。まるで俺たちの反応を

          日没のリインバース 第十六話 「ザ・ギルティ」

          日没のリインバース 第十五話 「ブラッド・ダイヤモンド」

           それから数日間、同じ作戦を俺たちは実行した。嵐山に遭遇したことはただの偶然だったと伝えたが、なんの疑問も持たず納得したようだ。ここまで来ると一種の才能である。  数日の間は正直にいえばかなり大変であったが、その割になんの成果も得られずじまいだった。嵐山は何かと一人で突っ走り、任務の規定を守らずに敵と交戦することもしばしば。先日の猫を発見したときのように突飛な行動もよく見受けられたので、こちらとしてはいい加減にフラストレーションが溜まってきていた。特にカルラと霜月に関しては

          日没のリインバース 第十五話 「ブラッド・ダイヤモンド」

          日没のリインバース 第十四話 「プライベート・ライアン」

           カンナがいなくなってから5年が経った。戦争は激化して、俺も戦地へ赴いている。徴兵を受けてそのまま軍に居着いた流れだ。俺はカンナの足跡を探したかった。奴等……正体はほとんど不明だが涅槃と名乗る者たちの後を追って。  だけど、噂は眉を顰めたくなるような陰謀論めいたものばかりだった。近現代の魔導回路革命において裏で糸を引いていただとか、魔導大戦自体も彼らの実験場だとか、人体を魔晶石に変えるため戦地で魔力の大きな人間を集めているだとか。  それでも、あの日に浮かんだ数々の疑問を

          日没のリインバース 第十四話 「プライベート・ライアン」