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教育のはしくれ

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塾産業の中で教育などと偉そうには言いませんが、父親として息子たちと向き合ってきた一人としての体験と意見。時代的に早すぎた「イクメン」としての背景から、言葉を零してみます。
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#学校

『凜として生きる』(平塚敬一・教文館)

『凜として生きる』(平塚敬一・教文館)

キリスト者として、何かしら重荷を負うというものがあるという。どうしてだか分からないが、そのことのために心血を注ぐしかない、という思いで生きるのだ。生きることが、考えることが、すべてそれのために営まれている、という気持ちになる。
 
著者にとり、「教育」がその重荷であるのだろう。しかも、「キリスト教教育」である。キリスト教を信じさせる教育だという意味ではない。教育する側が、キリスト教精神を以て教えて

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分からないところが自分の課題

分からないところが自分の課題

小テストを実施する。模範解答を配る。いるいる。自己採点にしろ、交換採点にしろ、自分の答案に、答えをすぐに書き写す作業を始める生徒たち。予め、そんなことはするなと釘を刺しておいてもなお、条件反射のように、模範解答を解答欄に赤で入れていく。
 
いったい、「ウ」だの「12」だのを書き入れて、何がおもしろいのだろう。
 
この小テストは、忌まわしいものであった。だから、赤で正しい解答を書いて、お祓いをし

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感染症と子どもたち、そして……

感染症と子どもたち、そして……

新学期は近年、8月中に入るようになってきていたが、今年は9月からという動きも多い。そして子どもたちがキャリアになり、あるいは陽性反応が出るというケースが多々見られる、新型コロナウイルスの新しい種類が、この学校再開への懸念を強くしているのは周知の通りである。新規感染者の四人に一人が10代以下だという情報も耳にした。
 
子どもたちを集団の中に送り出すことを恐れる親も多いだろう。同時に、その子どもから

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