フルカワ モグラ

ポンコツ映画専門サイト『映画無段』の管理人。 そちらでは漢字表記の「古川土竜」で活動中。

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マガジン

  • 映画無段・裏門

    10000本を超える映画鑑賞記録を付けてきたフルカワ モグラが、その中から名作・傑作・佳作をピックアップ。

  • ハリウッドも認めた異能の映画人・佐野雷次 (note改訂版)

    佐野雷次は1960年代から1980年代に掛けて活躍し、主にアクション映画やホラー映画を手掛けた監督・俳優である。雷次はアメリカにも進出して地位を築き、2009年に発表された映画雑誌のジャンル別トップ100には彼の監督作品が3本も入っている。彼の映画は、クエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスといった監督たちにも大きな影響を与えている。 なお、これは2012年に執筆した『異能の映画人 佐野雷次 ~ハリウッドも認めた娯楽映画の奇才~』のnote改訂版である。

最近の記事

『ハッピー・デス・デイ』:2017、アメリカ

 9月18日。ベイフィールド大学の学生寮で暮らすツリー・ゲルブマンは、男子寮の部屋で目を覚ました。彼女は前夜のパーティーで悪酔いし、名前も知らない男子学生の部屋に上がり込んでいたのだ。ツリーは住人のカーター・デイヴィスから頭痛薬を貰い、冷たい態度で去る。  彼女が校内を歩いていると、1度だけデートしたティム・バウアーが声を掛けて来た。「メールを返してよ」とティムが告げるとツリーは「返す必要が無い」と言い放ち、罵って去った。  ツリーが女子寮に戻ると、玄関前にいた学生のエミリ

    • 『リズと青い鳥』:2018、日本

       湖畔の森で動物たちと暮らす少女のリズは、青い鳥を見つけた。その美しさに目を奪われたリズは、「まるで空を写した湖のよう」と口にした。青い鳥はリズの掌に乗った後、湖に向かって飛び立った。学校に着いた鎧塚みぞれは、少し迷ってから校門の前の階段に座り込んだ。  傘木希美か歩いて来ると、彼女は立ち上がった。みぞれが並んで歩き始めると、希美は青い鳥の羽を見つけて「綺麗」と漏らす。彼女が「あげるよ」と差し出すと、みぞれは薄い反応だったが「「ありがとう」と受け取った。  部室に入ったみぞ

      • 『過去のない男』:2002、フィンランド

         列車を降りて駅を出た男は、夜の公園でベンチに座った。眠り込んでいた男は3人組の暴漢に襲撃され、金や荷物を奪われた。翌朝、男は駅のトイレに入り、そこで倒れ込んだ。男は病院に搬送されるが、医師は「植物状態になるぐらいなら死なせてやろう」と脈拍を止めた。  しかし男は生きており、病院を抜け出した。男が岸辺で倒れていると、老人が靴を取り替えて去った。近くのコンテナで暮らす兄弟は男を発見し、母のカイザに知らせた。  カイザは男をコンテナに連れ帰り、介抱して食事を与えた。カイザは夫の

        • 『かくも長き不在』:1961、フランス

           パリ祭の日。テレーズが営むアルベール・ラングロワのカフェは、常連客のフェルナン、ファヴィエたちで賑わっている。テレーズは店員のマルティーヌと2人で、明るく仕事をしている。  恋人のピエールからバカンスの予定を訊かれたテレーズは、故郷のショーリュへ行く予定を話す。ピエールが「地元のバンヌから近い。一緒に行こう」と誘うと、彼女は「いいけど、長くても1週間よ。いつも1日か2日で飽きて、この店が懐かしくなる」と告げた。  バカンスに入って住民は次々に町を去り、カフェの客も少なくな

        『ハッピー・デス・デイ』:2017、アメリカ

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          『アンネの日記』:1959、アメリカ

           オットー・フランクはアムステルダムを訪れ、以前に隠れ住んでいた建物を訪れた。そこへ旧知のクラーレルとミープが来て、「無事で良かった」と告げる。ミープが自分の家で休むよう勧めると、オットーは「アムステルダムにはいられない。思い出が多すぎる」と断った。  彼が「アンネにノートを探すよう約束した」と言うと、ミープは「日記なら元の場所に」と教える。オットーはミープからアンネの日記を受け取り、ページを開いて読み始めた。  3年前の1942年、ユダヤ人のアンネ・フランクはナチスから逃

          『アンネの日記』:1959、アメリカ

          『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』:2019、アメリカ

           朝、大人気のミステリー小説家であるハーラン・スロンビーの邸宅。専属看護師のマルタ・カブレラがコーヒーを持って行くと、ハーランは寝室にいなかった。彼女が書斎へ行くと、ハーランは死んでいた。それから1週間後、マルタが自宅にいるとハーランの次男のウォルトから電話が入り、警察が改めて話を聞きたがっているので屋敷に来てほしいと言われる。  車で屋敷へ赴いたマルタは、ハーランの長女のリンダたちに会う。リンダの夫のリチャードは息子のランサムと電話で話しており、「葬儀も欠席で今日も来ない」

          『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』:2019、アメリカ

          『ジョジョ・ラビット』:2019、アメリカ

           第二次世界大戦中のドイツ。10歳のジョジョはヒトラーユーゲントに入隊し、特別週末キャンプに参加することになった。不安を覚えた彼は、イマジナリー・フレンドのアドルフ・ヒトラーに相談した。ジョジョはアドルフに「お前は軟弱で人気も無いが、ナチスへの忠誠心はピカイチだ」と励まされ、元気に外へ飛び出した。  親友のヨーキーと合流した彼は、キャンプ場へ赴いた。大勢の子供たちが軍服姿で集合すると、キャプテンKの異名を持つクレンツェンドルフ大尉が挨拶した。彼は戦争で右目の視力を失ったが、射

          『ジョジョ・ラビット』:2019、アメリカ

          『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』:2019、アメリカ

           クロケット高校3年生のモリーとエイミーは幼馴染で、卒業式を翌日に控えていた。モリーはイェール大学、エイミーはコロンビア大学への進学が決まっていた。生徒会長を務めるモリーはエイミーを伴ってブラウン校長の元へ行き、年度末の予算について相談しようとする。  ブラウンが面倒そうに「副会長のニックに話せ」と言うと、モリーは「ニックはプロムの企画のために立候補しただけで無能だ」と話す。しかしブラウンはモリーとエイミーの話を聞かず、校長室から追い出した。  ニックは人気者で、モリーがト

          『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』:2019、アメリカ

          『ブラック・クランズマン』:2018、アメリカ

           白人至上主義者のケネブルー・ボーリガード博士は講演を行い、黒人とユダヤ人を激しく罵った。1972年、黒人のロン・ストールワースはコロラド・スプリングス警察を訪れて警官の面接試験を受けた。黒人警官は前例が無く、アドバイザーのトゥレンティーンは酷い侮辱に遭うリスクを教える。  ロンが「必要なら我慢します」と約束すると、トゥレンティーンは採用を決めた。ブリッジス署長はロンに、「支援はするが、限界がある。重荷は独りで背負うつもりでいろ」と告げた。  資料課に配属されたロンは、黒人

          『ブラック・クランズマン』:2018、アメリカ

          『アデル、ブルーは熱い色』:2013、フランス

           パスツール高校2年生のアデルは仲良しの3人から、「トマが夢中よ」と言われる。アデルもトマの視線を分かっており、意識していた。バスで一緒になった時、アデルはトマに話し掛けられた。3年生のトマは、「卒業したら音楽の仕事がしたい。レーベルを立ち上げて、プロダクションを作る」と言う。彼は現在も、アマチュアで複数の楽器を演奏していた。  アデルが「音楽は好きだけど、ハードロックだけは好きじゃない」と告げると、トマは軽く笑いながら「やってるのはハードロックだ」と口にした。アデルはトマと

          『アデル、ブルーは熱い色』:2013、フランス

          『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』:2018、アメリカ

           13歳でエイス・グレード(8年生)のケイラ・デイは、ユーチューブに「私みたいな子に送る人生の秘訣」のタイトルで幾つもの動画を投稿している。彼女は学校で無口と思われていること、でも友達のように話し掛けてくれれば面白い子だと分かってもらえることを語った。動画の視聴回数は、全く増えていなかった。  8年生の最後の1週間になり、ケイラが通うマイルズ・グローヴ中学では教師のローチが各最優秀賞を発表した。 ケイラは無口賞に選ばれ、すっかり落ち込んだ。  6年生の時に埋めたタイムカプセ

          『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』:2018、アメリカ

          『レディ・バード』:2017、アメリカ

           2002年、カリフォルニア州サクラメント。高校3年生のクリスティン・マクファーソンは大学見学の旅を終え、母のマリオンが運転する車で帰路に就いていた。彼女はスタインベックの『怒りの葡萄』の朗読テープを流し、母と2人で涙した。  「何かを達成したい」と彼女が口にすると、マリオンは「夢は?」と尋ねる。「無い。2002年が面白いのは数字の並びだけ」とクリスティンが言うと、母は「人生が最悪みたいな言い方ね。恵まれた人生でしょ」と反論した。  クリスティンが「この州の大学は嫌。カリフ

          『レディ・バード』:2017、アメリカ

          『人生タクシー』:2015、イラン

           ジャファル・パナヒは車載カメラを窓の外に向け、タクシーを運転していた。1人の男性を乗せた後、しばらくすると今度は女性が乗ってきた。男性客はカメラに気付いて向きを変え、「これは何ですか?」と質問する。「防犯装置?」と問われたパナヒは、「そんなところです」と答えた。  男性は「ある意味、俺の専門です」と言い、従兄弟が安いポンコツ車のタイヤを4本とも盗まれた事件について語った。彼はパナヒに、「俺が大統領なら泥棒を見せしめとして何人か絞首刑にする」と告げた。  女性客が「人の命を

          『人生タクシー』:2015、イラン

          『スウィート ヒアアフター』:1997、カナダ

           ゾーイ・スティーヴンスは電話ボックスに入り、父のミッチェルに連絡する。車で洗車機に入っていたミッチェルは娘がドラッグでハイになっていると確信し、「どういう状態なのか、話す前に知りたい」と言う。ゾーイは泣いて電話を切り、車で去った。  サム・ブリュネルは遊園地のステージでライブのリハーサルを行う娘のニコールを見て、その歌を「素晴らしい」と絶賛した。ミッチェルは洗車機の故障で閉じ込められたので、車から脱出した。彼はカイル・ラムストンの家を訪れ、外に停まっているスクールバスを見た

          『スウィート ヒアアフター』:1997、カナダ

          『リボルバー』:1988、日本

           蜂矢圭介と永井新は競輪場で知り合い、ぶつかってからツキが回って来たことで仲良くなる。2人は電車に乗り、鹿児島へ旅行に出掛けた。交番勤務の清水信彦は上司の伊地知に勧められ、山川亜代という女性と見合いをする。亜代は積極的だが、清水は乗り気ではなかった。  高校生の出水進は、幼馴染の佐伯直子から日曜に海へ行こうと誘われる。勉強熱心な進は受験を理由に断ろうとするが、結局は承諾した。蜂矢と新は海で女性をナンパするが、成果はゼロだった。清水は亜代と海へ出掛けたが、決して交際に前向きでは

          『リボルバー』:1988、日本

          『グリーンブック』:2018、アメリカ

            1962年、ニューヨーク。イタリア系アメリカ人のトニー・リップは、ナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒として働いている。ギャングのロスクードが荷物係に帽子を預けると、トニーは内緒で隠した。彼は騒ぎを起こした青年を叩きのめし、店から追い出した。コパは改装のため、閉店することが決まっていた。  トニーはロスクードに帽子を届け、自分が見つけたと嘘をついて謝礼金を貰った。彼はブロンクスで妻のドロレス、息子のニック&フランキーと暮らしている。彼は黒人を嫌悪しており、2人の作業員が使

          『グリーンブック』:2018、アメリカ