フルカワ モグラ

ポンコツ映画専門サイト『映画無段』の管理人。 そちらでは漢字表記の「古川土竜」で活動中。

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マガジン

  • 映画無段・裏門

    10000本を超える映画鑑賞記録を付けてきたフルカワ モグラが、その中から名作・傑作・佳作をピックアップ。

  • ハリウッドも認めた異能の映画人・佐野雷次 (note改訂版)

    佐野雷次は1960年代から1980年代に掛けて活躍し、主にアクション映画やホラー映画を手掛けた監督・俳優である。雷次はアメリカにも進出して地位を築き、2009年に発表された映画雑誌のジャンル別トップ100には彼の監督作品が3本も入っている。彼の映画は、クエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスといった監督たちにも大きな影響を与えている。 なお、これは2012年に執筆した『異能の映画人 佐野雷次 ~ハリウッドも認めた娯楽映画の奇才~』のnote改訂版である。

最近の記事

『旅立ちの時』:1988、アメリカ

 少年野球に参加していた17歳のダニー・ポープは、試合が終わると自転車で球場を後にした。2台の車が尾行していることに気付いた彼は、自宅とは別の家の前で自転車を停めた。彼は自転車を捨てて草むらを走り、愛犬のジョモを使者にして自宅にいる弟のハリーを呼び出す。彼はハリーを連れて、その場から逃亡した。  アーサーは核ゴミを埋める計画に反対する市民勉強会に参加し、妻のアニーが待つ車に戻る。彼はアニーに、「ロビー活動はジョンとポーラに任せる」と語った。  車で出発しようとしたアーサーと

    • 『昼顔』:1967、フランス&イタリア

       セヴリーヌはピエールと馬車で森の小道を移動している最中、「君を愛してる」と言われる。セヴリーヌは「私もよ」と喜んで告げるが、「不感症が治れば完璧だ」という言葉で不機嫌になった。するとピエールは御者たちに手伝わせ、セヴリーヌを強引に馬車から降ろした。  彼はセヴリーヌの両手をロープで縛り、木に吊るした。ピエールは御者たちに鞭でセヴリーヌの背中を打たせ、「好きにしろ」と命じた。御者の1人が愛撫を始めると、セヴリーヌは快感を覚えた。それは全て、セヴリーヌが見ている夢だった。  

      • 『大人は判ってくれない』:1959、フランス

         12歳のアントワーヌ・ドワネルはテストの最中にクラスメイトからピンナップが回って来たので、落書きを始めた。教師が見つけて叱責し、罰として立っているよう命じた。テストが終わって休み時間になっても、教師は立ち続けるようアントワーヌに命じた。  アントワーヌは不当な罪だと訴える文章を壁に落書きし、また教師の叱責を受けて罰を与えられた。下校時、彼は親友であるルネの前で、教師への憤懣を吐露して「兵役に行く前にぶん殴ってやる」と宣言した。  帰宅したアントワーヌは、母のジルベルトから

        • 『ある画家の数奇な運命』:2018、ドイツ

           1937年、ドレスデン。6歳のクルト・バーナートは若い叔母のエリザベト・マイに連れられ、退廃芸術展が催されている美術館を訪れた。ガイドを務めた男は、モダンアートを厳しく糾弾した。クルトとエリザベトはバスに乗り、ドレスデンを離れてマイ家へ向かった。  クルトの父であるヨハンはナチ党員になることを拒否し、教師の仕事も家も失っていた。エリザベトはドイツ女子同盟の代表として、アドルフ・ヒトラーに花束を渡す役目を命じられた。彼女は花束を渡してヒトラーを見送り、興奮する仲間たちに取り囲

        『旅立ちの時』:1988、アメリカ

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        • 映画無段・裏門
          230本
        • ハリウッドも認めた異能の映画人・佐野雷次 (note改訂版)
          28本

        記事

          『ハッピー・デス・デイ 2U』:2019、アメリカ

           車で目を覚ましたライアンが大学の寮に行くと、ルームメイトのカーターがツリーとキスしていた。カーターに追い払われたライアンは、理学部の仲間であるドレーとサマーから電話で量子力学研究室に呼び出された。ライアンが研究室に行くと、ドレーたちは昨日の深夜に強力なエネルギーが観測されたことを教えた。  そこへ学部長が来ると、ドレーとサマーは逃げるように去った。学部長は卒論用にライアンたちが作った装置について、「停電を4回も起こし、大学中の電球を割った」と激怒していた。彼は研究の中止を通

          『ハッピー・デス・デイ 2U』:2019、アメリカ

          『ハッピー・デス・デイ』:2017、アメリカ

           9月18日。ベイフィールド大学の学生寮で暮らすツリー・ゲルブマンは、男子寮の部屋で目を覚ました。彼女は前夜のパーティーで悪酔いし、名前も知らない男子学生の部屋に上がり込んでいたのだ。ツリーは住人のカーター・デイヴィスから頭痛薬を貰い、冷たい態度で去る。  彼女が校内を歩いていると、1度だけデートしたティム・バウアーが声を掛けて来た。「メールを返してよ」とティムが告げるとツリーは「返す必要が無い」と言い放ち、罵って去った。  ツリーが女子寮に戻ると、玄関前にいた学生のエミリ

          『ハッピー・デス・デイ』:2017、アメリカ

          『リズと青い鳥』:2018、日本

           湖畔の森で動物たちと暮らす少女のリズは、青い鳥を見つけた。その美しさに目を奪われたリズは、「まるで空を写した湖のよう」と口にした。青い鳥はリズの掌に乗った後、湖に向かって飛び立った。学校に着いた鎧塚みぞれは、少し迷ってから校門の前の階段に座り込んだ。  傘木希美か歩いて来ると、彼女は立ち上がった。みぞれが並んで歩き始めると、希美は青い鳥の羽を見つけて「綺麗」と漏らす。彼女が「あげるよ」と差し出すと、みぞれは薄い反応だったが「「ありがとう」と受け取った。  部室に入ったみぞ

          『リズと青い鳥』:2018、日本

          『過去のない男』:2002、フィンランド

           列車を降りて駅を出た男は、夜の公園でベンチに座った。眠り込んでいた男は3人組の暴漢に襲撃され、金や荷物を奪われた。翌朝、男は駅のトイレに入り、そこで倒れ込んだ。男は病院に搬送されるが、医師は「植物状態になるぐらいなら死なせてやろう」と脈拍を止めた。  しかし男は生きており、病院を抜け出した。男が岸辺で倒れていると、老人が靴を取り替えて去った。近くのコンテナで暮らす兄弟は男を発見し、母のカイザに知らせた。  カイザは男をコンテナに連れ帰り、介抱して食事を与えた。カイザは夫の

          『過去のない男』:2002、フィンランド

          『かくも長き不在』:1961、フランス

           パリ祭の日。テレーズが営むアルベール・ラングロワのカフェは、常連客のフェルナン、ファヴィエたちで賑わっている。テレーズは店員のマルティーヌと2人で、明るく仕事をしている。  恋人のピエールからバカンスの予定を訊かれたテレーズは、故郷のショーリュへ行く予定を話す。ピエールが「地元のバンヌから近い。一緒に行こう」と誘うと、彼女は「いいけど、長くても1週間よ。いつも1日か2日で飽きて、この店が懐かしくなる」と告げた。  バカンスに入って住民は次々に町を去り、カフェの客も少なくな

          『かくも長き不在』:1961、フランス

          『アンネの日記』:1959、アメリカ

           オットー・フランクはアムステルダムを訪れ、以前に隠れ住んでいた建物を訪れた。そこへ旧知のクラーレルとミープが来て、「無事で良かった」と告げる。ミープが自分の家で休むよう勧めると、オットーは「アムステルダムにはいられない。思い出が多すぎる」と断った。  彼が「アンネにノートを探すよう約束した」と言うと、ミープは「日記なら元の場所に」と教える。オットーはミープからアンネの日記を受け取り、ページを開いて読み始めた。  3年前の1942年、ユダヤ人のアンネ・フランクはナチスから逃

          『アンネの日記』:1959、アメリカ

          『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』:2019、アメリカ

           朝、大人気のミステリー小説家であるハーラン・スロンビーの邸宅。専属看護師のマルタ・カブレラがコーヒーを持って行くと、ハーランは寝室にいなかった。彼女が書斎へ行くと、ハーランは死んでいた。それから1週間後、マルタが自宅にいるとハーランの次男のウォルトから電話が入り、警察が改めて話を聞きたがっているので屋敷に来てほしいと言われる。  車で屋敷へ赴いたマルタは、ハーランの長女のリンダたちに会う。リンダの夫のリチャードは息子のランサムと電話で話しており、「葬儀も欠席で今日も来ない」

          『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』:2019、アメリカ

          『ジョジョ・ラビット』:2019、アメリカ

           第二次世界大戦中のドイツ。10歳のジョジョはヒトラーユーゲントに入隊し、特別週末キャンプに参加することになった。不安を覚えた彼は、イマジナリー・フレンドのアドルフ・ヒトラーに相談した。ジョジョはアドルフに「お前は軟弱で人気も無いが、ナチスへの忠誠心はピカイチだ」と励まされ、元気に外へ飛び出した。  親友のヨーキーと合流した彼は、キャンプ場へ赴いた。大勢の子供たちが軍服姿で集合すると、キャプテンKの異名を持つクレンツェンドルフ大尉が挨拶した。彼は戦争で右目の視力を失ったが、射

          『ジョジョ・ラビット』:2019、アメリカ

          『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』:2019、アメリカ

           クロケット高校3年生のモリーとエイミーは幼馴染で、卒業式を翌日に控えていた。モリーはイェール大学、エイミーはコロンビア大学への進学が決まっていた。生徒会長を務めるモリーはエイミーを伴ってブラウン校長の元へ行き、年度末の予算について相談しようとする。  ブラウンが面倒そうに「副会長のニックに話せ」と言うと、モリーは「ニックはプロムの企画のために立候補しただけで無能だ」と話す。しかしブラウンはモリーとエイミーの話を聞かず、校長室から追い出した。  ニックは人気者で、モリーがト

          『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』:2019、アメリカ

          『ブラック・クランズマン』:2018、アメリカ

           白人至上主義者のケネブルー・ボーリガード博士は講演を行い、黒人とユダヤ人を激しく罵った。1972年、黒人のロン・ストールワースはコロラド・スプリングス警察を訪れて警官の面接試験を受けた。黒人警官は前例が無く、アドバイザーのトゥレンティーンは酷い侮辱に遭うリスクを教える。  ロンが「必要なら我慢します」と約束すると、トゥレンティーンは採用を決めた。ブリッジス署長はロンに、「支援はするが、限界がある。重荷は独りで背負うつもりでいろ」と告げた。  資料課に配属されたロンは、黒人

          『ブラック・クランズマン』:2018、アメリカ

          『アデル、ブルーは熱い色』:2013、フランス

           パスツール高校2年生のアデルは仲良しの3人から、「トマが夢中よ」と言われる。アデルもトマの視線を分かっており、意識していた。バスで一緒になった時、アデルはトマに話し掛けられた。3年生のトマは、「卒業したら音楽の仕事がしたい。レーベルを立ち上げて、プロダクションを作る」と言う。彼は現在も、アマチュアで複数の楽器を演奏していた。  アデルが「音楽は好きだけど、ハードロックだけは好きじゃない」と告げると、トマは軽く笑いながら「やってるのはハードロックだ」と口にした。アデルはトマと

          『アデル、ブルーは熱い色』:2013、フランス

          『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』:2018、アメリカ

           13歳でエイス・グレード(8年生)のケイラ・デイは、ユーチューブに「私みたいな子に送る人生の秘訣」のタイトルで幾つもの動画を投稿している。彼女は学校で無口と思われていること、でも友達のように話し掛けてくれれば面白い子だと分かってもらえることを語った。動画の視聴回数は、全く増えていなかった。  8年生の最後の1週間になり、ケイラが通うマイルズ・グローヴ中学では教師のローチが各最優秀賞を発表した。 ケイラは無口賞に選ばれ、すっかり落ち込んだ。  6年生の時に埋めたタイムカプセ

          『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』:2018、アメリカ