お笑いの話。3話。
楽屋でお笑い事務所独自の制度。
救済措置について先輩に話を聞いた。
「救済措置ってのはチケット販売やイスや照明の用意」
「後はトークコーナーのお題を決めたり」
「構成作家のような技術スタッフのような」
「まあ、劇場の準備をする事って考えればわかりやすいかな」
「ちなみに、1日3000円」
「後、その日に劇場で出番がある人だけ」
「暇な芸人は待ち時間が長いから有効活用するべきだと新しい支配人が言っていてね」
「でもそんな事、誰も率先して参加なんてしないよ」
え!?なぜですか?
「1日って言っても朝早くから夜遅くまで」
「そんな事ならバイトの方がましってなってね」
「最近はそもそも劇場でネタをする必要があるのかって若手で話題になっていて」
「前の話だけど舞台の維持費はタダじゃねー!」
「だから舞台に上がりたければ参加費を払えって」
「参加費を払ってまで舞台に上がってたらしいよ」
「そしたらというか案の定、若手からベテランまで批判されて」
「そしたら支配人は何と言ったと思うよ?」
支配人ですか?舞台の参加費を安くしたとか?
「違うんだなーそれが」
「テレビやメディア関係のお偉いさんを呼んでる日もあるから舞台に参加した方が言いぞってね」
どういう事ですか?
「つまりあの芸人は面白いってなれば早くに売れる近道になるってこと」
ああ、そういう事か。なるほど。
でも誰が、どの人かお偉いさんかわからないですよね。
特に若手なんて。
仕事で一緒になったスタッフの人ならわかるかと思いますが。
「そう、そういう事」
「舞台の参加費は廃止になったけど結局、客席にお偉いさんがいるかは誰もわからない」
「けどさー、せっかくネタが面白いか面白くないか試せるチャンスの場なのに劇場に参加しないのはもったいないと思うけど」
劇場に参加しない若手はどうしてますか?
「さあ。どうだろう」
「お笑い芸人って先輩が後輩にご飯をご馳走する風習あるじゃない?」
「でも売れてない先輩が売れてる後輩に何で飯をおごらなくちゃならないんだーって意見があって」
「それで先輩と後輩という間が今ではもうグラグラに」
「まあどっちもどっちってとこなのかなとは思うけど」
え!?じゃあ先輩は仲がいい後輩いないんすか?
「そんなストレートに聞く!?」
「たまに飯いくぐらい」
「その後輩は劇場にあまり来ないけど」
その後輩さんはお笑いやめるつもりですか?
「そうとは言ってなかったな」
「年に数回大規模なお笑い賞レースあるじゃない?」
「それで優勝するって」
それならネタを試せる劇場に参加した方が良くないすか?
「そうなんだよなー。けど客席は笑いがわかってないって」
マジすか。
「ネタは面白いんだけど少しばかりとがっていて」
へぇーそうなんですね。
「そういえばコンビじゃないの?相方は休み?」
「それともピン芸人?」
前まではコンビでしたけど今はピン芸人です。
「そうかー。コンビ解散ってつらいよな」
そうですね。事務所所属が決まったときはコンビでしたけどいざとなったら相方が突然やめるって言って。
「マジか。どうしたの」
やっぱり安定した方がいいって事でそのまま解散ってなりました。
「そうだよなー。芸人は安定しないからなー」
『まもなく舞台始まります』
「オープニングは全員参加だから」
「客席全員笑わせようぜ」
夢はnoteの売上でキャンプすることです。 後、ニンテンドースイッチです。 後、書籍化です。