見出し画像

人を見る目の話

当時 mixi に書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。

=2009.02.03の日記=
「人を見る目の話」

人を見る目があるのは、人を信用する人と信用しない人、どちらだと思いますか?


NHKの「サイエンスZERO」のシリーズに「ヒトの謎に迫る」というのがあって、先日その第3回が再放送されていました。タイトルは「実験で解き明かす!心に潜む仕組み」。そこで興味深い実験が紹介されていました。それが冒頭のクエスチョンです。

どのような実験だったかは省略しますが、結論から言うと、人を見る目があるのは、人を信用する人だそうです。

その理由を番組はこう解説してました。人を信用する人は、たまに騙されたりするけど、そういう経験を積むことによって、人を見る目が養われる。一方、人を信用しない人は、相手が良い人だろうが悪い人だろうが誰でも信用しない。だから、いざ悪い人が言葉巧みに近寄ってきた場合、その人が良い人か悪い人か見抜くことが出来ない。そういうことだそうです。

人を信用する人は騙されやすいから、人を見る目がないのだろうと思ってたけど、どうやら違うようです。面白い結果だと思いました。

ここからさらに興味深かったのが、世界数十カ国で行なったアンケート。

「たいていの人は信頼できる人である」
 アメリカ47% 日本26%
「人はたいがい他人の役に立ちたがる」
 アメリカ47% 日本19%

え?という結果でした。日本は世界の中でも他人を信頼しない度合いがダントツなのだそうです。これもまた意外。日本人の美徳は人を信用することにあると思っていたのに・・。

どうやらそれは、これまでの日本の中だけに通用するものだったようです。急激なグローバル化によって日本も否応なく世界と向き合わなければいけない時代になってきました。今までのように日本だけではなく世界を相手に考える必要があり、それがこんな結果を生んでしまったのかもしれません。

ここまでが番組の内容。ここからは私の感想です。

人を信用する人は、言い換えれば「開いている」人だと思います。人を受け入れて、騙されたりもするけど、それは「外に開いている」からです。

人を信用しない人は、言い換えれば「閉じている」人だと思います。外界をシャットアウトすることによって、自分を守ろうとしている人。

そう考えると今の日本人はまさに後者。

日本の中だけで閉じてしまって、でも世界と向き合わざるを得なくなって、戸惑っている状態が今なのだと思います。それがアンケートの結果に反映されているのでしょう。

でも未来は分かりません。いろんな人種が行き交うアメリカもここまでになるのに長い時間がかかったはずです。私たち日本人は今、グローバル化という名のスタートラインに立っているのかも。今はまだ人を見る目がないヒヨッコかもしれないけど、私たちの子どもの世代ではきっと違うはず。

私たちは日本の歴史上初めて、人を見る目を養うイシズエとなる世代なのかもしれません。大変だけど自分を外に開いていろんな人と交流して経験を積み重ねたい。

次の世代が、人を信頼する人になるように。
人を見る目を持てる人になるように。



↓ 「人を見る目の話2」も書きました ↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?