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「旅する土鍋2018」ケッパーの花とつぼみ
「黒オリーブはガエター産か?」と刑事が聞くと「もちろん!カッペリ(ケッパー)はパンテレッリーア島のものだ」とレストラン店主が応えるシーン。黒オリーブやケッパーを入れる料理「タコのルチアーナ風」をオーダーするシーンだけで唾液があふれてくる。
上記は「刑事モンタルバーノ」というイタリアの刑事ドラマのワンシーン。毎回出てくる食事のシーンが好き。気の利いた会話がなされるのがイタリアならでは。
(IL COMMISSARIO MONTALBANO モンタルバーノ~シチリアの人情刑事)
ケッパーのつぼみを炒めて食す
カラブリアの家族が、見たこともないほど大粒ケッパー(あの粒は花のつぼみなのだ)と、トロペア産の赤タマネギ、自宅農園のトマトで、炒め物をつくってくれた。塩漬けでないケッパーは芽キャベツに似た甘さと苦みがおいしい。花になりたかったろうか?そんなことを考えながら噛みしめる。フレッシュな青さと花の甘い香りを味わいながら、つぼみを食べるといえばミョウガも。香りの良さは負けず劣らず。
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たまたま花の季節トスカーナで撮った写真を見てみよう。スモークサーモンの上に乗っている緑色の小さな粒、あれは花が咲く前のつぼみ。一般的にカッペリ(ケッパー)というもので、花の下に見える小さな丸粒がそれ。そして右下にある長細いのが実でククンチ(ケッパーベリー)といい、これも塩漬けや酢漬けにして食べられる。
南風と強い太陽の光をあびて
岩の洞窟の街マテーラ(バジリカータ州)でも力強く生きるケッパーの群集を見かけたが、湿度を嫌い北風が嫌いな植物は、岩からもぐんぐん生えてくる。雑草のようなもので、道端にもそれを見かけたりするのだが、土というより、壁やレンガにぶら下がっていることが多い。
爬虫類がケッパーの実をたべて糞をして種をまき、そこから芽を出し…。本当なのかな、ああ、おもしろい。
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ケッパーの変化球と皮肉なおしゃべり
変化球の多いケッパーを誇らしく大笑いしながら語る。イタリアの会話はかなりの変化球に富んでいる。相手の球をよみ、どう投げ返そうか考えてしゃべるのがおもしろい。皮肉や言い合いもそのひとつ。いつも半分くらい冗談を入れてしゃべる。仲直りの言葉にも、変化球と直球をいい塩梅に混ぜて。
ケッパーのつぼみを味わいながら、そんなことを思う夏の日。
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