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2024年1月の記事一覧

古澤健監督『STALKERS』

古澤健監督『STALKERS』

Stranger 映画館で古澤健監督の「Stalkers」を観た。 支配人の岡村忠征さんが昨年のベストワンに推す映画であり、彼がStrangerの運営から1月末で離れるとの事で、そのフィナーレを飾る映画でもあるので、そこに岡村さんの想いや下心があるのではと思いながら、急遽伺う事にしました。
現地には岡村さんだけでなく、監督の古澤さんもいらっしゃり、岡村さんか「面食らうと思いますよ」と声掛けられ、こ

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「ミツバチのささやき」/ビクトル・エリセ

「ミツバチのささやき」/ビクトル・エリセ

1983年 ゴダールの「パッション」を皮切りに、ヨーロッパのアート系の映画を数多く上映し、ミニ・シアターブームを牽引したシネ・・ヴィヴァン六本木の8番目の作品として、上映された映画。調べてみると当時、この映画は単館シネヴィヴァンでの公開時だけで、5万人弱の人が見たそうです。もうすぐエリセの31年ぶりの新作「瞳をとじて」が公開されるので、40年ぶりにこの映画を見てみます。
大きなカップを小さな手で持

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「枯れ葉」 アキ・カウリスマキ@ストレンジャー映画館

「枯れ葉」 アキ・カウリスマキ@ストレンジャー映画館

フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ。2017年の突然の引退宣言から、復活した最新作。
シンプルなストーリーですが、賞味期限切れのパンを持ち換えろうとしてスーパーのパートを首になった女性とアル中で金属工場を首になった男性のラブ・ストーリー。労働者を描いた「プロレタリアート三部作」の延長線上にある作品と言えます。
カウリスマキ独特の役者は無表情、セリフは棒読みが何とも言えぬ情感を醸し出す、正に“沁み

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アナザー・ラウンド/トマス・ビンターベア監督作品 レビュー@note

アナザー・ラウンド/トマス・ビンターベア監督作品 レビュー@note

最近、たて続けに見たデンマーク人監督トマス・ビンターベアの作品。
なぜこの監督に興味を持ったかと言うと僕の大好きなラース・フォン・トリアーらと共に、「純潔の誓い」と呼ばれる、映画を製作する上で10個の重要なルールを決めるという デンマークにおける映画運動【ドグマ95】を立ち上げた人だから。
 本作は、仕事でも家庭でも倦怠感、無力感の”中年の危機“に直面した4人の男性高校教師が『「人間は血中アルコー

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