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冒険者の一歩を導く不安と隣り合わせの自由な時間
挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は新潟県十日町にてギルドハウス十日町を営まれている西村 治久さん。ソーシャル隠居をしつつ冒険者を支えるに至った背景や想いを伺いました。
── 西村さんのご活躍についてお聞かせください。
隠居しております。
── インタビュー、終わっちゃいました(笑)
実は隠居してから社会との繋がりや広がりが生まれたんです。私はそれをソーシャルな隠居と呼んでいるので、もう少し深掘りして聞いていただければ(笑)
── では続けていただけますか?(笑)
思い返せば40歳で会社を辞め、そこからが自分の新しい生き方の始まりだったんです。StartupWeeeknd(以下SW)に出会い、ギルドハウス十日町と名付けたシェアハウスが始まり、他の誰かの価値になるような人生が幕を開けたんです。
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── ギルドハウス十日町?
ここは新潟県の十日町に構えた「次なるステージに旅立ちたい」と願いを持つ冒険者が集う場所なんです。人生の夏休みと言いますか、活力を得よう、そんな人たちが全国からも海外からもいらっしゃいます。最短では一週間、長い方では四年以上滞在されています。
── そういった血縁関係のない方々との住まいをデザインされようと思ったのはどういった想いからでしょうか?
そんな方々との出会いから自分の人生が面白くなることを願いつつ、そしてまた共に過ごすことでみんなの人生を面白くするようにしたい、そんな想いがあって運営しています。
── 先程冒頭でSWの名前が登場しましたが、アイデアをカタチにする週末とソーシャルな隠居はどんな風に結び付いていらっしゃるんでしょうか?
話せば少し長くなるんですが、私のSWとの出会いは2013年9月でした。当時、私は新しい働き方を探してコワーキングスペースに出入りをしていたんです。その際に偶然にもSWに出会って、人と人との繋がりに溢れていて、新しい広がりが出来るんじゃないかという期待感でいっぱいになったんです。
── 人と人との繋がり。
コミュニティですね。もちろんイベントはコミュニティを活性化させるためのフックではありつつも、日常的な活動の中で、いろんな物事が起きるように、日常と非日常をシンクロさせていく感覚を養うことが出来たんです。
── 日常と非日常のシンクロ。
例えば、自分が新潟の山奥で隠居していてもコミュニティと接続されていると、普通に過ごしていても情報や連絡が無数に入ってくるんです。「イベントを開催するので来てください」とか「お世話になった○○ですが、改めてご相談させてください」とか、いろんな物事が自然と運ばれてくるんです。
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── コミュニティを通じて西村さんの人生が大きく変わったことに感銘を受けました。そんなコミュニティを活性化させるためには何が必要でしょうか?
実は私の中ではいくつか条件があるんです。それは「本気」と「本音」と「思いやり」です。
── 解をお持ちでいらっしゃるんですね。その心を聞かせていただけますか?
本気同士がぶつかることで新しい物事が生まれるということは、誰もが共通の認識だと思うんですが、そこに遠慮や下心があっては中々前には進まない。
── 熱が伝わらない。
自分の想いを自分の言葉で伝えること、それこそが本気を担保すると思うんです。相手の顔色を伺ったりとか、様子を伺ったりとか、自分自身を抑え込んでいてはぶつかり合わず火花が散らない。
── そして最後の「思いやり」とは?
よし、じゃあみんなが「本音で本気でぶつかろう!」となってしまうと、やっぱり辛いじゃないですか(笑)怒りの感情をストレートに伝えられたり、理不尽をぶつけられると簡単に受け止められないじゃないですか。だからこそ、相手への思いやりを持った上で、自分の本音を曝け出し、本気で相手と向き合う、そんな関係性が大事だと思うんです。
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── そんな風に本音で本気で思いやりを持ってぶつかり合う中で、アイデアをカタチにするには何を心掛けるべきでしょうか?
タクトさんの質問の意図とはずれるかもしれませんが、実現されたアイデアは本当に価値があるのかどうかを改めて問い直させてください。
── その心は?
アイデアをカタチにしようという掛け声があるので、アイデアを実現することが大事と誰もが無意識に感じていらっしゃるかもしれませんが、私は「アイデアをカタチにしようとするプロセスに価値がある」と常日頃から感じているのです。
── 実現したアイデアには価値がないのかもしれない、との切り口は新しいですね。その考え方に至ったエピソードなど、お持ちでしょうか?
会社を辞めた後、私は頭の中にあったアプリを実現しようと動き始めたんです。そうして全国を旅する中で様々な出会いがあり、アイデアを検証する中で見事に方向性がブレていったりと、様々なことが起こったんですね。今から思い返してみると妄想段階のアイデアだったので、そうなること必然だったかもしれませんが、面白いことにそのアイデアをカタチにする旅路の副産物としてギルドハウス十日町が生まれたんです。
── アプリを作ろうとしてソーシャル隠居が始まったと(笑)
私はこの経験を経て感じるようになったんです。最初の想定や計画にこだわり過ぎず、プロセスを楽しむこと。そこから生まれる外れ値にプライスレスな価値があるんだと。
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── 想定外に身を委ねることの大事さを感じずにはいられません。そんな驚き溢れるアイデアをカタチにするプロセスを支える人はどのような心掛けを持つべきでしょうか?
究極的には何もしないことが大事だと思うんです。このギルドハウス十日町は八年目になるんですが、一万人近くの様々な冒険者がやってきました。皆さまを見ていると、「子供は勝手に育つ、親がなくとも」という言葉を思い出さずにはいられないんです。
── 勝手に育つ。
かといって無関心で放置するわけではないんです。かといって見守るという上からでもないんです。冒険者は自由な時間を与えられれば、重い腰を上げて勝手に動き出すんです。
── どういったニュアンスでしょうか?
例えば、ある人がやってきて「こんな人を紹介してください!」とお願いをしてきたとします。多くの人は「うってつけの人がいるから紹介するね!」とお繋ぎをするかもしれませんが、自分の場合は「面白いね!やってみたら!」で終わらせるんです(笑)
── 敢えて世話を焼かない(笑)
あれこれこっちで言ってしまうと、余白を消してしまう。選択の余地がなくなってしまって、行動の自由度が減ってしまう。だからこそ、道筋だけを示して、遠くから応援してあげるような、そんなイメージです。その人が自分に頼らずやりたいようにやらせる、と言い換えられるかもしれません。
もちろん、そんなスタンスで接すると、すぐには結果は出ません。けれども、そうやって接することで行動が起こり始めたなら、きっと何かの新しい出会いが生まれて、将来的にまた何か別のことに繋がっていくと信じています。私がギルドハウス十日町に辿り着いたように(笑)
── 手ほどきせずに、どの方向に進むべきかを伝えることが大事、素敵なアドバイスをありがとうございます。次は、冒険者の皆さまにメッセージをいただけますか?
続きは下記よりお読みください。
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