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スコセッシ新作に臨んで、過去の名作をポスターで振り返ると見えてきた凄さ(1976年〜)
たった一枚の画像から
映画の見所や印象を想起させる。
映画ポスターが好きです。
![](https://assets.st-note.com/img/1698369710493-CEsar1omqh.png?width=800)
マーティン・スコセッシ監督の新作
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が
公開されています。
至極当然、論を俟たず、当たり前に
観に行くのは言わずもがなで大前提なんですが、
監督が作り上げた数々の名作を
いま一度振り返って
その達人級の手腕に思い巡らし
改めて最新作に臨むというのも
悪くないんじゃないでしょうか?
個人的に大好きな映画監督の一人です。
どうぞご一緒に、
映画ポスターの想起性にあやかって
しみじみと、鑑賞当時の感動を回顧しましょう。
クリエイターの方々に感謝を申し上げて。
※比較的ポスターが多く描かれた作品より
取り上げています。
▼タクシードライバー(1976年)
スコセッシとデ・ニーロの黄金コンビが始まる。
![](https://assets.st-note.com/img/1698371047940-a3yTHXlixs.jpg)
際立つのは孤独感。
70年代の退廃したニューヨークを走る
独りのドライバー。
![](https://assets.st-note.com/img/1698371250138-MlNvkAE0Eq.jpg)
戦争の後遺症による深刻な不眠。
![](https://assets.st-note.com/img/1698371383091-PbLkOD1Gf7.jpg)
どうしようもない「孤独」。
観客に共感するものが多分にあった。
![](https://assets.st-note.com/img/1698371519833-jgi8T8O7jf.jpg)
次に浮かび上がってくるのは
「目線」
![](https://assets.st-note.com/img/1698371591982-eepSLWH3t2.jpg)
ルームミラーという
狭い範囲の視界から、
世の中を眺める。
![](https://assets.st-note.com/img/1698371641109-UTUcHJTo7I.jpg)
映画を見る時ですら、
直視はしない。
![](https://assets.st-note.com/img/1698371765613-DEMSTBPeXV.jpg)
片目を瞑って見つめるのは
![](https://assets.st-note.com/img/1698371840056-9N1OlOSTol.jpg)
鏡の中の自分。
銃口を向ける先も、自分。
![](https://assets.st-note.com/img/1698371929439-9FZiymWoNH.jpg)
その銃が、タクシーと重なる。
![](https://assets.st-note.com/img/1698371998666-UdAOhizyqr.jpg)
このジェスチャーが
![](https://assets.st-note.com/img/1698372132916-3hC3fRHqAa.jpg)
こんなにカッコよく見える魔法。
![](https://assets.st-note.com/img/1698372241947-nIzn7sMYZ3.jpg)
崩壊していく。
![](https://assets.st-note.com/img/1698372397620-risq0Fu5xq.jpg)
何重にも重なる
自分の像。
![](https://assets.st-note.com/img/1698372284834-n52nzgUCya.jpg)
それが、とある一点を
見つめることになる。
![](https://assets.st-note.com/img/1698372540616-GWlC30DCqS.jpg)
揺るがない視線の向かう先は———
▼レイジング・ブル(1980年)
![](https://assets.st-note.com/img/1698380468312-7kohLdMGWe.jpg)
実在のボクサーの栄光と破滅の半生。
![](https://assets.st-note.com/img/1698380512906-nI6MdXpoLh.jpg)
描かれたポスターの数としては
少し見劣りするけど
![](https://assets.st-note.com/img/1698380571662-byiuaEXfkj.jpg)
優れた筆致によって
鬼気迫るリングの雰囲気が
![](https://assets.st-note.com/img/1698380635525-YibECnloD5.jpg)
蘇るよう。牛だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1698380704151-1EYYXBxiJC.jpg)
「怒れる雄牛」は栄光を手にする。
![](https://assets.st-note.com/img/1698380669222-YtEhrTYSp7.jpg)
どこか孤独だ。
▼キング・オブ・コメディ(1982年)
![](https://assets.st-note.com/img/1698380923754-3cbgiKTmLg.jpg)
コメディアンを夢見る主人公は
強引に自分を売り込んで行く。
![](https://assets.st-note.com/img/1698381750568-vTlGor4Zxr.jpg)
興行的には振るわなかったものの
黒澤明、松田優作ら業界人の評価は高い。
![](https://assets.st-note.com/img/1698381086174-id1HYYASSH.jpg?width=800)
その豊かすぎる表情は
![](https://assets.st-note.com/img/1698381304996-CLDZrP65ds.jpg?width=800)
デ・ニーロの幅広い演技力を
裏付けつつも
![](https://assets.st-note.com/img/1698381513702-65NSZD9772.jpg)
物語においては悲しい側面も
際立たせる。
![](https://assets.st-note.com/img/1698381703378-OI1ABBF3mK.jpg)
妄想の歯止めがきかなくなり
![](https://assets.st-note.com/img/1698381432702-OQLkTmSdCo.jpg?width=800)
自分と外の境界も曖昧になり
![](https://assets.st-note.com/img/1698382240623-NK2mxHnepN.jpg)
何かが凶器に変わる。
狂気?
![](https://assets.st-note.com/img/1698382282361-ISntrukyH4.jpg)
含蓄のあるラストでした。
▼グッドフェローズ(1990年)
![](https://assets.st-note.com/img/1698382877450-9NFYHmDlMV.jpg)
直訳すると「気の置けない友達」
マフィア界の隠語では
「自分と同じ組織の所属にある者」という意味
![](https://assets.st-note.com/img/1698384601668-GbRnu24n9H.jpg)
裏社会に独特の絆で出来上がった
3人の異質な格好良さ。
![](https://assets.st-note.com/img/1698384811934-jA3DIhlyTA.jpg)
暗く浮かび上がる、友情。
そのあたり強調される描写が多い。
![](https://assets.st-note.com/img/1698384886044-aJGJ9faFPt.jpg)
暴力を共にする結びつき。
![](https://assets.st-note.com/img/1698384957071-rKcTGm08MK.jpg)
ゾッとする、けどカッコいい。
印象的なシーンが蘇ってきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1698385112126-UrVlUVxN0p.jpg)
忘れられないシーンと言えば、
トミーの冗談。
みんなにつられて一緒に笑ってたら、
![](https://assets.st-note.com/img/1698385182708-HwxPX0Kk4H.jpg)
「何がおかしい?」
・・・ステッカーになっているほどの
印象的なセリフ。
急に真顔になって
「なあ、何が面白いんだ?」
と迫ってくる恐怖。
![](https://assets.st-note.com/img/1698385327043-1hlpG7IDjB.jpg)
右下に映るヘンリーの
引きつった笑いがまた絶妙でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1698385393367-mw5YYNZZ51.jpg)
そして暴力。
![](https://assets.st-note.com/img/1698385431230-18wseMfQWj.jpg)
暴力。
![](https://assets.st-note.com/img/1698385457268-9JVO5vISVI.jpg)
金、銃。
![](https://assets.st-note.com/img/1698385508735-acjAu7PdcT.jpg)
暴力の力で、飛び回る。
![](https://assets.st-note.com/img/1698385768763-Gxxwy6OQN2.jpg)
その行く先は———
![](https://assets.st-note.com/img/1698386118294-qWxq49pLLK.jpg)
まとめ
この記事を書き始めてから、
次から次へと素晴らしいポスターが
見つかってしまったのと、
監督が込めた映画への多大な思いに
触発されたようで
気づくと物凄い文量となっていました。
いったんここで区切り
一息つかせていただきます。
一人の名匠の来歴を振り返るのは
並大抵のことじゃなかった。
他にも思い出したい作品が
まだまだありますね。
あなたの記憶に潜む
とっておきの場面は
思い出されましたか?
ご覧頂きありがとうございました。
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ここまでお読み頂きありがとうございました。 こちらで頂いたお気持ちは、もっと広く深く楽しく、モノ学びができるように、本の購入などに役立たせて頂いております。 あなたへ素敵なご縁が巡るよう願います。