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【いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世[教養編]】情報量は十分な日本史学習書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜入門書ではない〜

僕はいわゆる履修漏れ問題をモロにくらった世代で、高校の時に理数系の特進クラスにいたため、高校3年間において日本史を含む歴史全般を全く習わなかった。

大人になってから、歴史に関する事を全く知らないことに焦りを感じた僕は、とにかく日本史や世界史を勉強したいと思い、大人の学び直しになるような日本史世界史の本を探していたところ本書に出会った。

一通り読み終えたものの、僕のような初学者に近いような人間が読むには少し難しく感じた。
というのも、各時代の成立から発展、衰退までのほか、各時代の文化や産業の発達まであらゆるところをこと細かく解説している。
本文の中で太字になっている言葉の中で8割ぐらいは知らない言葉だった。

それもそのはず、本書はもともと「大学への日本史」というタイトルの本がリニューアルされたもので、高校までの日本史の知識(しかも深いレベル)を前提とした内容なのだ。
正直、決して入門書と呼べるような内容ではない。

表紙の帯には「ビジネスや社交の教養には、この一冊だけで十分だ」と書いているが、「そりゃそうだろ」と思うほどの情報量である。
一回読んだだけでは到底頭には入らないが、確かにこの一冊を極めれば日本史の知識は怖いものなしだろう。


〜娯楽で読む一冊でもない〜

また、日本史を娯楽的に学ぶ内容でもない。

日本史好きの人は、いわゆる武将とか○○の乱とかの戦国時代が好きな人が多いイメージなのだが、そういう楽しみ方を期待するとがっかりするだろう。

本書はがっつり学習参考書なのであり、各時代の政治や行政の仕組みなどに重点を置いている。
つまりは学問としての日本史を学ぶ一冊なのである。

知識としてしっかりと日本史を学びたい人にはこの上ない一冊となるだろうが、エンタメとして楽しみたい人にはオススメできない。


〜日本史を深く知るには最適の一冊〜


日本史の知識がゼロに近い僕にとってはかなり難しい内容ではあるが、幕府の成り立ちやなんとなく言葉だけ知っていた当時の政治の仕組みなど、知識が整理された部分も多い。

確かに読み込めば大きな力となる一冊だろう。

実はこの後に同シリーズの「近代・現代[実用編]」が待ち構えている。
こちらも心して読んでいこうと思う。

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