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映画解釈・考察

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【映画解釈/考察】『寝ても覚めても』/『ドライブ・マイ・カー』「不条理な世界の存在として、それでも言葉の世界で生きようとする者たち」

【映画解釈/考察】『寝ても覚めても』/『ドライブ・マイ・カー』「不条理な世界の存在として、それでも言葉の世界で生きようとする者たち」

『寝ても覚めても』(2018)濱口竜介監督
『ドライブ・マイ・カー』(2021)濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』を扱った以前の記事で、『ドライブ・マイ・カー』は、不条理な世界を認めざるを得ない一方で、それでも言葉による新たな物語を創出して生きていく人々を描いた物語であるという解釈をしました。

 そして、『ドライブ・マイ・カー』を見た後、再度、『寝ても覚めても』を見返してみると、非常に多くの共

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【映画解釈/考察】『コーヒーをめぐる冒険』(2012) 「現代ドイツとコーヒーをめぐる冒険の先にあるニコの違和感の正体」

【映画解釈/考察】『コーヒーをめぐる冒険』(2012) 「現代ドイツとコーヒーをめぐる冒険の先にあるニコの違和感の正体」

『コーヒーをめぐる冒険』(2012) ヤン・オーレ・ゲルスター監督

『コーヒーをめぐる冒険』は、ヤン・オーレ・ゲルスター初監督作品で、ドイツアカデミー賞の監督賞、脚本賞、主演男優賞などを獲得した2012年のドイツ映画です。

村上春樹の『羊をめぐる冒険』に似た邦題がつけられた本作は、90分の尺で、コンパクトな映画ですが、全編モノクロで、映画好きな人を確実に魅せるためのエッセンスが凝縮されて

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【映画解釈/考察】『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 』(2014)  「ロラン・バルトの白いエクリチュールと空に溶け込むバードマン」

【映画解釈/考察】『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 』(2014) 「ロラン・バルトの白いエクリチュールと空に溶け込むバードマン」

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014) アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督
本作は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の、アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞などを獲得した2014年の作品です。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督といえば、『アモーレス・ぺロス』や『バベル』などの群像劇が多いイメージでしたが、本作を含め『BIUTIFUL ビューテ

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