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❓❕【哲探進歩/てったんしんぽ】❕❓…12歩目(タイの人たちのビジネスマインド)

🐾12歩目(タイの人たちのビジネスマインド)🐾
(「散歩」で気づきを得て、「探究+哲学」で考察を重ね、「進路」で学問・仕事と結びつける)

「散歩…気づきの土台・地面」
タイで生活していて、商売の姿勢にタイの人たちの創意工夫というか、たくましさみたいなものを感じることがある。それは様々なお店が並ぶ通りの一角に、ハンガーラックが置かれ、そこに「色とりどりの服」がかけられている光景であった。その服たちは売り物で、「20バーツ~」という表示もついていた。

「探究<課題の設定>…気づきの芽」
しかし、このハンガーラックを設置している人は、自分の店の前のスペースを使っているということではなく、後ろのお店は閉まってはいたが関係のないお店のようだった。こうして商品である服を用意している光景も見かけたことがあるが、車などで運んできて、屋外のこういった場所に並べているのである。これを見て、私の頭の中には「なぜ、わざわざこのような売り方をしているのだろうか(❓)」という疑問が浮かんできた。

「探究<情報の収集>…気づきへの無機養分」
この光景と全く同じとはいえないかもしれないが、売り方が特徴的な他の例も思い浮かんできた。一つは、「落花生」売りの人である。全員がその売り方ではないものの、私の記憶にある落花生売りは、自分のバイクの前に大きめのカゴを設置して、そこに小分けした落花生の袋をぶら下げているのである。しかもその人は、バイクに乗ったまま、接客をしているのである。

もう一つは、私が頻繁に利用するカフェは、コンビニやガソリンスタンドと併設されていて、そのトイレに入ると、トイレの個室に不思議なものが置かれている光景である。置かれているものは、「エンジンオイルのボトル(持ってみたが、中身は入っていないようだった)」である。他の個室も確認してみたが、すべての個室に置かれていた。それだけでなく、洗面台にも置かれているし、小便器のスペースにも置かれていた。

「ハンガーラックの服」にしても、「バイクの落花生」にしても、「トイレのエンジンオイル」にしても、とにかく不思議な光景である。

「哲学…気づきへの水」
「この世で成功する人とは、立ち上がって、自分が望むような状況を探し回り、もし見つからなければそれを創り出す人だ。」
これはアイルランドの文学者・劇作家であるジョージ・バーナード・ショーの言葉である。彼は現在のイギリス労働党の前身である「フェビアン協会」のメンバーとして活躍したことでも知られる。フェビアン協会は社会主義の実現を階級闘争のような急進的な方法ではなく、ポエニ戦争においてカルタゴの猛将ハンニバルに対して持久戦を展開して料理したローマの将軍クィントゥス・ファビウス・マクシムスの如く、粘り強い姿勢で社会主義を実現するという「社会民主主義」を掲げて活動していた。バーナード・ショーの言葉からは、そんなフェビアン協会の粘り強い信念が感じ取れる。また、状況の好転というものはただ受動的に待っているだけでは訪れるものではなく、状況は自分の行動によって変わるものであって、そうして行動を起こしたときには、既に新しい状況や新しい価値が創造されているので、それが成功に必然的に繋がっていくということも分かる。

この言葉に通ずるものとして、リクルートの創業者である江副浩正さんの言葉、リクルートの旧・社訓がある。

それが「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」である。
この言葉も、自らが能動的になることで、機会は生み出され、それが自分を取り巻くあらゆる状況と自分自身を変えていくことができるというメッセージがはっきりと打ち出されている。

「探究<整理・分析>…気づきの剪定」
私はここまでの内容も含め「ヴェン図」を使いながら、考察をスライドにまとめることにした。

「ハンガーラックの服」、「バイクの落花生」、「トイレのエンジンオイル」の3つの商売における共通点は、「創意工夫で機会を創造している」ことだと考える。いずれも、普通に店を構えてお客が来るのを待っていて生じることのない機会をアイデアによって新たに創り出しているのである。

また、「ハンガーラックの服」と「バイクの落花生」を比較した場合は、どちらも商品を準備してお客と出会える場に赴いており、自分が動くことで機会を生み出している点が重なり合う。

次に、「バイクの落花生」と「トイレのエンジンオイル」を比較した場合は、バイクは自分がフットワークの軽さを発揮してたくさんのお客と出会う機会を増やしていて、トイレは個室や洗面台に見本を多く設置するという数量によってお客が商品を見る機会を増やしているという点で重なり合っている。

最後に「トイレのエンジンオイル」と「ハンガーラックの服」を比較した場合は、トイレは個室や洗面台という本来の目的以外の目的を追加しトイレという空間を一石二鳥の形で有効利用しており、ハンガーラックは通りの奥のお店が閉まっているので或る意味で前の通りがデッドスペースとなっているところを有効利用しているという点で重なり合っている。

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「探究<まとめ・表現>…気づきの花」
このように「ハンガーラックの服」、「バイクの落花生」、「トイレのエンジンオイル」の3つは、扱っている商品も、その売り方も異なっているが、様々な共通点があることが分かった。そして、最初に浮かび上がった疑問(課題、問い)の「なぜ、わざわざこのような売り方をしているのだろうか(❓)」について考えてみると、商品というものはそもそも買い手となるお客に「見てもらい知ってもらわなければ」、選んでもらう段階にさえ到達できないわけで、それは買ってもらえるかどうか以前の問題であって、これらの売り方は「知ってもらう見てもらう」という機会の創出を重視した売り方といえる。

私はこれを最初に、「タイの人たちの商売に関する創意工夫・たくましさ」と表現していたが、これは文化の違いとして日本には存在しないものというよりも、日本の商売の形が便利に合理的になりすぎて、最近では見かけなくなっただけなのかもしれない。かつて高度経済成長の中の日本、現在のように或る意味で行儀よく洗練されてはいなかった頃の日本だったならば、同じように見かけた光景だったのかもしれない。

「進路…気づきの果実」
今回の考察によって、商売を成り立たせるためには、商品を「知ってもらう見てもらう」という機会の創出が大切であることが明らかになった。ここから、学問の一例として「経営学、商学、社会心理学、行動経済学」など、仕事の一例として「営業、店頭販売、広告代理店、広告プランナー」などが連想される。

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