米売上税は消費税にあらず

アメリカでは、州や市が売上税(小売売上税)を課税している。この度、米最高裁がこの売上税について判決を出した。

しかし、アメリカの売上税は、日本の消費税には当たらない。売上税は、消費税(付加価値税)と似て非なるものだ。

アメリカの売上税は、原則、小売段階でのみ課税される。仕入がいくらか、つまり売上マイナス仕入である付加価値がいくらであろうとも、「売上」つまり小売価格に比して課税される。

日本の消費税、全世界的には付加価値税(VAT・GST)は、仕入税額控除が認められている。だから、流通段階で課税されても、仕入時に支払った税は差し引かれるから、課税の累積が起こらない。アメリカの売上税は、それがないから課税の累積が起き、取引回数が多いと税抜価格が同じでも課税額が変わり、税込価格が高まるという支障が出る。フランスで1954年に世界で初めて導入された付加価値税は、課税の累積をなくす工夫を考案したところから生まれた。


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