日経191229

年末恒例「エコノミストが選ぶ 経済図書ベスト10」公表

 本日の日本経済新聞読書面に「エコノミストが選ぶ 経済図書ベスト10」が掲載されました。この「経済図書ベスト10」は、年末恒例になっています。

 この1年(厳密にいえば2018年12月~2019年11月)に刊行された経済図書の中から選ばれた良書。私も選者の1人として順位をつけました。

 今年のランキングは上位に、日本経済や資本主義の現状を鋭く分析した労作が並ぶのが特徴といえるでしょう。

 7位に入った山口慎太郎著『「家族の幸せ」の経済学』には、拙評が掲載されました。ちなみに、それ以外に私が推した書の拙評は下記の通りです。

井伊雅子・五十嵐中・中村良太「新医療経済学」日本評論社
 限られた資源を効率的に利用する方法を提示することにより、国民の健康の増進に寄与するという観点から、医療にまつわる費用対効果評価をどう測り、どう活用するかについて詳説している。高齢化が進み医療費が増大すると見込まれる日本において、蓄積されている医療データを活用することで、この書で提唱するEBPM()が実践されれば、新たな活路となろう。

岡田羊祐『イノベーションと技術変化の経済学』日本評論社
イノベーションの効果をいかに測定するか、研究開発投資の評価基準をいかに設けるか、知的財産制度や競争制度、イノベーション政策が直面する課題は何かについて、この本では問うている。イノベーションにまつわるシュンペーターの2つの仮説、「独占的な市場ほど技術変化が起こりやすい」と「企業規模が大きいほど技術変化は効率的に遂行される」について、その当否を理解できる点が魅力の1つである。

 そういえば、昨年私がベスト10に推した書は、1位、5位、6位、8位と4作がベスト10に入りました。


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