消費税、来年度予算政府案を閣議決定したら決着

安倍首相が、消費税率を予定通り10%に引き上げると指示したからといって、これで3度目の延期がなくなったとはいえない。

今年末までの予算編成過程で、安倍首相が満足できる反動減対策が打ち出せなかったり、来年の景況に暗雲が立ち込めたりすれば、どうなるかわからない。

しかし、今年末までには、来年度予算政府案を閣議決定しなければならない。それができなければ、統治能力に疑義が生じる。

その来年度予算政府案は、消費税率を予定通り10%に引き上げることを前提に編成されることになっているから、それを閣議決定したら、もはや覆せない。しかも、総理大臣として消費税率10%前提の予算の閣議決定を主導した立場だから、責任も伴う。

来年度予算政府案を前提に、(教育無償化予算を踏まえた)来年度の保育料も決められるし、診療報酬や介護報酬も決められる。住宅の請負工事や予約販売する書籍や通信販売などで、新税率適用後に商品の授受が行われる契約は、2019年4月1日以降は新税率で契約を結ばなければならない。もし閣議決定後に消費増税を延期するなどと言い出せば、医療、介護、保育、教育等で大混乱となる。

2019年に入ってから、衆議院解散だの政局だのいったところで、安倍首相が辞任しない限り、制度や生活や商取引の混乱を踏まえれば閣議決定された政府予算案を覆しようがない。

今年末までに、来年度予算政府案を閣議決定したら、安倍首相が辞任しない限り、消費増税の延期はもはやできない。


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