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小説「ユメノミライ」

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5章分まとめました。一章ずつは短いのでスキマ時間でも読破可能です! また、多少分かりにくいとこもあるので修正加えておきます。
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小説「ユメノミライ」①

小説「ユメノミライ」①

小学三年生の時、僕はピアノの角に思い切り頭をぶつけた。

その瞬間、小さな体全身に電気が走ったようだった。

僕の中で何らかの異変が起こった。

それから始まったのが予想できてしまう未来。

夢で見たことが全て現実に起こる、それはつまらなくとも無難で安心な人生だった。



「未来が予想できる?」

目の前の女性は怪訝な顔をして聞く。

「ああ、できるとも。俺はずっと予想通りに生きてきたんだ。」

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小説「ユメノミライ」②

小説「ユメノミライ」②

それから三日後の夜、ベッドに寝転がり、アクション漫画を読んでいるとスマホの着信音が鳴った。

ユリという名前の前後に赤いハートが表示されている。初めて彼女が出来たと気持ちが舞い上がり、そう登録したのだ。

俺は体を起こして、電話に出る。

もしもし、と少し震えた声でユリは言った。

「どうしたの?」

と俺は何事もなかったかのように返す。喫茶店で会って以来、LINEのメッセージが届くこともなかった

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小説「ユメノミライ」③

小説「ユメノミライ」③

注文したメニューが出揃い、俺らは食べ始めた。過去のデートでも食べている時だけは口数が少なく、食べることに集中した。ユリは昔から食事には気をつかい、外食であっても肉や野菜などをバランス良く食べていた。

大方食べ終えて、アイスコーヒーとデザートをそれぞれ注文した後、ユリは話し出す。

「ヒロシは何もわかっちゃいないのよ。」

そう言って、俺のグラスにお冷やを注ぎ足した。

「夢を信じているのかも知れ

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小説「ユメノミライ」④

小説「ユメノミライ」④

ユリの部屋は前回より散らかって見えた。そわそわしながら、ソファーのユリの隣に腰かけた。

北海道の夢って、とユリは話し出した。

「ヒロシは自分に直接関わらないことも夢で見るワケ?」

俺はテレビのバラエティー番組を見ながら、黙っていた。

「ねえ、北海道いこうよ。今すぐにでも行きたいのよ。」

ユリは俺の腕を振り回した。そして立ち上がり、テレビのスイッチを消した。

必ず、と俺は呟いた。

「北

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小説「ユメノミライ」⑤ 最終話

小説「ユメノミライ」⑤ 最終話

俺は北海道のテレビ局や新聞社に何度も電話をかけた。ハガキを書いて何度も郵便で出した。

まるで取り合ってはくれなかったが、それでも諦めなかった。

ユリも同じように何度も手紙を出した。ヤスオはわざわざ、テレビ局本社まで出向き、頭を下げた。

しかし、その努力も実を結ぶことはなかった。

日本海上、北海道の近くまで台風は来ていた。

窓から外を見遣ると、庭の草木についた滴がポタポタと一定のリズムで落

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