防災・安全メールのチラシ 「メールを登録したくなる」キャッチコピーに変えてみた。ビフォー・アフターで事例を示しました。
自治体のチラシを教材にした広報講座の講師をしています。
(私のプロフィールはこちら)
防災・安全メールの登録や利用を住民に呼びかけるチラシ。講座でもよく拝見します。
大雨や暴風などの気象警報や避難勧告など、防災に役立つ情報をメールで登録者に送るというもの。自治体によって「安全・安心メール」や「緊急情報メール」など名称はさまざまです。
全国で深刻な災害が多発する中、少しでも早く住民の安全な避難につなげる上で大切なツールです。登録者・利用者が増えて欲しいと思います。
この記事では、防災担当の自治体職員向けに「こんな風にキャッチコピーを変えたら防災・安全メールの登録者が増えるのでは」という提案をしています。キャッチコピーをビフォー・アフター形式で3パターン紹介します。※私が作成したキャッチコピーは連絡をいただければ無償で提供いたします。連絡先はこちら
この記事でお伝えすること
【ビフォー】
典型的な防災・安全メールのチラシ
「防災メール」が前面に出ています
「あんしんメール」、「安全・安心メール」や「緊急情報メール」。名称はさまざまですが、典型的なチラシはこちら。メールの名前が前面に出たチラシです。
わかりやくするためにキャッチコピーを抜き出してみました。
※「山崎市」は、事例を示すための架空の自治体名です※
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山崎市
防災・安全メールを
登録しましょう
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メールに登録してほしい。だから、つい、こう書いてしまう。その気持ちはよく分かります。
でも、このキャッチコピーでは「防災・安全メール」の内容も重要性も、よくわかりません。ましてや登録するメリットも伝わりません。そのメリットを伝えたのがこちら。
【アフター1】
防災・安全メールを登録するメリットを
キャッチコピーで伝えてみた
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命を守る情報を送ります
山崎市の防災・安全メールに登録を
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津波の情報や避難勧告などは、まさに命を守る情報です。このメールに登録すると、自分の命を守る上で役立つ情報が送られてくる。これは防災・安全メールに登録する一番のメリットであり、価値や魅力です。そのメリットを素直にキャッチコピーにしてみました。
あなたならビフォーとアフター、どちらの方が「登録したい」となるでしょうか?
【アフター2】
家族ら大切な人の命を守る
そのメリットをキャッチコピーにしてみた
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大切な人の命を守る情報を送ります
岡谷市の防災・安全メールに登録を
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防災、あるいは安全に関することは、自分自身についてはあまり気にしないという人も多いもの。でも、家族のことは気になる人は多いはず。子どもや両親らの安全に関わることであれば「何かしなければ」という気持ちになるのでは。
「大切な人の」というコトバをつけることで、より「登録しよう」という気持ちに近づけてみました。
【アフター3】
遠くはなれた故郷の家族の安全を守る
そのメリットを伝えてみた
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山崎市の家族の安全を守ります
防災・安全メールに登録を
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メールは遠く離れていても届きます。登録しておけば、例えば単身赴任で家族と離れていても、あるいは、実家の両親の家がある場所から遠いところで暮らしていても、気になる場所の気象状況や避難勧告などが届きます。
実際に、地元を離れて都会に出ていた人が防災・安全メールで避難情報を知って「早く逃げて」と電話で両親を説得した例もあるそうです。
地元出身者に向けて防災・安全メールの登録を呼びかける。登録者を増やす上で、こうしたキャッチコピーを使ってみるのはどうでしょうか。
【まとめ】
防災・安全メールの登録者が増える
そんなキャッチコピーの作り方を紹介しました
防災・安全メールは住民に直接、大切な情報を届ける重要なツールです。ぜひそのメリット、価値や魅力をキャッチコピーで伝えて欲しいと思います。
【伝えてほしい防災・安全メールの価値や魅力】
●自分の命を守る情報が得られる
●家族ら大切な人を守る情報がくる
●遠くの家族らを守る上でも役立つ
価値が伝わるキャッチコピーを作ることで、よりたくさんの人が「登録したい」「利用したい」と思えるようなチラシになる。
その結果、登録者が増えていく。防災・安全メールの価値や魅力を再発見して「登録をしてほしいひと」に伝わるコトバにしてほしい。そう考えています。
この記事のまとめ
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自治体やNPOなど公的な団体には喜んで協力します。▼ここで紹介したキャッチコピーを使いたい(連絡をもらえれば無償で提供します)▼チラシにアドバイスが欲しい▼職場で研修を-など。 連絡先はkohou-oyen@iris.eonet.ne.jpまで。お待ちしています。