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自伝的なもの

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地球に降り立ち、早54年 健忘著しい今日この頃 自伝的なものを書いておこうと思う これはただの物語 とあるお話に過ぎない、けれど、私しか知らない物語
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記事一覧

古都と仏具 ㊀

関西にお住いの方なら、わかると思うのだが。 関西と一口に言っても、その土地柄と気質は異な…

takekawakaori
4年前
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道ゆく人

知らない人に道を聞かれたり、声をかけられる人と、そうでない人がいるらしい。 私は外見的に…

takekawakaori
4年前
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incident  ②

奥さんは用事で出かけていた。そこへ少し離れた区の警察から電話があった。T氏はおられますか…

takekawakaori
4年前
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incident ①

その当時は、外側からナニカがやってきて、なにもかも奪っていくのだと思っていた。 大海原に…

takekawakaori
4年前
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たかが恋されど恋

好きだったヒトのことを書こうと思う。 私は誰かを好きになると、自分の容姿やらも顧みず、好…

takekawakaori
4年前
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マンション

2年間下宿で暮らし、いよいよ念願のマンションに越すことにした。 専門学校に通い始めた頃、…

takekawakaori
4年前
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ネコの国  world2

帰ってきた後、シマはしばらくボーっとしていた。いつもと変わらないようにも見えたが、時々思い出したように、ギャーギャーと鳴きながら(ニャーとは鳴かないのだ、多分慢性鼻炎のせいで、ギャーとなるのだ)ウロウロするようになった。 お産はできなかったけど、お腹に子を宿したことを知っていたのだろうか?産めなかった子どもをさがしてるのだろうか?と、私たちは切なくシマを見守っていた。 そんな時はトラが、シマを抱きかかえるようにして毛繕いして落ち着かせるのだった。 春の陽気が本格的になった

ネコの国  world1

下宿の部屋は、畳3畳に板の間1畳、その板の間に小さな流し台があって、その上には大きな窓があ…

takekawakaori
4年前
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奥さん

朝、アトリエに行くとまず全員で掃除をする。T氏は喘息の既往があり、工房は綺麗で埃っぽいと…

takekawakaori
4年前
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LET IT BE

アトリエの後に行き始めたアルバイトは、東梅田の地下にある喫茶店である。 マスターは、雇わ…

takekawakaori
4年前
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脱出譚

見習い期間が終わると、お給料が二桁になった。とはいえ、10万円とちょっとぐらいだったと思う…

takekawakaori
4年前

SILVER

この物語は私の物語である。 登場人物は仮名であり、実在はしていたとしても、違う視点から見…

takekawakaori
4年前
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バイクの走行距離が10000kmに近づいた頃、信州へ4泊5日ぐらいでまわろう、という企画が持ち上…

takekawakaori
4年前

MOTORCYCLE ride2

新車は、慣らし運転が必要だ。二輪車であっても同様である。 アルバイトで稼いで自分で買ったバイクだったし、何よりもそのバイクが大好きだったから、大切に乗るために、自分なりに慣らし運転がてら、郊外へ単独ツーリングに行っていた。 ヤマハのSRX250という、一見すると125㏄の小型バイクにも見えるほどスリムなデザインが気に入って決めた。単気筒エンジンで取り扱いもしやすい。関東限定のイタリアンカラーがたまたま取り寄せできるとのことで、その珍しいカラーもお気に入りの要素だった。(ちな