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小説家になりたいんじゃねぇのか。

 休日はグッタリしてばっかり。
 仕事に全ての力を吸い上げられているようだ。


 お前の夢はなんだ?
 小説家だろうが。
 ここでくたばるワケじゃないよな?

 惰性を続けて
 歳を食って
 その場しのぎを続けてさ
 このまま一生過ごすのか?

 何の作品も残さずに
 半端な創作意欲を抱えたまま
 お前は死んでいくのか?

 創作からかけ離れた場所で
 マニュアル通りに動けばいいだけの場所で
 人生を終えるつもりか?

 違うだろ。
 なぁ?


 分かってるよ。
 ずっとずっと
 頭では分かってる。

 でも疲れるんだ。
 眠ってしまうんだ。

 3日働いて3日休む。
 これだけ聞いたら楽だけど
 1日12時間勤務は簡単じゃないんだよ。

 言い訳なのは分かってる。
 ダラダラしているのは分かってる。
 動かなきゃいけないのは分かってる。

 でも、どうしても動けないんだよ。
 布団で寝転んだまま動けなくなる。
 気付いたら横になっている。

 そのまま休みが無くなっていくんだよ。


 質問に答えろ。

『何の作品も残さずに
 半端な創作意欲を抱えたまま
 お前は死んでいくのか?』

 言い訳なんて要らねぇから。


 もちろん自分の作品を世に残したいよ。

 小説家として
 表現者として
 作品をみんなに届けたいよ。

 でも……だってさ…………


『でも』とか『だって』とか、そればっかだな。
 賢しいフリした馬鹿者がよ。

 いや、お前は馬鹿にもなれねぇか。
 無駄なプライドが邪魔して
 愚直に
 がむしゃらに
 小説を書き続ける事さえも出来ねぇもんな。


 ……君は文句しか言えないの?
 私を責め立てる事しか出来ないの?

 そんなに言うなら見返してやる。
「見直した」って言わせてやる。

 私を責め立てた事を後悔するぐらい
 立派な小説家になってやる。

 お望み通り
 愚直に
 がむしゃらに
 馬鹿みたいに
 小説を書き続けてみせるから。

 だから、見ててよ。


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