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僕たちが故郷で1000人イベントを成功させることが出来た理由。

紙のまちグラフィックデザイナー タカショーです。
今回は、僕たち「寺フェス実行委員会」が手塩にかけて育て上げたイベント、寺フェスinしこちゅーのお話をしてみたいと思います。

野外音楽ライブ×マルシェ 寺フェス in しこちゅー

2020年1月2日(金)に愛媛県四国中央市寒川町の新長谷寺にて開催した、1回目の「寺フェス in しこちゅー」では、檀家さんや近隣地域の方々を中心に約1100名の来場者に恵まれました。

イベントでは、野外音楽ライブ(11組)、県外アーティストを招待してのライブペイント、マルシェ(12店舗)、お寺全体を利用したリアル宝探しイベント、楽器体験コーナー、お絵かきコーナーを同時進行にて行いました。

来場いただいた方は子供から大人まで、特にファミリー層が多く来場し、人が集い、学び、楽しむというお寺本来の価値を再認識することができたというご意見を多数いただくことができ、地元ケーブルテレビや地方新聞各社等にも多数取り上げていただき、多くの反響をいただくことができました。

会場である新長谷寺のご紹介は非常にうまくまとめられた記事があったので予備知識として是非ご覧ください。

そしてこちらが当日使用したA4三つ折りパンフレット。
市内の大型施設、飲食店や企業、幼稚園・保育園・小中学校含め約2万枚配布しました。

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パンフレット制作のうえで非常に苦労した点が、会場が広いうえ、複数箇所で催しが行われること。
会場には駐車場も10数台しか駐車するスペースがないため、車でおよそ5分の中学校のグラウンドをお借りし、来場者の方にはそこからシャトルバスで会場までお越しいただくことを伝えなければならないということ。
ですが誌面の都合上、イベント全体の内容をメインにすることの方を優先させる方が良いと判断し、交通の面はSNSで周知することに。

さらに、会場全体を利用したリアル宝探しイベントも同時開催するため、それらをしっかりと認識していただくには、イベントの大まかなタイムスケジュールとは別に、どこで何があり、何が行われるということを明確にする必要がありました。

そこで、ヒントを得たのがテーマパークの全体マップ。

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俯瞰的に全体を見渡すことができ、さらに目玉イベントはしっかりと押し出す。デザインを制作する上で最も基本的なことではありますが、引きと押しをしっかりと計算した上で情報の整理をすることが強く求められました。

また、ターゲットがファミリー層であり、配布先のメインを学校関係にしたため、誰に一番刺さるパンフレットであるか?の問いの答えは自ずと子供たちと選定され、そこに向かってしっかりと訴求する機能を持つパンフレットである必要性がありました。
その辺りは後ほどイベントの告知におけるPR方法で詳しくご説明します。

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こちらが1月2日のイベント会場の様子。
幸いなことに当日は空気の澄んだ好天候に恵まれました。
四国中央市の市街より少し離れた高台にあり、ロケーションは抜群です。

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自然があふれ、澄み渡る空気を胸いっぱいに取り込むことが出来ます。

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寺フェス当日の会場への入り口とする仁王門前。
シャトルバスから降り立つとすぐ、この光景が目の前に広がります。
普段とは違った特別な雰囲気を演出するため、おめでたい紅白のオリジナルのぼりを設置しました。
また、バス車内も、お正月によく聞く、雅楽:越天楽 (えてんらく)をBGMに、これからイベント会場に向かう期待感や高鳴りを強く感じてもらうための工夫を凝らし、送迎バスを配置しました。

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200段の以上の厄落としの石段を上りますが、勾配はとても急で踏面は靴のサイズより狭いため、少しガニ股気味に上らなくてはいけません。
段数以上に疲れを感じる大変な石段で、手すりがないと途中で振り返った時は怖さも感じます。
下りは安全性を考慮し、当日は上りのみ利用の規制をかけました。

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オープニングアクトは副住職による響音ギターが炸裂。
その後、主催のわたくし、タカショーがカウントダウンとともにお寺の鐘を鳴らしイベントがスタートしました。

なぜお寺で開催できたの?

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そもそもなぜお寺という場所でイベントを開催することが出来た?と言う話なのですが、

・お寺の現副住職が自身の部活の後輩であった。
・我が家が檀家であり、古くから関係性があった。
・縁日をしていた、昔の賑やかな姿を取り戻したかった。

新長谷寺は、春には枝垂れ桜が咲き誇る、市内でも有数のお花見スポットです。小学生の頃にはこちらで写生大会が開催されたり、長い階段を部活のトレーニングで駆け上がったりと、この地域で暮らす人々にとって思い入れの深い場所であります。

この素晴らしいお寺を自分たちの力で、さらに魅力あるスポットへ盛り上げることはできないか?という熱い思いから実行委員会は発足しました。
また、お寺が本来備える、楽しみ・学び・交流する場所であるということの再認知に取り組みたいという想いもありました。

寺フェスinしこちゅーのコンセプトとスケジュール

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地域の人々が集える話題性を持った行事を行い、地域を活性化したい。
四国中央市に話題性・持続性のあるイベントを定着させたい。という考えから、若い世代を中心に志望者・賛同者をつのり、将来、全国的に認知してもらえるような大きな野外イベントを誕生させることが目標の行事です。

これが役所にお伝えした事業目的です。
結果として、充分な集客が出来、大盛況で終了した当イベントですが、そこまで至るのは正直言ってめちゃくちゃ大変でした。

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こちらが2019年10月17日段階での企画書。
実際は6月から動き出して、まずは檀家さんへのお願い・実行委員会の設立・出店舗オファー・アーティストオファー、その間に、地元企業や個人事業主の方を中心に協賛金をお願いして回りました。

そして10月の段階で、必要な広報物を自身が所属する(株)NADに寺フェス実行委員会として依頼し、実行委員会の手厚い協力のもと、自らが中心となって企画から制作までのトータルプロモーションを一貫して執り行いました。

ロゴマーク・デザインに込めた想い

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寺フェスの「寺」という文字には、この四国中央市の象徴とも言える大王製紙の巨大煙突のイメージを取り入れています。
その意図として、将来全国的に認知されるような〜と事業目的にある通り、この四国中央市で行われるイベントであるということがしっかりとわかる必要性があったため、です。

高速道路から見えるこの煙突の存在感はとてもインパクトがあり、これを見たらここらでインター降りなきゃいけないよ!ということを認識させたいという考えもありました。笑

また、キャッチコピーとして「新春奉音」としたことは、音楽が主のイベントである、と言うことを伝えたかったため、「新春奉納」の言葉と掛け合わせ、遊び心をあわせ持つこの言葉をキャッチとして選びました。

イベントの告知におけるPR方法

この寺フェスを開催するに当たって使用した告知方法は3つ。

・リーフレットとポスターを事前配布
・SNSを用いての出演者・出店者・イベントの紹介
・プレイベントを行い、期待感を高める

一つ目のリーフレット・ポスターの事前配布は、市の教育委員会に後援・ご協力いただき、寺フェスが行われる1ヶ月ほど前に、各家庭に確実に届くよう、市内の幼稚園・保育園・小中学校に約一万五千枚のリーフレットを配布しました。

また、これを児童・学生の手に渡るようにとしたのは、
学校の先生から配布され子供が興味を持って持ち帰る→親御さんに渡す→お正月に出かける場所の候補として家庭の中で話題となる。
そんなシーンまでイメージしてこのプランを選びました。

ですので、冒頭にお話ししたように、子供が見て一発で「行ってみたい!」と思わせるテーマパーク感のあるパンフレットデザインが必要だったというわけです。

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また、正月にイベントを行っている団体があまりなく、競合が少ない日にイベント日を設定し、お正月の初詣ついでに・・・という訪れるための意義を強くプッシュしたところが今回の集客につながったのではないかなぁと思っています。
さらに、イベント競合がいない日で、出店できる事業者さんのスケジュールが比較的合わせやすかったところもよかったのではないかと思います。
(正月にわざわざ各所から足を運んで賑やかしてくれた出展者様には本当に頭があがりません・・・)

SNSを用いての告知は、FB・インスタグラム・ツイッターをメインに情報の拡散を行いました。

各SNSの使い方のポジショニングとしては、

・FB→全体的なイベントの詳細を文章記事メインで投稿
・インスタ→ビジュアルを中心に行ってみたいを誘う投稿
・ツイッター→リアルタイムで、出演者や出店者が出す情報を拡散する投稿

同じSNSといっても、全く情報の伝わり方が異なるこの3本を用途によって使い分け、発信したい情報の整理を同時進行で行いながら利用していきました。

またFBに関しては当時点で一番アクセス分析のしやすいツールであったため、メインをこちらに設定しております。

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おそらく効果として一番大きかったのではないかと実際感じたのは、こちらのプレイベント。

12月6日(約1ヶ月前)の18:00から夜の新長谷寺本堂にてライブが鑑賞できるという、本番当日にも味わえないシチュエーションで開催しました。
副実行委員長(Music Cafe & Bar Bitter SweetZ 店主)のネットワークをフルに活かし、東京から大柴広己氏を招待。
こちらも本堂内が熱気でムンムンになるほど盛り上がりました。
(反省点としては写真がガビガビだったところ・・・笑)

その時点で積極的に興味を持ってくれている人がどのくらいいるかを計測したかったため、これは大々的な告知はせずにあえてひっそりと開催。

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これらのPRと、個々の広報活動が功を奏し、イベントの成功へとつながったものであると確信してます。

イベント当日の様子


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境内にステージを設置し、10組からなる野外音楽ライブと11店舗が集まるマルシェを開催しました。
ゲストに、京都で活動する、お隣の観音寺市出身シンガーソングライターのトミタショウゴ氏を誘致。
新年を飾るにはふさわしい、澄んだ空気に響き渡る爽快な音楽を奏でていただきました。

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その傍らでは、徳島県出身のアーティスト CHIDORI によるライブペイントを同時進行。
イベント開始と同時に筆をとり、終了までに一枚絵を書き上げるスタイルで、地元の太鼓台のシンボル「白虎」をモチーフに、お寺の本尊である十一面観音像とコラボした巨大絵を書き上げていただきました。

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また、お寺の中腹にある戦没者を祀る忠霊塔スペースでは、土地の性質を活かし、ナチュラルエリアと称して、アウトドア体験ができる出店舗様にご協力いただき、境内の雰囲気とはまた異なった雰囲気のイベントスペースを演出。

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そして、会場全体を利用した、楽しみながらお寺の文化や歴史を学べるリアル宝探しも同時に行いました。
家族間でのコミュニケーションを取れるきっかけにもなったようでこれがとても好評。特にお年寄りが「孫に昔話をするきっかけになったわ!」と大絶賛してくれました。

イベント終盤に、回答正解者には抽選で豪華商品プレゼント企画(一等はアマゾンギフト券1万円分♩)も抽選会として行いました。みんなが笑顔になる和気藹々とした楽しい時間でした。

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また、実はこんな寺フェスオリジナルグッズも・・・
(結構売れました笑)

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まとめ

盛りに盛りまくったイベント内容で、得た達成感はとんでもないもので、年明けの一月は燃え尽き症候群でほぼ抜け殻状態でした。笑
それゆえ、本まとめが4ヶ月後のこのタイミングとなったというわけでありますw

なぜ成功できたかという大きなポイントとしては、

・皆んなで様々な意見を出し合って内容を精査して行ったこと
・それぞれが自分のポジションを明確にし行動と対策をとったこと
・溢れ出る地元愛

あと、失敗してもいいから精一杯やろう!という熱い気持ちが成功できた第一の理由であると思っています。
僕は多くの人の想いのこもった熱い仕事は必ず成功する。と信じています。

この経験は自分としてもとんでもない成長へとつながりました。
ですが、続けて行くことが大変であるし、スタートでもあると、たくさんの方々から言われます。頑張ります。

寺フェス in しこちゅー VOL.2にむけて

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イベント終了後の反響は凄まじく、多数メディアに取り上げていただき、ありがたいことに是非来年もやってほしいという熱いオファーをたくさん頂戴することができました。
新型コロナの影響で、どうなるかはわかりませんが、できることはしておこうと言うことで現在、実行委員会の中での前回の反省点や、改善点を洗い出し、さらに面白い寺フェスVOL.2を計画しております。

ぜったい面白くするからみんなまた来て!!!!
ていうか新型コロナはやく収束して!!


また今年も皆様のご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
がんばるぞ〜!

今日はこれにて終了〜♪

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