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南風同乗記

特急「南風」とは?


 岡山ー高知間を結ぶ特急列車です。かつては、さらに先の中村や宿毛まで結ぶものも運転されていましたが、今では、系統分離されて全て高知止まりで同駅であしずり号に乗換です。
 車両は全ての列車、2700系気動車で基本は3連でその組成は普通車2連に半室グリーン着き先頭車両をいわゆる「変態連結」(先頭車両と中間車両をつなぐ)で組成されています。なお、2700系は先頭車しかありません。つまりどの車両も運転台付きです。
 一部の列車では、他の特急列車と併結運転されます。宇多津ー岡山間では、徳島発着の「うずしお」号と連結していたり、高知ー高松を結ぶ「しまんと」号を連結したりしています。その時には列車全体では5連や6連といった姿になります。
 なお、アンパンマン列車が運転され、なおかつ休日を中心に4両編成に増強されます。その一部に特急「うずしお」と併結される列車があります。その列車は岡山に堂々の7両編成での発着となります。短編成に見慣れているので、威風堂々といった感じですね。

ド派手なアンパンマンシート。

ダイヤパターン


 基本的には1時間毎の運転なので行き違いは、乗車しているとき概ね30分に1回ずつということになります。岡山側からいうと児島周辺で、2回目は善通寺で。1回目、2回目は複線区間での行き違いになるため待ち時間はありません。
 3回目は阿波池田です。4回目は、主に豊永、5回目は土佐山田です。3回目以降は単線区間になりますので、行き違いのため運転停車が発生することがあります。

それでは、乗ってみましょう

阿波池田(徳島県三好市)から


阿波池田駅


 阿波池田15:23発の南風13号に乗りました。阿波池田駅は、徳島県三好市の中心地です。駅から300mほど北にバスターミナルがあります。駅前は狭いため、クルマが数台止めたらいっぱいになる感じです。ちょっとさびれたアーケードが見えています。

誰もいないアーケード


 下り列車でいうと、阿波池田駅に向けて山を下ってきたところですが再び登り始めます。ここから大歩危方面へ向かいます。車内放送でも自動放送で、大歩危・小歩危の案内が入ります。この辺りは、渓谷美がつづきます。
 阿波川口では、高知発琴平行きの普通列車と行き違いします。この、阿波池田〜土佐山田間では極めて普通列車の本数が少なく見かけること自体が珍しいです。下り列車で見ると8時台くらいから14時台頃まで普通列車は空白の時間帯です。

普通列車と行違う南風号

美しい渓谷美


 大歩危には祖谷のかずら橋を模した小さな模型が展示されているのが印象的です。JR四国のご自慢の「ものがたり」シリーズの「四国千年まんなかものがたり」号の折り返し駅でもあります。
 ここから、10㎞ほどいった豊永駅では上り特急列車と行き違いします。この13号は5分程停車します。その先も、山の中を突き進みます。
 豊永駅からさらに10㎞ほど進んだ大杉駅は一部の南風号も停車します。日中の列車のみ通過します。この13号は通過します。大杉から7㎞ほど(次の土佐北川まで)は土讃線が線形改良のため付け替えられた区間です。ほとんどトンネルです。

鉄橋の上の駅・スイッチバックの駅


 次の土佐北川駅は吉野川の橋梁上にある駅です。行き違い設備もある駅で直前のトンネル内からポイント通過のため減速していきます。割とゆっくりと通過します。ここで下車し、大杉駅まで旧線を見ながらウォーキングしたいなと感じます。

鉄橋の上に駅があります。土佐北川駅通過。


 土佐北川から10㎞ほど行くと、新改駅です。ここは土讃線では坪尻駅に次ぐ2つ目のスイッチバック駅です。坪尻駅よりも秘境駅のような気がするのは私だけでしょうか?数少ない普通列車も一部通過します。周辺道路からのアクセスを考えると新改駅の方がアクセスしやすそうではあります。土讃線からは、一瞬、駅ホームへ伸びる線路の先にホームが見えました。

山を抜けると


 勾配を下っていくと7㎞ほどで土佐山田です。ここまで来るとやっと山間部から抜けたという感じがします。土佐山田でも4分程停車し、上り特急列車と行き違いします。また、高知発琴平行き普通列車も出発を待っています。この普通列車は、この土佐山田で上下両方向の特急列車を待っている形です。先ほど、阿波川口でも同区間の普通列車と行違ったのに?という感じですが、この両列車、2時間間隔が空いています。
 土佐山田から5㎞4分で後免到着となります。ごめんなはり線の乗り換え駅です。伊野発土佐山田行きと奈半利行きの併結の普通列車と行き違いします。この普通列車はこの後免駅で切り離しします。

最短駅間


 後免から3㎞ほどの隣の土佐大津駅すぐ近くの、土佐電鉄の停留所には最も駅間が短い区間があります。一条橋ー清和学園前の駅間です。小さな橋を越えるだけです。その距離63mといわれています。

一条橋に電車がいます。手前が清和学園前です。

 高知運転所のすぐ近くの土佐一宮で普通列車を追い抜きます。そして、高架に上がり高知駅となります。高知駅は自動改札口もあります。2面4線で、「南風」号は1番線で折り返します。「あしずり」号は同じホームの向かい側2番線から発車します。同じホームの乗り換えは便利ですね。

まとめ


・「南風」号は岡山ー高知を1時間毎におよそ2時間半で結ぶ特急列車。
・3両編成で一部アンパンマン列車もあります。
・走行する土讃線は非電化区間があるので2700系振り子車両を使用
・途中、徳島県も走る(阿波池田や大歩危付近)
・高松からは、南風リレー号が宇多津駅などで接続
・走行する土讃線は山岳路線で普通列車の本数が少ない
秘境駅も多い(坪尻、土佐北川、新改など)


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