高野七緒@栄養コンサルタント

栄養コンサルタント/子育てアドバイザー/ライター。環境学修士→公務員14年→40歳独立…

高野七緒@栄養コンサルタント

栄養コンサルタント/子育てアドバイザー/ライター。環境学修士→公務員14年→40歳独立。心の機微に触れる、力強くもやさしい文章を読んだり書いたりするのが大好き。年子男児(10,8歳)のワンオペ。ブログ「今日もハナマル!」https://hanamaru-mom.com/ 運営者

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はじめも、おわりも、いつでもその場所に。

今日もお惣菜を買って帰ろう・・。 残業で遅くなった日は、すっかり疲れて家事はできない。 自宅近くのスーパーで、半額シールの付いたお弁当や惣菜を見比べていくつかをピックアップ。 今週はこれ、何回食べただろうと頭の片隅で考えながら。 少しは栄養バランスというものを意識していたけれど、日々の忙しさで、自炊するより早く休みたいという気持ちが先行する。 時間に余裕のある平日や週末に、好きなパスタはよく作っていたけれど、ほかに何を作っていたのか思い出すのも難しい。 出汁というも

    • 【おうちごはん】我が家のおうちごはん、どうデザインする?

      ここ数ヶ月、ワーママの料理の負担、食卓のあり方に別の意味を見出したいと思い、家庭料理をいかにデザインするか、を考え続けている。 出会った本の一つが、『世界の台所探検』(岡根谷実里著)だ。 日本の母親は多くの場合、献立の品数を気にする。けれど、海外ではそういった日本の古い価値観をとっぱらってくれる食べ方がたくさんある。 キューバでは、国民的料理といわれる黒インゲン豆のスープ「フリホーレス」が毎日昼も夜も食べられている。お皿に盛ったご飯にフリホーレスをカレーのようにかけて完成

      • 【ライフスタイル】出産して初めて気づいた怖さが価値観に変わった話。

        自分を生きたい。 誰もが一度はそう感じたことがあるだろう。 学校を卒業し、社会人になるタイミングで少なからず向き合うことになる問いが、「自分を活かすため、自分を生きるために、どんな仕事をするのか」だ。 とりあえず就活の時期が来たら、仕事を必死に研究して、求められる仕事、できる仕事をする。 自分に合っているかどうかなんてまだわからない。それでも日々さまざまな仕事に真摯に向き合い、丁寧にこなす中で、自身の成長を感じられるのはそれなりにやりがいがある。 それから先のやりたい仕

        • 【おうちごはん】何気ないごはんの時間が光を放つとき

          今から思えば、食卓での父はそこそこ厳しかったのかもしれない。 家族そろって席につき、いただきますの挨拶をする。食事中はどんな話をしたのかあまりはっきりと記憶にないが、その時々の学校生活のことを話していたのだろう。父のことが大好き!だったわけではないが、最低限の会話はする、という思春期だった。 食後のごちそうさまも忘れてはならない。 忘れたら少し咎められる、くらいのゆるさではあったけれど、それなりに厳しかった、と認識しているのだから、完全に気を許せる食卓であったかどうかはわ

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        はじめも、おわりも、いつでもその場所に。

          【プチ栄養学】バランスのいい推しごはん、簡単にどうやって作る?

          Twitterやブログで“推しごはん”について発信していると、時々「推しごはんって何?」「何を作ればいいの?」とお問い合わせをいただきます。 これだけレシピがあふれているのに、というより、あふれ過ぎているからこそ、何を作っていいのかわからない。 毎日毎日献立のことを考えなければいけなくてつらい。 いつも同じような料理になって罪悪感を感じる。 味つけに変化が出ない。 美味しいと思えるレシピに出会えない。 惣菜を買うと負い目を感じる。 ワーママを取り巻く感情は本当に複雑で繊細

          【プチ栄養学】バランスのいい推しごはん、簡単にどうやって作る?

          【ライフスタイル】ママの生理から子どもに伝えられること

          2人が小学校低学年の今も、一緒にお風呂に入っている。 その時に必然的に目にするママの生理。 血液を子どもの目に触れないように何か対策をしている人もいるかもしれないが、私はありのままを伝えている。 一番はじめに子どもたちが生理を目にした時はそれなりの衝撃を持って受け入れられた。 私がお手洗いに入っている時だったかもしれない。子どもたちが急にトイレのドアを開けるからだ。 なんでママの体からは血が出るの? ママ死んじゃうの?心配‥大丈夫? 血、というと、子どもながらにそれな

          【ライフスタイル】ママの生理から子どもに伝えられること

          【おうちごはん】ママのごはんで何が一番好き?の答えにビクビクしなくていいという話。

          ママのごはんで一番おいしいのは何?と言う質問がある。 子どもの答えを恐れるママは多い。 私も過去に子どもたちに聞いたことがある。ハンバーグとかカレーライスとかスパゲティーとか、ちょっとでも手をかけたメニューを言ってくれると嬉しいなぁとわずかな期待を持っていた。 しかし、子どもたちから返ってくるのは、卵焼きやおにぎり、パン、ステーキ、お刺身など、とってもシンプルなもの。家族だけの空間ならふふ〜ん、くらいで終わるのだが、ママ友との会話やクラス会でそんなシンプルな答えが出ようも

          【おうちごはん】ママのごはんで何が一番好き?の答えにビクビクしなくていいという話。

          【ライフスタイル】ひと月後の日常も30年後の日常も「今」の延長なんだと実感した話。

          とあるところで知り合いになった70代くらいのおじさま。 毎日毎日あまりすることがなくてね、前に一緒にゴルフに行ってた友だちは体調を壊しちゃったし、もうゴルフをやらなくなった人もいるし。食べ歩きが好きだったけど、このご時世、友だちに声かけるのもどうかなぁと思って。だから散歩したり、体動かしにジムに行ったり、そんな繰り返し。もっと友だちと今までみたいにワイワイやりたいよね。 おじさまのこの告白に少し思考が止まった。 40代の私にとって、正直なところ、70代の生活がどんなものか

          【ライフスタイル】ひと月後の日常も30年後の日常も「今」の延長なんだと実感した話。

          【プチ栄養学】手抜きじゃない。一番美味しい食べ方が“シンプル献立”という話。

          凝った料理で溢れかえるサイトやSNS。 そういうものを頼りにレシピ検索をしていると、自分もそんな料理を作らないといけないのかな、と疲弊することも。 もともと私は料理が好きでもなく得意でもありませんでした。 なので、できるだけ手をかけずに調理したい。 でも栄養はしっかり摂っておきたい。 そんな価値観です。 良い食材を、できるだけシンプルに。 本来のうま味を味わえたら、日々の献立はそれで十分。 側からすると、一見“手抜き”のように見えるかもしれません。 焼いただけ。和えた

          【プチ栄養学】手抜きじゃない。一番美味しい食べ方が“シンプル献立”という話。

          【ライフスタイル】眠っている想いを知るために“私はなぜ〇〇が好きなのか”を探求する

          人は誰でも何かしら心に秘めているものがある。 多くの場合、それは慌ただしい日常の喧騒にかき消され、自分でも認識していない。 目の前の“やるべきこと”をこなさなければならないし、自分の心の声にじっくり耳を傾けている時間はない。 そんな時間が続くとなんだかモヤモヤする。 今を生きているようで生きている実感がない。 自分らしくいられていない。 こんな想いを抱えているのは自分だけではないか。 誰にも理解されないかもしれない。 そんな孤独を感じるときがある。 たとえその時、物理的

          【ライフスタイル】眠っている想いを知るために“私はなぜ〇〇が好きなのか”を探求する

          【おうちごはん】料理の技術力だけでは計れない温かさを自信に

          先日、我が家に事変が起こった。 夫が開業して7年、初期のバタバタが数年でようやく落ち着いた頃の久しぶりの荒れ模様。 小さい規模ながら人に働いていただいている以上、何が起こっても不思議ではない。 私が家業にかける時間が大幅に増え、買い出しと料理を含む家事を母に頼らざるを得ない状況になった。 私の母は料理ができる。 できる、の基準は人により様々だが、普段から夜ご飯を作るのに1時間以上はかけていたような人。 大人になってからわかったけれど、下ごしらえから丁寧なのだ。 もちろ

          【おうちごはん】料理の技術力だけでは計れない温かさを自信に

          【ライフスタイル】初めて次男と2人で歩いて帰ったある日の、秋が眩しかった話。

          いつも小学校から電話の着信があるとビクッとする。 良い連絡は想定されていないからだ。 午前中の体育の時間は元気いっぱい走っていたものの、給食の準備が終わったとたん、次男の顔色は青ざめその場にしゃがみ込んでしまったらしい。 詳しい状況がわからない中、迎えにいった帰りにはかかりつけ病院に行ったほうがいいのか、そうなると、病院行きセットがいるな、お茶は新しいものを持っていこう、給食は食べていないと言っていたからお腹空いてるかな、などの思考をめぐらせ、一通りの準備をして迎えに行っ

          【ライフスタイル】初めて次男と2人で歩いて帰ったある日の、秋が眩しかった話。

          【プチ栄養学】理論と現場の乖離に寄り添うために、ひとつひとつ

          理論はこうなのに現実はそうではない、ということはよくあること。 人が作る社会、人の心で成り立つ社会なので、そんな機械みたいに物事が進むわけがないよ、社会が動くわけはないよね、ということを多々実感してきました。 学生時代に没頭していた環境政策の研究でも、前職で新規事業を立ち上げた時にも、人の複雑な心の動きをできるだけ可視化し、設計に組み込まないと単なる机上の空論に終わってしまう。人の考えを、価値観を、行動を変えるのは相当大変なことだぞ、と。 そう理論と現場には大きな乖離が

          【プチ栄養学】理論と現場の乖離に寄り添うために、ひとつひとつ

          【ライフスタイル】夕暮れのお洒落なバーが気づかせてくれること

          開店は夕方6時くらいからだろうか。 子どもたちを迎えに学童へ行った帰り、交差点沿いにある小さなバーの前を車で通る。 夕暮れにぴったりの、スロージャズが似合うなんともいえない雰囲気が漂うお店。 カウンター席が8席ほどの空間だけれど、慌ただしい日常の喧騒からは完全に遮断された別世界のように見えている。 相当にこだわって創り上げた空間なのだろう。 私はお酒はそれほど飲めないけれど、薄暗くて心地いい雰囲気に身を浸す時間が好きだ。 子どもを授かる9年前までは、友人と夫と、時に愉

          【ライフスタイル】夕暮れのお洒落なバーが気づかせてくれること

          【おうちごはん】あぁ、やっぱり座って食べなきゃだめだよね。

          ママ、一緒に座って食べようよ。 そう6歳次男に声をかけられた。 忙しい平日、心に余裕がないとついキッチンに立ったまま夜ご飯をぱぱっと済ませてしまうことがある。 そんなふうにして食べたご飯は“食べた”という気がしない。 やはり椅子に座ってゆっくり味わう。自分で作ったご飯が美味しいかどうかは別にして、たとえ5分10分の短い時間でも、“人間らしく食事をとる”意味では、“一旦椅子に座る”行為が不可欠なのだ。 ワーママの日常は、仕事から帰っても家事が山盛り。 その日の片付けをし

          【おうちごはん】あぁ、やっぱり座って食べなきゃだめだよね。

          【ライフスタイル】ドン底を経験したからこそ自由になれた

          多くのワーママが働き方に悩んでいる。 育児休業から復帰、時短勤務だとしても、帰宅後に子どもとこなすスケジュールはかなりハードだ。 私自身、復帰後の働き方に2年半悩み続けた。 求めたかった子どもとの対話の時間なんて、ないに等しかった。 子どもがもう少し大きくなったら、状況は変わるのか。 このまま同じように働き続けて自分は納得できるのか。 最長20時までの延長保育を繰り返し、暴れ回る子どもたちを何とか23時前に寝かせる日々。 あぁ、私はなんてひどいことをしているんだろう。

          【ライフスタイル】ドン底を経験したからこそ自由になれた