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【ライフスタイル】出産して初めて気づいた怖さが価値観に変わった話。

自分を生きたい。
誰もが一度はそう感じたことがあるだろう。

学校を卒業し、社会人になるタイミングで少なからず向き合うことになる問いが、「自分を活かすため、自分を生きるために、どんな仕事をするのか」だ。

とりあえず就活の時期が来たら、仕事を必死に研究して、求められる仕事、できる仕事をする。
自分に合っているかどうかなんてまだわからない。それでも日々さまざまな仕事に真摯に向き合い、丁寧にこなす中で、自身の成長を感じられるのはそれなりにやりがいがある。

それから先のやりたい仕事をイメージして、自分のキャリアを思い描けるのは幸せなことだし、気持ちも充実する。

が、しかし、である。

出産と育児は大きく価値観を変える。
私の場合、日々の生き方に大きな疑問を感じるようになった。
ワーママによくある変化の一つだ。

毎日ひたすら時間に追われ、仕事が終わっても息つく暇なく夕食の準備にお風呂、歯磨き、寝かしつけ、翌日の準備に大小の家事がバタバタと続く。

子どもの話を聞いてあげたり、絵本の読み聞かせをする時間を捻出するにもクタクタになる。時間と自分のやっていることに余裕がなくなり焦りと怒りが生まれていく。笑うことができなくなる。働いている意義を見失う。
そんなママからにじみ出る鉛のような雰囲気が子どもに伝わり、負の連鎖が連なってしまう。

このまま進んでは崩壊する。


はじめての出産はそれがどんなものなのか、前もっていろいろ情報収集していても、実際に産んでみるまでは決してわからない。

お腹の中に生命が宿る感覚。
それをこの世に生み出す痛み。
そして自分の手で育てていく厳しさ。

どれも私の想像をはるかに超えてくるものであった。
中でも一番怖さを感じたのが、母親である私が調理するものを食べ、そして日々関わり合う中で一人の人間として育っていくということ。
生身の人間を時間をかけて育て上げるのだから、片手間なんかではできない。

考えてみれば、すごく当たり前のことである。
しかし、想像以上であった、という実感が、それまではぼんやりふんわりしていた育児へのイメージを一気に厳しいものに変えた。

子どものことには本気で向き合わなきゃ、の気持ちが、自分の仕事や人生のことをもっと真剣に考えないといけない、という覚悟に変わった。


未知のものに出会った時、人は“怖い”と感じる。
難しいことではあるけれど、その“怖い”をどう扱うのかが一人一人に試されているのだろう。

もちろん、“怖い”を“怖い”のまま置いていては、状況は変わらない。
その怖さを構成する要素をひとつずつ分解し、怖さを和らげる方法を試していけば、きっと事態は好転する。

“怖い”を自分らしい価値観に変える。
変えるために動き続けている軌跡が、自信になっていく。
骨の髄まで響く怖さは、それゆえ尊くて、唯一無二の歩みを運んできてくれるのかもしれない。



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noteでは、ブログでは書ききれない想いを短いエッセイで綴っています。

・プチ栄養学
・おうちごはん
・ライフスタイル

の3つの視点から、子育てのことやちょっと役立つ栄養のお話、ママの働き方、将来に想うことなど自由に書いていきます。

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