まんだらけ中野店で、古書・古本をワクワクチェック★
本探しの楽しさは、普通の書店巡りに留まらない。古書店という選択肢もあるのだ。古書店では、突拍子もない本との出会いが期待できる。
誰もが思い浮かべるブックオフは、安価で利用しやすい中古ショップ。比較的新しい本が多く、希少本より人気本が多く揃う。
反対に文学だけとか、医療書や法律本、戯曲関連、サブカル系などの専門書を扱う古書店は、東京神田に多い。
またサブカル系の古本・古書と言えば、まんだらけも無視できない存在だ。
今日はまんだらけの、中古書籍売り場を紹介してみたい。
東京中野、中野ブロードウェイにあるまんだらけ中野店に向かってみよう。
中野ブロードウェイの3階にあるまんだらけ本店は、壁面が赤い本棚の店構え。圧倒的な在庫数を誇る漫画専門店だ。
まんだらけ中野店には、本店(漫画専門店)の他にも、アニメ、ゲーム、フィギュア、書籍などに細分化された売り場が集結している(買取もあり)。
お目当ての4階、まんだらけ海馬に到着。ここはアート系写真集、サブカル書籍、ジュブナイル小説が並ぶ売り場である。
まずは画集、展覧会図録を物色。伊藤若冲の豪華印刷版図録が3,000円以下で出ていた。しっかり包装されているので、中は確認できない。
ここはファッション関連の棚。絶版ものや発行部数が少ない本や雑誌は、だいたい高価。中には2万円以上の画集もある。他の棚では、10万円越えの写真集も見つかった。
この辺りも高額だ。眉村卓『なぞの転校生』は、Kindleや講談社文庫なら数百円で読める。
でも盛光社の初版本は8,800円。この初版本に価値を見いだす人がいる証拠である。
この怪奇本もおそらく初版ものだろう。どれも高額。めちゃくちゃ味がある。『高校綺談』『私は呪われている』は共に1万円以上だが、この装丁と古めかしさに怪奇ムードはより一層。
もともと発行部数が多い書籍は、中古で出回る確率も高い。希少性が低いため、古本価格は安くなる。
この棚の江戸川乱歩本は、ほぼ500円〜1,000円台。文庫、ハードカバーの差はほとんどないようだ。
SFもの、この辺りは1,000円台。ラインナップは売り手の持ち込み次第だ。まんだらけでは毎日買取が行われているので、書棚のラインナップもすぐに刷新される。
サンリオSF文庫も、すべて1,000円以下。読者もサンリオ版はあまり手放さないのか、品揃えは少ない。
すべてフィルム包装されているため、内容は表紙と裏表紙情報で判断するしかない。
単行本も、ほぼ1,000円前後の価格帯と買いやすい。
お! 辻真先氏の著作を発見!
私にとっては辻真先氏の「脳みそ」こそがミステリでSF的という、偉業の作家であらせられる。
古くはアタックNo.1や巨人の星、その他の膨大な作品を手掛けた脚本家であり、名作産出マシーンのようなミステリ・SF作家。とにかく上質にして多作の大変なお方なのだ。
SFマガジンもぎっしり。60年代から近年までのラインナップ、値段は過去本ほど高くなる。
ここでちょっと私事の弁解を。
いつも真っ昼間から書店巡りで遊んでいる、と思われているだろう。
いやいや、書店探訪は私の仕事の一環なんである。この日も打ち合わせ終わりに、編集者N氏と一緒に来ているのだから。
書店探訪は、資料探しと市場調査。まあほとんど趣味だけど、あれこれ吸収して周辺知識を盤石にし、アイデアの発露にし、広がりと深みのある執筆活動に役立てるのだ。……まあ、目標としては……。
「ものは言い様だねえ、我々も」
と、隣で笑うN氏。
仕事と趣味を兼ねていたら、どうしたって趣味で沸く。仕事との境界線は実に曖昧だけど、それで全然問題無い。
小一時間ほどで、古本・古書めぐりは終了した。
以前は500円だった某漫画家の単行本が、4,800円になっていた。N氏と原因究明ミーティングで仕事モードに変換され、今日1日を締めくくる。
さて、今回購入したのは山本直樹の『レッド』1〜6巻と、サンリオ出版の『悪夢としてのP・K・ディック』
『レッド』は連合赤軍事件総括ものの連載として注目していたので、まとめ読みしようと購入。7巻以降はずっと安価なKindleにしよう。
私は研究本、考察本が大好きなんである。錚々たる顔ぶれによるディックの研究本、800円で購入。電子化されていないので即買いした。
次は神田古書センターかな。もう少し暑さが和らいでから。