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【ブックレビュー】藤本タツキ『ファイアパンチ』は『アンパンマン』からインスパイアされた??

カリバリズム、性同一性障害、兄妹愛、グロ、カメラを止めるな、などなど色んな要素が入ったこの漫画は藤本タツキ『ファイアパンチ』。

作者のインタビューを読んだのだが、『アンパンマン』が困っている人に自分の顔を分け与えることからインスピレーションを受け、この漫画は描かれたそう。

物語の冒頭、腕を斧で切り落とし、それを布に包んで村人達に配る兄妹が出てくる。腕を切り落とされるのは兄。彼が漫画『ファイアパンチ』の主人公のアグニである。

彼は再生能力を持つ祝福者と呼ばれる人間で、切り落とされてもすぐにまた新しい腕が生えてくる。この祝福者は世界に何人もいる。そして、この漫画の舞台となる世界はそんな祝福者達が支配する極めて混沌とした世界。

決して消えない炎を操る祝福者によって妹を殺された主人公アグニ。彼も同じくその炎で燃やされたが、炎による肉体の破壊と再生を繰り返し、何年も悶え苦しみながらその熱さや痛みに慣れ、ついには再生が破壊を上回り、とうとう身体の中に炎を留めることが出来るようになる。

上述したシーンが冒頭の数ページで描かれる。そして、第1話にして、妹を殺され、消えない炎で燃え続ける男として主人公アグニが登場するのである。

決して消えない炎で身体が燃え続けるアグニ。彼は熱さと共に生き、妹を失った悲しみと共に生き、のちに彼を神と慕う民と共に生きる。けれども本当は早く死んで、痛みや苦しみ、悲しみから解放されたいと思っている。

彼は死にたい。でも死のうとしたところで身体がすぐに再生してしまうため死ねない。彼は苦しみながらも生きていかなければならないのだ。

ぶっ飛んだ設定と展開と世界観が最後まで物語を引っ張って行く。とてもおもしろかったです。寒いのでコタツからでれない中年男子、百合系女子、ゾンビ系女子高生、ファイア系男子高生にオススメです。

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