【イベント】Rubyの父まつもとゆきひろ氏講演会「20代エンジニアのためのプログラマー勉強法」へ@渋谷スクエア
「笑顔が素敵なおじさんだなぁ。」
どうも、たかふみです。
今日は、Rubyの父である、まつもとゆきひろ氏の特別講演に行ってきました。テーマは、20代エンジニアに贈る"技術"との向き合い方です。
「社会人の勉強法とは」「なぜ勉強するのか」「どうやって勉強すべきか」というお話を90分間たっぷりと聞きました。まつもとさんはこの講演のために島根から飛行機で来て、その日のうちに島根に戻るとのこと。とてもありがたい...。そんな講演の内容をまとめたいと思います。
ー目次ー
■勉強とは
■『学生の勉強法』≠『社会人の勉強法』
■「なぜ・何を・どうやって」勉強するか
■勉強法について
■最後に
■質疑応答(ピックアップ)
■まとめ
■勉強とは
勉強とは、『抽象化』すること
人間は、難しいことは考えられないし、多くの物を処理することはできない。よって、抽象化して理解しやすくする必要がある。
抽象化のデメリット
抽象化によって、物事の共通部分を抜き出すことができるが、単純にし過ぎてしまい、重要である"違い"の部分が抜けてしまうことがある。
■『学生の勉強法』≠『社会人の勉強法』
異なる点
1.満点ありvs満点なし
2.記憶vs把握
3.試験vs常駐戦場
4.一次元vs多次元
5.メインvsサブ
6.間接的vs直接的
7.安定vs変化
1.満点ありvs満点なし
社会人に満点はない。
学生は「苦手克服」で点数を伸ばせる。5教科なら500点満点が取れる。点数を上げたいなら、点数が取れていない苦手な強化を克服すれば良い。一方で、社会人には満点がない。
→好きなことなら何点でも取れる。得意なことを伸ばす方が良い。
2.記憶vs把握
仕事は『記憶』では追いつけない。
基本を知っておくことは大事だが、分からなければ調べればいい。Googleはあなたの味方。社会人は知識でなく、いかに整理して把握するか。
3.試験vs常駐戦場
学生には、学んだことを活用する節目(期末テストや入試)がある。社会人は、今の勉強がいつ役立つか分からない。
4.一次元vs多次元
学生は、教科の合計で評価される。社会人は評価の軸が様々。
→得意なことを伸ばして評価の軸を減らせば良い。
5.メインvsサブ
学生は学ぶことが本分である。
社会人は働くことがメインであり、学ぶことはサブである。
6.間接的vs直接的
学生:この勉強が何の役に立つんだー!
社会人:学ぶことで出来る仕事が増える。
7.安定vs変化
学生が学ぶことは滅多に変化しない。ITは今の勉強が将来使えなくなる可能性がある。
...となると、学生時代と同じ勉強法でいいの?
■「なぜ・何を・どうやって」勉強するか
『なぜあなたは勉強するの?』
「成功したい!お金が欲しい!好きに生きたい!」
→「高評価」「尊敬」「尊重」が必要だと思う。
『あなたの得意なこと/苦手なことは何ですか?』
走り出すのは楽だが、走り続けることは大変。そして、走り出す前に"考えること"が大切。内省をして、自分の得意なこと、苦手なことを知る。「好きなものこそ上手なれ」です。
『どうやって勉強する?』
「内省」が必要
人それぞれで合う勉強方法は異なる。自分に合った勉強法を見つけるなら、内省が必要。
(内省:自分の行動、考えを顧みること)
自分の持っているものを"真剣に考える"
自分の得意なことを棚卸し(インベントリ)して整理して、自分が走る方向を考える必要がある。「人生」「妥協できる点」「方向性」などをポイントに考えてみよう。
■勉強法について
1.モチベーション管理
・大切なのは、好きなことをすること。
・人は、漠然とした希望には弱いし、続かない。
・「暇だ」「退屈だ」の言葉が出たら、モチベーション管理ができていない注意報。
2.時間管理
・時間管理とは、優先順位をつけること。
「勉強」の優先順位が高くなるのが理想。
Matzさん「プライベートは犠牲にしない。」
「働く時間=勉強する時間」を追及する。
これが出来ない職場は、"尊重されていない職場"なので転職を勧める。就業時間内で、生産性をいかに高めるか。
3.アウトプット
Matzさん「質はいい。まず出すこと!」
インプットするだけでは、他者との"差別化"にならない。一方で、アウトプットは"ハードルが高い"。
アウトプット(SNS,ブログ)により、知識を整理する。そしてアウトプットを繰り返す。繰り返すことで、アウトプットは最適化され、ハードルが下がる。そうすると、人間の可塑性(変化のしやすさ)が上げることができる。
■最後に
・基礎を抑える
コンピュータサイエンス、コンピュータアーキテクチャは学んだ方が良い。
・英語を学ぼう
18億人と話せるようになる
新しい情報を得ることができる
タイムマシン経営ができる
ガラパゴスを出て、新境地に行ける
必要なレベルで良い
語学は"場数"。才能じゃない
完璧は目指さなくていい
・コンフォートゾーンを意識して出る
コンフォートゾーン:居心地の良い空間
成長はできない。一歩踏み出そう。
・他人を見下さない。自分を卑下しない
プログラミングは人の都合に合わせて作られていることが多い。他人を見下すとコミュニケーションが取れなくなる。これはプログラミングができないことに繋がる。
・変化を恐れないこと
■質疑応答(ピックアップ)
Q.日本のITは、どうなれば素敵だと思うか
A.日本は「IT=ブラック」というイメージがある。これを払拭できたらいいな。
Q.社内で勉強会をやるのだが、気を付けるポイントはあるか
A.あまりきっちりしすぎないこと。テーマを決めるのは良いが、自由があった方が良い。
Q.売り手市場はいつまで続くと思うか
A.ソフトウェア開発に関しては、5,10年のスパンでは大丈夫だと思う。その前に、日本市場全体としてダメになってしまう可能性もある。海外勤務を考える方が先に来てしまうかもしれない。
Q.英語の勉強はどのようにしていたのか
A.自分の場合、強制的に英語で話さなければいけない環境があった。海外で講演をすると、多くの人に英語で話しかけられる。すると、なんとかして応えようとする。それを続けているうちに英語で会話できるようになった。
Q.普段、どのようなサイトでインプットをしているか。
A.
・Hacker News
URL:https://news.ycombinator.com
・reddit
URL:https://www.reddit.com/r/programming
Q.地方勤務は、取り残されるという恐怖は無いか
A.最新の情報は英語で公開される。そのため、気にしていない。
■まとめ
僕が8月からエンジニアに転職して感じていたのは、「学ぶことが多すぎてどれから手をつければいいか分からない...。」ということでした。あれもやってこれもやって、全てが中途半端になってしまうような不安がありました。今日の講演で、『社会人は自分の得意なことを伸ばせば良い』というお話を聞き、少しだけほっとしたような。よっしゃ頑張るぜ!と気合が入りました。
予想しようがない将来を不安に思わず、自分のできることは何か考えることに時間を使い、それを伸ばすことに集中する。勉強してスキルを伸ばし、自分自身をマーケティングする。まずは、内省からやってみようと思います。
イベントの最後には抽選会があり、「Matzさんとの2ショット+サイン本」という素敵なプレゼントがあったのですが、残念ながら外れてしまいました。当選率3%なら仕方ないですね...。書店で本を買って読もうと思います。当選された方がほんとに羨ましい!それでは!
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